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まじいなぁ~  ・・・ No31  完結
- 2018/04/08(Sun) -

 ものの2~3分で若い刑事がフォンへグラスに入った水と俺にはプラスティク容器に入ったアイスコーヒーを持って来た。 ついでに昔懐かしいステンレスの灰皿を置いていった。

 つい先日書かれたフォンの供述調書を取りに行った刑事はまだ戻って来ない。 わざとらしくタバコに火をつけた。 フォンが目を丸くして驚いている。 端から見たらかなり大胆な行為かも知れないが、個室でタバコくらい俺にはなんてことはない。 ただ、窓も換気口もないのでタバコの煙がそのまま部屋に充満してしまった。 ま、いいかぁ。

 ブラックのアイスコーヒーを啜りながら一本目のタバコを丁度消した時、刑事が部屋へ戻ってきた。 煙に嫌そうな顔をしてドアを目いっぱい開いて俺を睨んだ。 いくら睨まれても、ここで俺が悪たれをついても逮捕される訳では無いので好き勝手にやり放題だった。

「この調書には持っていた鞄を取られて、中の財布から現金2万円を抜き取られたと、書いてあるが・・・」
「だから、その辺はフォンの勘違いなんですよ。 ね、フォンさん」
「・・・・・」
「勘違いでも奪われたとある以上は」
「思い間違いだったんですよ」
「おたくね、こっちも仕事できちんと取り調べをしているわけだから、いい加減な事はここに書けない事くらいは分かるでしょうが」
「分かります。 良く分かりますが、以前の内容と、最近落ち着いてから思い出した事柄とに色々と違いがでまして、ね」
「2日にわたって同じ内容のことをそこのラッサミさんが言った事になってますがね」
「勘違いです」
「おたくね、勘違いでしたじゃ、済まないんだよ」 いらだってきている
「良く聞いてくださいよ・・・」
「本人が当時、動揺してどんな自供をしたかは知りませんが、その本人がここにいて、勘違いだと言っているんですよ」
「動揺していた当時と、今、こうして落ち着いている時と比べて、どちらに信憑性がありますか?」
「・・・・・」
「わかりますよね」

「あんた、弁護士じゃないんだろう」
「ええ、ただの知り合いで通訳です。 ですが、正しく通訳も翻訳も出来ますよ」
「今日、ここへ来たのは言った、言わないとか、やった、やらないとかの話じゃなくって、告訴を全面的に取り下げに来たんですよ」
「取り下げと言っても簡単ではないんだよ、あんた」
「簡単じゃない事は良くわかりますが、取り下げの事実は変わりません」

「そっちの人、えと、ラッサミさん・・・、この人の言う通り本当に取り下げに来たんですか?」
「・・・・はい」
「困ったなぁ」
「困ってるのはこっちです」

「自供の聴取ではあなたが殴られて、千葉の市川のアパートで鞄を奪われ、現金を抜き取られた事に間違い無いと供述してサインをしてるじゃありませんか?」
「・・・・・」
「刑事さん、サインをもらう前に本人へ読み聞かせて、確認してサインをもらってると思いますが、日本語が不自由な事と、当時は相手の事を憎んでいたでしょうから死刑にでもしてやりたいと思うのは分かりますよ。 でも、冷静になって考えてみるとかなり事実と供述が違うことに気が付いたわけですよ、フォンさんが、だから、こうして来ている訳ですよね」

「じゃ、供述書は全部間違いだとでも言いたいのかい」
「いえ、そう言ってる訳ではありません」
「いいか、この調書は2日も3日もかけて同じ内容を何度も確認しながら担当の刑事が書き上げて、内容に間違いが無ければサインして下さいと、サインをもらってるものなんだよな」
「ええ、でしょうね」
「間違いが無いからサインが有るわけだろうが」
「だから、その辺は勘違いでしたと、言っているんですよ」
「おたく、いい加減にしてもらえないかな・・・関係者でもない第3者が何を言ってるのか分かってるのか」
「刑事さん、そちらこそ何か勘違いしていませんか? 俺が話してることはここにいるフォンから聞いて、フォンに代わって通訳をしているわけだから、本人そのものでしょうか・・俺が」
「・・・・・」
「それに、あまり言いたくないですけどね、このまま裁判になって、証人喚問の時にフォンが「全て私の勘違いでした」と、言い出したらどうしますか? 検事さんも大恥をかきますよ、裁判官の前で」
「・・・・・」
「当然、検事さんから調べ直せと警察へ連絡が来たら、2度手間、3度手間を取るのはそちらのほうじゃないんですかね」
「・・・・・」


 刑事が何も言葉を返してこなくなったこのチャンスに、言いたい事を言う事にした。

「刑事さん、今日は言い争いに来たんじゃないんですよ。 彼女が事実と違う供述をした様で、物事がかなり大きくなっているので、本当の事を伝えに来ただけですから。 それでも、フォンの調書を100%信用して裁判をすると言うのでしたら、彼女は裁判所で証言をひっくり返す事になりまよ」


「実は・・・もう逮捕されてる容疑者の家族とも会って来ていて、示談書も慰謝料も受け取っているんですよ」

「え?」

「示談成立済みで、慰謝料も受け取っていると言ったんですよ」 ざまあみろ^^

「示談成立? 証拠はどこにある?」

「ここにありますよ、ほら」 鞄から1枚、書類を取りだして机の上に置いた

「え? なんだって?」 あわてて刑事が手に書類を取った

「こ・・これは」
「そうです、示談書です」 ^^

「示談書と言っても・・・」
「ですよね。 受け取れませんか?」

「・・・・・」
「警察に示談書を持ち込んでも余り意味の無い事くらいは知ってますよ俺でも」

「・・・・」
「直接、担当検事へ送った方が早いですよね」

「そうすると無駄な仕事をひと月もさせてしまう訳ですから、検事へ送る前に誠意でここに今日来たんですよ」
「今回の事件はここにあります様に示談が成立していて、慰謝料も今、彼女が手にしてます」
「同じ書類が2部有りますので、1部は告訴の取り下げ請求としておいていきます」
「もう1枚のこちらは今日、これから私の知人の弁護士を通して検事局へ行ってもらい、提出させてもらいますので」

「まいったなあ・・・」
「刑事さんの顔を潰したらいけないと思ったんで先に知らせに来たんです」

「そこのフォンさん・・だっけ、本当に取り下げするの?」
「・・・・・はい」

「そうですか・・・、じゃ、1枚はこちらで預からしてもらいます」
「宜しく御願いします」

「まいったなぁ・・・あんた、仕事、何してる人なんだ?」
「まじめに納税をしてるただの会社員です」 ^^

「なんだそりゃ?」
「いや、何でもありませんw ただの会社員ですがタイ語が話せるので外国人の相談役を引き受けただけです」

「タイ語?話せるのか?うちでボランティアの通訳しないか?」
「いやです!」

「え?なんでよ?」
「以前、新宿署でボランティアをして安い時給で24時間、寝てる時間も無く起こされた経験もありますので」

「え?そうなの?」
「そうです」

「いや~ まいったなぁ」
「こっちは先に検事局にいかないで、担当のポンジョ(本所警察署)へ顔を立てるつもりで来たんですけどね」

「そっかぁ~」
「取りあえず、1枚受け取ってください。 と、受け取り書、下さい」

「だなぁ~」
「もう1枚は、今日、これから新宿の弁護士に会ってこの事件の検事局を探してもらって持って行ってもらいますから」

「これで、間違い無く今回の事件の告訴の取り下げが出来ますよね」
「だなぁ~」 

「では受け取りを下さい」
「ちょっとまって、ちょっとまって。 今、書類をもって来るから」

「御願いします」
「はいはい」

 思いっきり困った顔をして刑事が出て行った。 フォンは横で震えていた。 怖かったのかな?


 逮捕されると48時間以内に検察官(検事)のもとへ事件が移されるので、事件自体は検事扱いになる。 刑事は検事のお手伝い程度に供述調書を造り、それを元に検事が起訴(裁判)か、不起訴かを決める訳なので、最終的な判断は検事にある。

 しかし、通常、示談が成立していればほぼ100%不起訴になる。 または、罰金刑になっても実刑は免れるのである。

 今日、フォンからもらった1枚を錦糸町警察署へ提出する必要は本当の意味では無いのだが、提出しないよりもは早い釈放を狙ったのだった。 不起訴が分かっていながら、今後は供述書を作る事(取り調べ)はなくなる訳である。


 ステンレスの灰皿を机の脚の脇にかくして置いたのだが、腕を伸ばして取りだし、机の上に置いてタバコに火をつけた。 最高にうまいいっぷくだった。 ブラックのアイスコーヒーもぬるくなっていた。

 時計に目を落とすと午後3時を回っていた。



 10分後、刑事が戻って来た。 書類を2枚机の上に置いた。
 
 1枚は示談書の預かり書で、もう1枚は告訴の取り下げ状だった。 喜びでタバコを消す手が震えた。

「じゃ、そちらのフォンさんだっけ? ラッサミさんだっけ、ここに今日の日付とサインをして下さい。 ハンコは持ってませんよね」
「はい・・・ハンコは持って来ていません」

「じゃ、まず、日付と名前、登録証の名前ね。 ここに書いて」
「はい」

「こっちの書類にも日付と名前を」
「はい」

「あとは2枚との拇印をもらいます。 右手の人差し指でお願いします」
「はい」

「あ~、少し黒くなるけど、そこのティッシュで指を拭いて下さい」
「はい」

「はい、有り難うございます」
「では、この紙が示談書の預かり書で、こっちが告訴の取り下げ状です」
「はい」

「刑事さん、この2枚とも関係者が不起訴になったらもう必要ないですよね?」
「と、思いますが、取りあえずは2~3年は保管をしていて下さい」
「ですかぁ。 分かりました」

「では、随分とお時間を取らせましたけど、有り難うございました」
「あと、事件の事で、何かありますか?」
「いいえ、書類の提出に来ただけですから」
「そうですか」
「ええ」

「あんた見たいな人、始めてみたなあ」
「え?」
「警察を手玉にとる人だよ」
「いや? 何の事やら」 w 
「では、これはこれで預かっておきますから」
「宜しくお願いします」
「・・・・・」 フォンは無口だったが、指に付いた黒いインクが気になっている様だった

「さて、フォンさん 帰ろうか」
「はい」
「失礼します」
「そこのエレベーターまで一緒に行きますから」
「有り難うございます」


 閉まったエレベーターの中で両手の甲をみて見た。 指先が少しだけ震えていた。 興奮していた。
 
 懲役5年を不起訴に出来そうなのだから当然のことかも知れないと自分で納得した。


 エレベーターを降りて受付の脇を通り、正面玄関へ出た。

「ごめん、フォンさん、ちょっと待ってて」 と、警察署の中へ引き返した。 刑事からもらった書類のコピーをしたかったのだ

 受付で「済みません、上で書類をもらったんですが、1部ずつコピーをお願いしたいんですが」と、下手にでてみた。
「え~コピーですか? 奥の交通課の隣に行ってください」
「有り難うございます」

 交通課の隣の総務らしい部署にコピー機が見えた。
「済みません、上で戴いた書類のコピーをお願いしたいのですが」 ここでも下手にでるw
「あ? いいですよ。 用紙を下さい」
「2枚有りますので、1枚ずつお願いします」
「分かりました」 と、受け取った用紙を見てギョッとしている・・・だよね

 無事に2枚コピーしてもらい正面玄関のフォンの元へ近づいた。

「はい、フォンさん。 コピー渡すね。 オリジナルは俺が持っておくから」
「ありがとうございます」

「もう二人でやることはないから、これでおしまいだね」
「そうですか」

「ま、いろいろ心境は複雑かも知れないけど、これでお互い幸せになれるさ」
「ですね・・・」

「取りあえず、有り難う。 君の借金は俺が責任をもってチャラにするから。 それと、今日、受け取った100万円は返せとは言わないから安心していいよ。 俺が約束するよ」
「はい・・・」
「もし、なにか心配事や相談事があるなら俺に連絡してくれ」
「はい」
「090-9312-9797 めめ、て言うから 俺の名前」 鞄からモンブランで用紙の裏にメモった

「? めめ ?」
「ああ、新宿のめめだよ」
「え? 本当のめめさん?」
「ああ、本物だよ」
「・・・・・・・知らなかった」

「ケース バイ ケースで鬼にも仏にもなるさぁ」
「名前は聞いたことがあります・・・」

「今回は鬼だったけど・・・フォンさんには」
「・・・・・」

「今度は力になれる事があれば遠慮しないで連絡してくれ。 出来る事ならするから」
「はい」

「ん?」
「めめさん・・・ごめんなさい」

「ん?」
「ゲオチャイのママさんが笑いながらお金を渡してくれたの・・・私に」

「よかったじゃん」
「だって・・・・」

「気にすることはないさ。 お互いに幸せになれるんだからさ」
「今回のことは・・・・ごめんなさい。 友達が直ぐに警察に行けばきっと借金は払わなくても良くなるって言われて・・・・」

「おおかた、そんな」事だろうと思ってたさ。 でも、もう終わったから」
「はい」

「もう止めよう、この事件の話は。 もう全てがチャラだからさ ね」
「はい」

「どこか送ろうか・・・と言っても、いずらいよね一緒は」
「はい・・・駅、そこですから歩きます」

「だね。 じゃ、またなにかあったら・・・・」
「はい。 さようなら」

「じゃね」
「はい」

 ワイ(タイ式の両手を胸の前で合わせる動作)をしてフォンは駅へ足を進めた。

 俺も駐車場のS500へもどりサンルーフと全ての窓を全開にしてタバコに火をつけた。







 逮捕から20日後、

 4人の内3人は不起訴。 勿論、タエちゃんも帰って来て、金沢へ向かった。
 主犯格のゲオチャイのママの娘リカは罰金50万円の略式裁判判決だった。

 1%でも可能性があれば俺は動くさ・・・・





                                   完結。


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まじいなぁ~  ・・・ No30
- 2018/04/08(Sun) -

 この更新をしている今日は4月の8日(日)。 朝早くから熱海の初島に来ている。
 
         エクシブ初島クラブ1     エクシブ初島クラブ2


 世話になった以前の会社から、毎年恒例の花見会へ誘いをうけたからだ。
 社員の家族参加で慰労会をかねたイベントだ。 年末にも行われ、1室1泊5,000円で泊まれる。
 勿論、差額は会社持ちだが、会員制クラブなので全国各地の施設を利用出来る。

 体調不良を理由に退職した会社なので、顔を出すのもバツが悪いのだが社長から直々にオファーがあったので参加している。
 久々に昔の部下達の姿をみると立派に成長していた。 きっと元の上司がいろんな意味で有能だった証だ。 ←キッパリ!

 芸能人の熱海での隠れ宿に良く利用されるのだが、メンバー費用も250万~と手頃で使い勝手が良いリゾートクラブだ。

 マッタリしながら広い部屋に引きこもりブログの更新をしている自分が悲しい・・・・・。


 「 オフ会 告知 」

 4月の21日(土) 新宿の西口、新宿郵便局のすぐ近くの居酒屋 
 鳥元 https://tabelog.com/tokyo/A1304/A130401/13006736/ で午後18時~ 安東家、蒼龍総本山のオフ会が
 KGBさんの主催で執り行われる事となりました。

 遊びに来たい読者さん、めめの素顔を垣間見たい人はお気軽に飲み会に参加して下さいませ~ (^_-) 
 参加費5,000円だそうです。

  *****

 通されたのは2階の刑事課のある一番奥の小さな部屋だった。 3畳ほどの広さで窓が無い。 昼なのに薄暗くヒンヤリとした空気がよどんで漂っている。 部屋の真ん中に事務用のスティール机だけがあり、折りたたみ椅子がドアの脇に立てかけられていた。

 俺とフォンにパイプ椅子を組み立て、机に寄せた。 「どうぞ」と、若い刑事が俺とフォンを促して、座らせてから部屋を出て行った。


 ここへ案内したのは若手の刑事だが、部屋にフォンと二人で居ると入れ替わりで年齢が50を超えた風格の、気むずかしそうな刑事が部屋へ入って来た。 目だけがギラついているいかにも刑事の目だ。 「おまえら、とんでもない事をしでかしに来てくれたなあ」と、でも言いたそうな顔だった。

 こんな刑事など俺にとっては朝飯前だった。 ただフォンが雰囲気に飲まれ萎縮してしまい下を向いたままだった。

「で、どんな件でしたっけ?」 刑事が目で圧力をかけてくる
「俺はこのフォンさんの知人で通訳ですが、彼女がかかわった事件の取り下げに来ました」 キッパリ伝える
「事件の取り下げ?」
「ええ、そうです。 告訴の取り下げです」
「告訴の取り下げって、調べが進んでるんですよ」
「ええ、面倒なことは良く分かっていますが、何分にも彼女に思い違いや、勘違いがかなり有りましたので」

 面倒くさそうな顔で刑事が俺の目を覗き込んだ。

「取りあえず、おたくの何か身分証を見せてもらえますかね」
「免許証しかありませんが、いいですか」
「ええ、結構です。そちらの方も外国人登録証を見せてもらえますか・・」 フォンの鞄を見ながら尋ねた

 財布から免許証を取り出し正面に座っている刑事に渡した。 フォンも鞄から財布を取り出し、登録証を机の上に置いた。

「じゃ、これ、コピー取りますから・・・良いですかね?」
「どうぞ。 その前に、1階の受付で渡したこの事件の刑事さんの名刺を返してもらえますか?」
「名刺?」
「ええ。先ほどの若い刑事さんが受付で受け取って持っていますから」
「じゃ、先ほど案内した彼に聞いてみますから、待ってて下さい」
「お願いします。 担当の刑事さんが誰か分からなくなると、面倒くさくなりますから」
「・・・・」 黙ったまま俺の免許証とフォンの登録証を持って部屋をでた。 出入り口のドアは開いたままだ

 俺の免許証をコピーして、ついでに犯歴の照会をする事だろう。 あまり良い気分では無い。 前科は無いが前歴は残っているハズなのだ。
 前科とは逮捕、起訴されて裁判にまで行けば、無罪でも有罪でも前科1犯となる。 裁判で罰金刑でも有罪の扱いとなるので前科1犯である。 前歴とは逮捕されて起訴まで行かないで釈放された回数が前歴となる。 逮捕され1日でも警察に泊められたことがあれば前科は0でも前歴1となる。 つまり、警察のお世話に何回なっているのかが照会で分かってしまうのだ。 痛くもない傷口を探られる気分だった。
 
 10分ほどでさっきの50過ぎの刑事が戻って来た。 右手にフォンの登録証と俺の免許証と白い名刺が見えた。 ゆっくりと俺の顔を見ながら椅子に腰を下ろして、机の上に登録証と免許証を置いた。 

「コピー取らさせてもらいました。 どうそ」 俺とフォンの前に手で押し出した
「それと、これですね担当刑事の名刺は・・・」 俺に渡した
「ええ、そうです。 有り難うございました」
「これは私の名刺です。 吉田と言います」 名刺を渡された

 目を通すと1課1係の係長の名刺だった。 かなり位の高い刑事だ。 

「そちらさんは警察は怖いですか? そんなに堅くならなくてもいいのに」 フォンを見ながら刑事が笑った
「・・・はい」 フォンの声がかすれていた
「ですか、はははは」 低い声で笑った
「で、こちらさんは余んまり警察が怖くないようですね・・・」 俺を、見てうすら笑いをした
「まぁ、新宿に永いこと住んでいれば、大概(たいがい)の物事には動じなくなりますからね」
「ですか・・・」 ニヤリと笑った もうこちらの前歴は割れている顔だった

「では、詳しくお話を聞きましょうか」 刑事が姿勢を正して椅子に座り直した



「今日、突然でしたけどお伺いしたのは、こちらのフォンさんの事件の事でです」
「フォンさん?」
「フォンと言うのは通称名ですが、IDにはラッサミ・トン・ブン・マーと言う正式名が載っているはずです」
「・・・・ん」 登録証に目を落としながら確認をした

「TVのニュースや新聞等でもかなり書かれてましたけど、ここ、錦糸町でこちらのフォンさんが借金の返済トラブルから殴られ、拉致されて暴行や鞄から現金を取られた、強盗されたと言う事件です」
「確かに、内の係で捜査してるんだが・・・」
「その件なのですが、調書を取る際にかなり動揺をしていた事と、日本語のニュアンスが良く分からなかったので受け答えでハイ、ハイと、答えていたらしいのですが、最近、落ち着いてから詳しくフォンさんに聞いてみると、殴られたのは確かなのですが、バックからお金を取られたと言うもの勘違いで、鞄から財布を取り出し、テーブルの上に置いて「お金はそれだけしか今は無いから」と言ったらしいのです」
「・・・・・で」
「机の上の財布から現金3千円だけを抜き取って、相手からは財布を彼女へ手渡してもらったと」
「・・・・・」
「分かりますよね、言いたい事は」
「・・・・・」 黙ったままこちらの目を見ている
「彼女から鞄を取り上げて、嫌がる彼女から無理矢理に財布を奪って現金を抜き取ったのでは無いと、言う事です」
「・・・・・」 
「それに」
「ちょっと待ってもらえますかね。 調書を見てみますから」
「是非、確認して下さい」
「供述書を取って来ますから、このままで」
「ええ、どうぞ」

 顔をしかめながら部屋を出て行った。 事件の大きなポイントの強盗と、テーブルの上に自分から財布を置いて「中身を確認させた」では、全く事件にはならないのだ。 たとえ、その確認をした財布から3千円を抜き取っても、本人の目の前で同意を得て抜き取ったのなら犯罪では無い。 ここが1番の突っ込み処なのだ!

 しかし、報道では、アパートの部屋内で彼女から財布の入った鞄を奪い=強盗、現金を抜き取り、その際に抵抗する彼女、フォンに乱暴(暴行、怪我をさせた=致傷)をしたと、言う事になっていた。

 俺がその場で見たわけでは無いが、事件後にタエちゃんが同じ同僚に話した内容では、間違いなくフォンがテーブルの上に置いた鞄の中から、フォンに言われて財布の中身を確認して財布から3千円を抜いたと、聞いていた。 今となれば横にチョコンと座っているフォン自身から話を聞き出せば事実は分かるだろうが、そんな事は今更になっては無意味でしか無かった。

 やった、やらないなど、本人の記憶でも曖昧なものなのだ。 
 調書を作る刑事次第で天と地ほどの調書(物語)が出来上がる。 要は警察側をいかに納得させる事が出来る話であるかどうか?だけが重要な事なのだ。


「なにか 飲みますか?」 先ほどの若い刑事が部屋の入り口で聞いてきた。

「フォンさん、何飲む?」 小さくなってる彼女に尋ねた
「私、お水でいいです」 蚊の鳴くような声だった
「じゃ、お水と俺にはアイスコーヒーをお願いします。 ブラックで」 ^^
「え?・・・そちらがお水とアイスコーヒーですか・・・」
「ええ、お願いします。 気持ちを落ち着かせたいんで灰皿もお願いします」 ^^
「・・・わかりました。 少々お待ちください」


 取り調べ室でタバコなど、滅多にない事だし、俺にも久々の経験だった・・・。    笑



                         まじいなぁ~  ・・・ No31へ




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まじいなぁ~  ・・・ No29
- 2018/04/07(Sat) -
 
 錦糸町警察署はJR錦糸町駅から直ぐ北側、錦糸公園沿いの四つ目通りから、スカイツリーへ向かう中間点に位置する。
 昔から本所警察署と呼ばれていて、錦糸町警察署とは呼ばれていない。 地元では本所(ほんじょ)が訛って、「ポンジョ警察」と呼ばれ、駅からゆっくり歩いても10分もかからない。

 正面入り口の左側へ会社から乗ってきたS500を駐車場へ駐め、時計に目を落とす12時15分をまわっていた。 車から降り、示談書の入った鞄を持ち、正面玄関へ向かいながらフォンの姿を探す。 40過ぎのタイ人女性なら、ひと目でフォンと気づくはずだ。
 あたりを注意深く見渡したが姿は見えない。 警察署の正面玄関から中を覗くと受付の警官から用件を尋ねられたが、友人と待ち合わせだと、軽くあしらって駐車場へ戻った。 フォンの姿が見えるまで車の中で待つ事にした。

 車に戻り禁煙車のサンルーフを全開にする。 運転席と助手席の窓ガラスも一番下まで下げる。 タバコに火をつけながら昨日のフォントの会話を思い出していた。 「こわい・・・」と確かに口にした彼女の言葉が耳に残っていた。 実家へ飛ばした取り立て屋の奇襲が効をそうした。 タイ国の実家をも巻き込んで、どうしても混乱の内にフォンから示談と告訴取り下げを取り付ける必要があった。 
 関係者が逮捕後、20日以内にもみ消さなくては実刑は確定なのだから・・・。

 
 気が付くと12時を40分ほど回っていた。 ここまで待たされると流石にこっちが不安になる。 本当に来るのか心配になり始めた。 そんな時だった。 警察署の正面に1台のTAXIが停まった。

 運転手へ代金を支払い、TAXIから降りて正門前で直立不動のままで今来たばかりの駅の方を向いている女の後ろ姿を見ながら、車内で吸っていたタバコを半ドアにして車外へ落とし、投げ出した足で踏み消した。 サンルーフと窓を閉めながら彼女の動きを目でおって、ゆっくりと車から降りてドアをロックした。


 駐車場からゆっくりと彼女の方へと近寄って行く。 と、警察署の正面で振り返った彼女と目と目が合った。 40歳台には見えないほど若作りをしている女だった。 一瞬後退りをしたがその場を動かなかった。 彼女の目の前まで行って声をかけた。

「フォンさん かい?」
「ええ」
「昨日、電話をした者だけど、ゲオチャイへ行って来たのかい?」
「今、行って来ました・・・けど」
「じゃ、お金は受け取ってるね」
「ママさんから受け取りました」
「OK, じゃ約束通りだよね」
「待って、本当にもうタイの実家には取り立ては行かないわよね・・・」
「ああ、約束通り、もう行かない予定だけど」
「予定ってなに?」
「あなたが、フォンさんが約束を守ってくれれば心配は無いハズ」
「・・・・・分かりました」
「約束通り、この前の事件の件での、告訴を取り下げてもらえればそれで良い事だからさ」
「・・・・」
「難しくないから、任せてくれ」
「はい」

「まずは俺が持って来ている書類へサインをしてもらいたいんだけど、警察署の中で書こう」
「ええ」

 2人で正面玄関から署内の左奥にある免許証書き換えセンターのテーブルに向かおうとすると、受付の警察から声をかけられた。

「どういった用件ですか?」
「済みません、今、書類を書き終えてから伺いますので。 そこの机、お借りします」
「どうぞ」

 怪訝そうな顔で俺とフォンの2人の顔を2度見、3度見している。 受付の2人の警官を無視して奥の机に向かった。 後ろからフォンがついてくる。
 カウンター式の机に鞄を置いて中から書類を2枚を取りだして、1枚をフォンへ手渡した。 同じ中身の書類だ。

 手渡された書類を見ているが、中身は日本語なので分からないと、言うジェスチャーをした。

「フォンさん、あんた本当に俺を怒らせてしまったんだよ、今回は・・・」
「・・・・・」
「だから借金を返せなければ、実家も親戚の子供達の通っている学校まで火をつけてやろうかと思ったさぁ」
「・・・・」
「言っておくけど、俺はあんたのおかげで最後に逮捕されたタエちゃんの友達なんでね」
「彼女の友達から今回の事を聞いたけど、随分と話が違う気がするんだよ」
「で、友達までが逮捕されてしまったんで、あんたの実家まで巻き込んだ訳さ」
「・・・・・」
「でも、昨日、あんたと約束をした通り、借金は無しにして、プラス100万円で事件を取り下げると言う事で、あんたも約束を守るなら俺の方も約束を守るからさぁ」

「それで、いいよね」
「・・・ええ」

「もし、いやだと、言われたら火事を起こして、火をつけた犯人達の全員をラオスへ逃がす予定だったのさ」
「・・・・」

「まぁ、約束を守ると言う事なんで、話を進めるけどさぁ」
「この書類の内容は、今回の事件に付いて勘違いや、事実と異なる供述を間違ってしてしまったので、当事者の家族との示談を納得して受け入れ、告訴を全面的に取り下げます。 また、慰謝料名目で現金100万円を受け取りました。 と、言う内容が日本語で書かれているから、あなた、フォンさんは書類のここへサインをして」

 彼女の持っている書類の一番下の右端にサインをせがんだ。

 フォンは何も考えずに簡単にサインをした。 続けて、2枚目の控えにもサインをさせた。 簡単だが、示談書の完成だ。
 1枚はここの警察署へ提出して、同じ物のもう1枚は担当の検事へ知り合いの弁護士を通じて送りつけるのである。
 

 
 2枚の書類にフォンからサインをもらい、1枚は提出しなくてはならないので、もう1度、2人で受付へ向かった。


「すみませんが、刑事事件の告訴の取り下げをしたいのですが」 受付でわざと大声で話した
「え? どう言う事ですか?」
「告訴の取り下げをしたいんです」
「取り下げ?」
「はい」
「どんな事件ですか? 担当の刑事は分かりますか?」
「フォンさん、担当の刑事さんの名刺でも持ってないかな?」 振り返ってフォンに尋ねた
「え~と、名前は忘れたけど、名刺はこれです」 しめた
「担当は刑事1課の橋本さんです」 名刺を読みながら受付に手渡した。
「少々、お待ち下さい。 お二人のお名前をここへ書いて下さい」 受付票を渡された

 フォンはローマ字で書き終え、受付票を俺に手渡した。 俺も名前を書いて2枚を受付に渡した。

「上から人(刑事)が来るまで、そちらのソファーでお待ち下さい」 受付が目の前の長椅子を指さした
「おまちします。 フォンさんも座って」 彼女から座らせた

 いきなり受付が慌ただしくなった。 担当が誰だとか、事件の告訴を取り下げに来ているとか、パニクっている。 多分、上の刑事1課でも同じ事が起きていることだろう。

 何よりもフォンが刑事の名刺を財布の中に入れて有ったことが幸いだった。 面倒な手間が省ける。 

 フォンは腹を決めた様に見えた。 この事件の件は俺から言われるように取り下げて、借金はチャラで+100万円を手にした方が利口な事くらいは気が付いているんだろう。 

 
 あとは俺と刑事との勝負だ。 
 告訴の取り下げなど、刑事にとってこれ以上の最悪で屈辱的な事はない。

 フォンは他人ごとの様に成り行きに身を委ねていた。

「1課の橋本が取り調べ中なので、別の者が来ますから」 受付から若い警官が伝言で来た
「分かりました。 お待ちします」 誰が来ようとも示談書と取り下げは受理させる気でいる腹でいた


 5分ほどすると奥のエレベーターから若い刑事が降りてきた。

「え~と、めめさんとフォンさんですか?」
「ええ、そうです」
「では、お話を聞きますので、2階の部屋の方で・・・」
「わかりました」 他人ごとの様な顔をしているフォンを促して3人でエレベーターで2階の刑事課へ向かった。


 相談室、と言うよりもは・・・広めの取り調べ室へ案内された。 フォンの顔がこわばってきていた。

「私の方で話をお聞きしますので・・・・」 若い刑事とベテラン刑事が入れ替わった

 
 

 拗(こじ)れさせると面倒になるので、要点、要点に注意をして伝える事にした。







                           まじいなぁ~  ・・・ No30





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まじいなぁ~  ・・・ No28
- 2018/03/28(Wed) -

 Eilly     Eilly 2 Eilly 3 Eilly 4        
娘がバンコクで呼んでいるw






 事件の概要 ***

 金を取り立てようと女性に暴行を加えて現金を奪い、マンションに監禁するなどしたとして、タイ国籍の女ら4人が警視庁に逮捕された。

 逮捕されたのは東京都墨田区錦糸のA容疑者(45)ら男女4人。

 A容疑者らは先月下旬、墨田区内でタイ国籍の女性B(45)に対し、頭や胸を殴るなどの暴行を加えて重傷を負わせ、現金が入ったバッグを奪ったうえ、千葉県のマンションの一室に連れ込んで監禁した疑いが持たれている。
A容疑者らは女性に金を貸していて、期限前に返済を迫り、トラブルになったという。

 取り調べに対し、A容疑者らは「暴行してマンションに連れて行ったが、金は取っていない」と容疑を否認している。


 * この事件の裏側に めめ がいたなど、誰も知らないわなぁ~
    このAと言うのがゲオチャイのママの娘で、リカで、
    このBと言うのがフォンという事になるわけなのだが・・・・

******
 
 フォンとの電話を終え、腕時計に目を落とすと午後1時をまわっていた。 かれこれ小1時間近くも話していたことになる。 さすがに耳が熱かった。

 予想以上にフォンの実家への奇襲攻撃が効いていたようで、フォン自身ももかなり動揺をしていた事が窺(うかが)えた。 自分の借金の事で、まさかのタイの実家にまで、それも兄弟の家まで借金取りが行くとは思いもよらなかった事態だったろう。

 俺の狙い道理だった。

 警察に駆け込んだことで自分の借金もがチャラになったと思い込んでいたところへ、事件は事件、借金は借金と、まさか取り立てに来るとは夢にも思わなかった事だろう。 それも実家に火をつけるなどと脅かされたら、流石に動揺は隠せないし、パニックに落ちいるだろう。

 その最中、追い込みをかけた張本人から電話で「借金はチャラ、実家へは手を出さない、加えて100万円も明日現金で受け渡す」と、なれば断る理由はない。

 100万円は一般的な慰謝料なので、検事や裁判官の心証を悪くしない程度の和解金のつもりだった。 無駄に弁護士に300万円も500万円もボッタクられるくらいなら安いモノだと思う。

 フォント話している時には彼女の声色を伺っていた。 少しでも実家への奇襲が効いている素振りが見えたなら、その隙にこちらの条件を投げ込むチャンスを探っていたのだ。 案の定、フォンが 「こわい」 と、もらした言葉を俺は聞き逃さなかったのだ。

 途中で通話を切られ、二度と繋がらなく事が俺にとっては最悪のシナリオとなる。 しかし、かけ始めた時に1度切られてから、また直ぐにフォンが電話にでたことで確実に実家からフォンへ連絡が行っていることを確信していた。 あの時点でもう勝負は決まっていたのだ。

 少し高揚しながらも携帯のSIMを入れ替え、錦糸町のゲオチャイのママへ連絡を入れた。 店に直接電話をした。

 ♩~

「はい、ゲオチャイです」
「新宿のめめですが、ママさんをお願いします」
「少し、お待ち下さい」
 ♩~♩~
「はい、もしもし」
「めめです」
「あ、めめさんですか」
「今、フォント話をして」
「で、何って言ってました?」 言葉をさえぎられたw
「実家へ火をつける!という捨て台詞がかなり効いていた様で、彼女、俺からの話を全部 OK しましたよ」
「え~~~!どう言う事ですか?」 声がでかいわw
「まず」
「はい」 
「明日、お昼ちょうどにフォンがそちらのお店へ行きますから、この前、話した100万円をフォンへ渡してください」
「ええ、わかりました」
「その時に、彼女の借用書も一緒に渡して下さい。 彼女への借金はチャラです」
「はい。で、彼女、何と言ってました?」
「明日、お店から出たら錦糸町の警察署へ行って事件の事を取り下げてくれるそうです」
「え・・・・・本当ですか・・・・めめさん・・・・」
「ハイ!本当です。 念のために明日、警察署の前で待ち合わせをして、一緒に俺も警察署へ行きますから安心してください」
「・・・・めめさん」
「はい?」
「ほんとうに、本当ですか?」
「ハイ!本当に本当です」
「どうして弁護士さんも出来ない事をめめさんが出来るんですか?」
「ん~~~俺にも良く分かりませんけどねw」
「本当なんですね?」
「ええ。 ママのおかげでタイの実家では借金取りの事で大騒ぎになってる様です」
「はぁ~」
「で、フォンも訳が分からなくて困ってましたよ」
「はぁ~」
「で、フォンはこの事件で自分の借金が無くなると思ってたんですが、事件と借金は別なんで、俺が実家へフォンの借金を取りに人を飛ばすと、言ったら電話口で困っていたんで、じゃ~、借金をチャラにして+100万円やるから、今回の事件の事は取り下げてくれと、言ったら素直に応じてくれましたよ」
「そうですか」
「ええ」
「まだ信じられない様な気がして・・・」
「まぁ、もう少し、最後まで俺にまかせてみて下さい」
「ええ、全部、お任せしますから・・・夢みたいですよ、めめさん」
「取りあえず、明日、フォンがそちらのお店に行くと思いますから、なにも言わずに・・・何も言わずに借用書と100万円を渡してくださいね。 文句も言いたいこともあると思いますが、まずは我慢してください」
「はい。 めめさんの言いたい事は分かりますから、我慢します」
「ええ、お願いします」
「え~~~まだ信じられない気分です」
「まぁ~普通にやってたら確実に刑務所ですからね・・・」
「諦めて、泣いてましたよ毎日・・・」

「明日までに俺が 示談書 を作って警察署へ持って行きますから、そこでフォンからハンコでもサインでももらえば大丈夫です」
「有り難うございます」
「いえいえ、示談書と100万円は慰謝料と言う事にしておきますから、明日が終わればリカさんの実刑はなくなると思います」
「そうなんですか・・・有りがたいです」
「2ヶ月くらいは絞られると思いますが、これで4人とも実刑の刑務所行きはなくなりましたから」
「うれしいわ、本当に」

「じゃ、100万円とフォンの借用書、なにも言わずに・・・渡して下さいね。 明日」
「分かりました」
「じゃ、また明日にでも連絡しますから」
「めめさん、有り難うございました」
「いえいえ、俺も友達のタエちゃんを取り戻すことが出来ましたので、ママさんに感謝してますから。 では、明日、また」
「めめさん、有りがたいです・・・明日また・・・」
「ハイ」

 本心では筋書き通り行きすぎて、少し拍子抜けしている自分がいるのだが、まぁ、無難に事が運んで一安心しているのは俺自身だった。

 さてと、帰って明日の為に 示談書 でも作るかなぁ~。 まず、確実に刑事はいい顔をしない事は目に見えたいる事だが、示談書を提出して、告訴をも取り消してしまえば起訴猶予か罰金しか検事側も手がない事は100も承知の沙汰なのだった。

 示談書だけだと裁判まで行くが、示談書+告訴取り下げならば裁判にはならないのだ。 20日ほど泊められて釈放されることは経験済みだった。 い・・・いや、俺の経験上での話ではなく、新宿に住み着いてからの色々なケースを見てきた結果からの経験上・・・と、言う意味なのだが・・・w。





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蒼母衣衆の設立時からもう5年を共にしている 「 かな 」姫が、酔っ払うと田舎の一軒家で大声で唄っているらしいw

サビの部分が耳に残って何故か俺までハマってしまったわぁ


 
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まじいなぁ~  ・・・ No27
- 2018/03/28(Wed) -

 昼少し前、タワーマンションを出てその足で新宿3丁目へ向かった。
 
 家電ストアに入り、自動販売機から使いきりタイプのプリペイドSIMを1個購入する。 外国人観光客用に売られている期限付きの使い捨てSIMだ。 1週間使えるタイプで2,200円。 このSIMと自分の携帯のSIMを入れ替える。 これで俺の携帯電話No9797が出ない。

 9797の俺の携帯から直に電話しても良いのだが、SIMを入れ替えてフォンへ電話する事を朝目覚めてから決めていた。 別に深い意味は無いのだが、ただ気分の問題だった。

 
 フォンの携帯にはタイ本国の家族や兄弟、親戚からも借金の取り立てが実家まで来た驚きと、怒りの電話が相当数入っている事だろう。 そのドサクサに紛れて俺もフォンへ警告の電話をすることにしていた。

 フォンは千葉県市川市の自宅アパートへ事件後に戻っている事は知っている。 電話がいいのか、直接アパートを訪ねた方がいいのか少し考えたあげく、まずは電話をすることにした。


 昼、フォンへ電話をしてみた。  (ここからのやり取りは全てタイ語なのだ)


 ♩~♩♩~ ♩~♩♩~

「だれ?」 すぐにフォンがでて、こちらが一瞬とまどった
「もしもし、ラッサミ・トン・ブン・マアーさんですか?」 ワザと フォン とは言わずに彼女の本名を名乗った
「・・・あなた、だれ?」 少し間をおいてから、こちらをうかがっている
「ラッサミ・トン・ブン・マアーさん、フォンさんですよね」
「・・・・・」
「あなたに話したいことが少しだけあります。 あなたのタイ国の実家の事です」
「・・・・・」

プチッ ツ~~~ 
電話を切られた。

もう1度リダイアルする。

 ♩~♩♩~ ♩~♩♩~

「なんなの?」 またすぐでた
「明日、あなたの実家のあるピッサヌローク県に借金取りがまた行きます」
「え?」
「あなたが借りている100万円の借金の取り立てに行きます」
「え?どういう事?」
「タイにいる私の知り合いが、あなたの実家と、弟さんと、妹の家へ、あなたの借金の事でまた相談に行く予定です」
「なんで私の実家にいくのよ?」
「借金があるからでしょう、あなたに」
「だれなの?」
「一昨日も昨日も私の実家に借金取りが来たって聞いたけど、どうして? 私の借金なのに、どうしてタイの実家に?」
「フォンさんが100万円を返さないと、タイの実家や妹の家、弟の家を 火事 にすると言ってませんでしたか・・・・」

「それ、本当の話なの? ねぇ~、本当なの?」 熱くなってきている
「本当だから、今、あなたに電話をしているんです」
「意味がわからない・・・」

「あなたは100万円を借金して、まだ支払いが終わってないですよね」
「・・・・・」
「で、テレビのニュースにもなりましたよね、この前の事件」
「・・・・・」
「だから、4人みんなが警察に捕まったんで、代わりにバンコクのヤクザがあなたの家へ借金を取りに行く事になったんですよ」
「家族、関係ないでしょう!」
「あなたが払わないから、タイの実家へもらいに行くだけですよ」
「・・・・・」
「あなたの名前はラッサミ・トン・ブン・マアーさんで、実家がピッサヌローク」
「そして、妹さんが、ウドンタニーで2人の子供さんがいますね」
「弟さんは3人で、3人ともコンケーンにいますよね」
「全部分かっています」
「・・・・・」
「違いますか?」
「・・・・・」
「それと、昨日、タイ人の借金の取り立て屋が行きましたよね・・兄弟の家にまで」
「なんでなの?」
「だから、あなたが借金を払わずに、事件を起こして終わりだと思ってるからです」
「え?」
「あなたはゲオチャのリカさんから100万円を借りましたよね。 でも、支払いが遅れたり、払ったり、払わなかったりしていたので、リカさんが怒ってアパートまで行きましたよね。 それで、殴られたとか、バックからお金を取られたとかで警察へ行って4人が捕まりましたけど、あの100万円はリカさんのお金じゃなくて、リカさんがヤクザから借りてあなたへ渡したお金なんですよ」
「・・・・・」

「だから、4人が捕まっても100万円の借金はヤクザが取り立てに行く訳ですよ」
「フォンさんのIDのコピーも借用書も全て持ってますからね」
「・・・・・」
「ゲオチャイのリカさんはヤクザにあなたを紹介しただけですから、元々はヤクザがあなたへ100万円を貸した訳なんですよ」
「だから、あなたが借金を返さないなら、タイの実家や兄弟の家を燃やす・・と、火事にしてでも保険で取ると言ってましたよ」
「・・・・・」
「タイには保険に入って3日目から保険の下りる火災保険がありますよね。だから・・・」

「なんでタイの実家なのよ!」 大声でどなりちらした
「簡単に保険金が入るからですよ。 簡単にね」
「むこうの家族は関係ないじゃない・・・」 声をつまらせる
「あなたも家族も関係ないんですよ。 ただ、金さえもらえれば何でもしますからね」
「・・・・・」
「だから、今回の錦糸町の事件と、これからタイの実家で起きる火事とは関係がないんですよ。 あなたが借金の残額を払わなければ、どんな事をしてもバンコクのヤクザは借金を返してもらいますよ。 それが、今回は火事ということで・・・」
「もう~ 意味が分からない!」

「・・・・・」 タイの実家が火事になると言う事と、俺が話す火事の件が一致して真実味をまして、混乱している様だった
「あなた、だれなの?」
「そんな事よりも、どうしますか?」
「え?」
「あなたが借金を支払わないと、タイの実家や兄弟の家が燃えますよ・・・火事で」
「だって・・・」
「家だけじゃなくて、妹さんの2人の娘さんが行っている学校や、弟さんが通っている田舎のお寺まで・・・みんな知ってますよ」
「え? え? どして?」
「あなたの事はもう全て調べましたからね」
「こ・・・・」
「え? 何かいいました?」
「こわい・・・」
「先日は取り立て屋を実家に行かせましたけど、今度は、本物のヤクザが明日、明後日には実家へ行くハズです」
「なんで! どうして?」 落ち着かない様子だ 
「・・・・・借金をすぐにでも返さなければ、実家は燃えますよ。 きっと・・・」 意味ありげに話した

「ね、ね、どうすればいいの? 私、どうすれば・・・」
「とにかく、借りた100万円を返して下さい。 そうすれば終わります。 もう月々の分割は無しです」
「だって・・・・」
「明日、明後日まで返さないと本当に大変な事になると思いますよ」
「・・・・・」
「あなたの借金のせいで実家やお寺、学校まで間違って 火事 になったら・・・村にはもう住めないでしょうね、皆さん」
「・・・・・」



「良く聞いてくださいね。 いいですか?」
「・・・・・」
「今、直ぐにでもタイに電話をして実家に取り立て屋を飛ばしてもいいんですよ」
「え?」
「火事を起こさせて、そいつらをミャンマーにでも逃がせば簡単な事です」
「え?」
「1人に1万円も渡せば、よろこんでフォンさんの実家や兄弟の家にガソリンをまくでしょうよ」

「実は、俺が・・あなたの、フォンさんの実家に借金の取り立て屋を送った本人ですから」
「え? う・・うそでしょう?」
「うそじゃないんですよ」
「・・・・・」
「俺はこの前、錦糸町で逮捕されたタエちゃんの友達です。 1番最後に逮捕された女ですよ。」
「分かりませんか? あなたが乗った車の中で待っていた女の友達なんですよ俺は」
「ええ?」
「あなたのおかげで関係のない俺の友達までが逮捕されたわけですよ」
「だから、今度は、あなたに関係のある家族、全員の家を燃やします」
「借金を今、直ぐに返せないのなら、直ぐにでもタイへ電話して人を飛ばしますよ。 で、家族の家を・・・」
「フォンさん、あんたは俺を本気で怒らせてしまったんですよ」
「・・・・・」
「ついでに言っておきますが、ゲオチャイも俺の友達ですから」
「・・・・・」
「殴られたり、嫌な思いもしたでしょうが、嘘まで言って警察に駆け込んだのは間違いでしたね」
「それなりのガム、タイ語でのガム、報い を受けてもらいますからね」
「今から、市川のアパートまで行ってもいいんですけれども、また、警察に泣き込まれたら面倒なのでこの電話をしている訳です」
「どうせ、借金は払えないと思いますから、実家が本当に火事になるかどうか・・・試してみましょうか?」
「・・・・・」



「家族同然の俺の友達が、あなたのオーバーな嘘で逮捕されて、このままでは刑務所へ行くことになるわけです」
「フォンさん、俺は今、あなたの実家と兄弟、妹の家を全て焼いても気が収まらない気分なんですよ」

「嘘だと思うなら、わざわざ実家まで取り立て屋を行かせて、家の場所を確認までさせないでしょう」
「本気だからあなたの家族の全員の家を確かめに行かせたんですよ」
「・・・・・」
「まぁ~フォンさんの家が燃えてもゲオチャイのリカやタエは4~5年は刑務所で戻りませんけど、少しはあなたとあなたの家族にも嫌な思いをしてもらいたくてね・・・」
「・・・・・」



「もう嫌な話を聞きたくないなら、この電話を切って下さい」
「・・・・・」
「でも・・・・もしもですけど・・・・少しでも 謝る 気持ちがあるなら、もう少し俺の話をこのまま聞いていてください」


「どうですか、身内が嫌な思いをするという事は、自分が辛い思いをする以上に気持ちが落ち込みますよね」
「どうにかしてやりたくても、どうしてやる事もできない、時間がない、距離がある、間に合わない・・・」
「自分はどんなことにでも耐えられても、家族を助けることが出来ないと、いうこの状況は俺もフォンさん、あなたも同じハズです」



「そこで、どうですか・・・お互いに楽になりませんか? いや、楽になりたくないですか? フォンさん」
「え~?」

「ここで約束しましょう。 俺と一つ約束をしてくれたら、フォンさんの家族へ手を出すことを止めましょう」
「簡単な約束です」
「どうですか?」
「どんな・・・約束ですか・・・」

「約束というよりも、お願いです」
「・・・・・」
「その前に、俺がフォンさんへ約束しますから」
「まずは・・・」



「1、フォンさんの借金は全額チャラに・・・全額請求しない。 つまり100万円の借金は返さなくてもいい」
「2、フォンさんの実家へは借金取りをもう2度と行かせない」
「どうですか? この約束は?」
「・・・・・」
「最後に、フォンさんもここ数日、嫌な思いをしたり、怖い思いをしたと思うんで、俺からのお詫びで100万円をあげます」
「え?」
「借金をなくして、その上で100万円を上げます。 どうですか?」
「わたしは・・・なにを?」

「明日、お昼ちょうどに錦糸町のゲオチャイへ行って100万円をママからもらって下さい」

「え~?」

「もう一つ、その足で、錦糸町の警察署へ行って、今回の事件の告訴を取り下げて下さい。 それだけです」

「え? どうやってですか?」 

「警察署の刑事さんへ 示談をしましたから 告訴を取り下げます! とだけ言って下さい」
「多分、取り下げさせない様に色々と言われると思いますが、ひと言、告訴をやめます!と、言ってください」
「それだけですか?」

「ええ、そして書類に ハンコ か 拇印 をおして帰って下さい」

「どうですか? 出来ますか? 俺との約束?」

「・・・・はい」

「1、ゲオチャイへお昼に行って100万円をママから受け取る」
「2、錦糸町の警察署で 示談しましたから、告訴を取り下げます!と伝えて書類にハンコを押す」

「わかりました・・・」

「もう、たった今から、フォンさんとは敵ではないので、明日、警察署で俺が付き添ってあげるから、心配しないで」

「はい・・・」

「OK! じゃ、今の約束を守ってくれれば、俺も必ずまもるから」

「はい」

「じゃ、明日、お昼過ぎに俺は錦糸町の警察署の前で待ってるからね」

「はい」

「お金を受け取ったら、タクシーで警察まで来ると良いと思うよ」

「はい」

「じゃ、明日、お昼過ぎ、約束だよ」

「はい。 必ず行きます」         やり ^^

「じゃあ もうタイの家族へ心配は要らないと教えてやっていいよ」

「はい。 そうします」

「じゃ、明日、お昼に警察署で」

「いきます」

 ポチッ


 やり~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 起訴前に 示談、成立するかも。


 明日が楽しみになった。 早々にゲオチャイのママに教えてやらなくては。 






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まじいなぁ~  ・・・ No26
- 2018/03/27(Tue) -

        イズのすっぴんw        てめぇ~盛りすぎだろうがぁw
          すっぴん美人               盛り美人



 会社へ戻って来いと、お声掛けは有りがたいが右目が完治しない事が分かった以上は無理です。
 でも、非常勤なら いいかなぁ~ って最近思い始めています。
 加齢黄斑変性って年寄り病らしく、網膜が凸なら手術で直せるけれど、凹だと手立てが無いらしいのです・・・・。
 
 どこの国でも良いから、凹の治療法、開発してくれ~!
 右目がB5で左目がA4サイズの世界なんだぞw

 さて、目の調子の良いスキに完結させないと・・・・


 *****

 俺のダチのタエちゃんがあることか、事件に巻き込まれ、事件の主犯格のリカの姉が、錦糸町でタイ料理レストランを営む(本業は地下銀行と金貸しだが)ママの妹だという事で、断ち切れそうな糸がどうにか繋がっていた。
 借金を踏み倒し、告訴したフォンの実家へ奇襲を仕掛ける以外は助かるアテがない事件だった。

 フォンの身辺調査をゲオチャイへ依頼して2日後、フォンの身元が割れた。
 で、早々に奇襲攻撃を仕掛ける事にした・・・。


 奇襲攻撃を依頼して3日後、携帯に連絡が入った。 俺が予想していた以上に早かった。

「めめさん?」
「はい」
「フォンの実家のあるピッサヌローク県に2人に行ってもらいました」
「で?」
「めめさんに言われたとおり、フォンの借金の取り立てをして来たそうです」
「まぁ~100万円は無理だよね、彼らには」
「ええ、フォンの借金なんか知らないし、関係無いと言われたそうです」
「だよね」
「3日後にもう1度来るから、その時まで支払えなければ火事になっても知らないゾ!と言って帰って来たそうです」
「うん、それでいいさ」
「妹の実家へも1人行かせて、同じ事を伝えてもらいました」
「弟、3人の実家は?」
「ええ、別の知り合いに3人で行ってもらって借金の事と家を燃やすと伝えたそうです」

「OK! OK! 現地の田舎警察なんかに駆け込まれても、気にもしなくていいさぁ」
「これでいいんですよね・・・」
「ええ、上出来です。 向こうは気が気じゃないだろうね ハハハ」
「・・・・・」

「あ!この前、聞き忘れてたんだけど、リカさんに着いてる弁護士をカットしてもらいました?」
「あ、はい。 弁護士さんへはもういいですからと、伝えて弁護を止めてもらいました・・・」
「OK! 受任を解雇してくれたわけだ」
「手付け金のお金は、200万円の内、20万円だけもらうそうで、180万円は返してくれるそうです」
「そりゃ~良かったね。 まぁ、弁護士も何もしないで20万円もらえたんだから」
「本当に弁護士さんは付けなくてもいいんでか?」
「事件が事件なんでまともな方法だと実刑しか見えないからね」
「そうなんですか・・・」

「じゃ、後は俺に任せてください。 明日にでも フォン へ電話して話をしてみますから」
「あの~・・・・」
「はい?」
「めめさんへはいくらお渡ししたらいいでしょうか・・・」
「・・・・あのねぇ」
「はい・・・」
「俺にはタイ料理のランチセット1回分無料にしてくれればいいからさぁ」
「え?」
「俺はママさんの為にやってるんじゃないんだからさぁ」
「・・・・」
「俺はタエちゃんの為にやってる事だし、たまたま、ママさんの妹さんと一緒なんで色々お願いしたけどさぁ」
「・・・・」
「だから、俺にはお金は必要ないからね」
「それじゃ・・・申し訳ないですし・・・」
「いや、まだ、フォンがどう転ぶか分からないからさぁ」
「・・・・ですか」
「うん、明日にでも連絡して反応をみてみるから。 ママさんには俺の方が感謝してるからさぁ」
「え?」
「いや、色々とタイでの事とか、俺1人じゃ出来ないしね」
「・・・・」
「難しい事件だけど、頑張ってみるよ、俺も」
「ありがとうございます」

「あ!え~と」
「え?」
「もしね、もし、この話がうまくいったなら 100万円 を用意してもらえたら助かるけど」
「100万円ですか? はい、大丈夫です。 弁護士さんもお金を返してくれますし、本当は500万円も600万円もかかるって弁護士さんから聞いていましたし・・・100万円はめめさんへお渡しします」

「んとね、俺じゃなくて、相手の フォン へ渡して下さい」
「え? フォンへですか?」
「うん。 話がうまくいったらフォンへ100万円をお店で渡して下さい」
「?」
「フォン、彼女、妹さんへ100万円の借金もあるけど、その借金はチャラで・・・つまり、借金は無し+100万円で話を付けてみるからさぁ」
「妹が警察から帰ってくるんでしたら、それくらいのお金は・・・いいえ、もっともっと、500万円でも600万円でも支払う気でいましたから・・・」
「まぁ~、フォンの借金無し+100万円で何とかしてみるから」
「分かりました」
「うん」
「めめさんへはまた、別の・・・」
「だから、いらねぇ~!って、俺には」
「本当にいいですか?」
「金欲しかったら、最初から弁護士に騙されて支払うつもりだった500万円、もらうわなぁ」
「・・・ですよね」
「おう~よ」
「めめさんに言われた通りにしますから」
「うん、それで、たのみますわぁ」

「じゃ、俺が明日、フォンへ電話して、結果はすぐに連絡しますから」
「分かりました」
「あとは。任せて下さい」
「宜しくおねがいします」
「はい、宜しくおねがいされました^^」
「はい?」
「い、いやw じゃ、明日の結果待ちと、言うことで宜しくです」
「おねがいします」


 まぁ~、ゲオチャイの本業は地下銀行だし、ヤミ金融だし、ふっかければ身内の事もあるんで成功報酬名目で1,000万でも2,000万でもボレるはずなんだが・・・・俺には金の事など気が向かないだけの話だった。


 ゲオチャイのママとの電話を切って、そのまま知り合いの弁護士に連絡をした。


 ♩~♩~

「はい、木下弁護士事務所です」
「こんにちは、お世話になってます新宿のめめと言いますけど、木下先生、いらっしゃいますか?」
「はい、木下ですが」
「え? 新宿のめめです。 今、電話、大丈夫ですか?」
「あ~、はい、めめさん、この前の件ですね」
「ええ、何か分かりましたか?」
「はい、はい、まず、弁護士さんの件ですが」
「はい?」
「やはり事務所を構えてませんし、1人、自宅でやっている高齢の先生でしたね」
「でしょうね。 で、事件の方はなにか?」
「詳しい事は調書を見れませんのであれですけど・・・警察ではやはり主犯を強盗致傷で取り調べてますね」
「そりゃ~きついわぁ」
「で、男性と外国人女性も強盗の共犯と言うことですね」
「このままだと何とかなる様な話じゃないですよね」
「ええ、このまま起訴までいけば、運が良くても罰金300万円くらいまで行くでしょうね。 運が悪ければ実刑で4年か5年・・・、
ご存じの通り、求刑が3年以上なら実刑が確実ですからね・・・」
「求刑3年で、判決3年、執行猶予が理想だけど、やっぱりねぇ・・・」
「ええ、心証が悪いですからね強盗とか傷害とか・・・。 合わせて無登録のヤミ金融ですしね」
「この件、先生にお願いしても流石にキツイですか?」
「検事次第だと思いますが、起訴されたら一発ですね」
「ですかぁ」
「ええ」
「分かりました、お忙しいところ調べて戴きまして有り難うございました」
「まさか、私に弁護は・・・あります?」
「いえ、調書内容を知りたかったんですが、担当でもないですし、見れませんよね」
「ええ、そこはちょっと・・・」
「分かりました」
「ところで、めめさん、会長さんや社長さん、お元気ですか?」
「ええ、相変わらず飲んだくれてますよ」
「ですかぁ。 また、一緒に食事でもしたいですね」
「会長と社長へ何気なく伝えておきますから」
「宜しくです」
「お世話様でした。では」
「では、また、今度でも」


 電話口からの声の印象からは、主犯格のリカについては強盗致傷でガッチリ持って行く様な声色だった。 まぁ~あれほど各テレビ局で報道もされたし、担当の刑事もやる気満々だろうし、やっかいな事件だ。

 余談だが、刑事の取り調べなどというものは8割方、逮捕時に物語りが出来ていて、取り調べで後は骨格に肉を付けていく作業なので、ストーリーを途中で変更することなど相当至難の業になる。
 また、うっかり、不起訴などになれば、担当した刑事の面目も丸つぶれで肩身の狭い思いをさせられる。 刑事の取り調べにハイハイ言っていれば間違いなく、良いことは100%無い。
 TVドラマのヒーローのキムタクの様に現場へ足を運ぶ検事など、大空で飛行機同士が正面衝突する確率ほどしかない事も事実なのだ。


 
 明日の フォン への本丸攻撃で・・・女神の天秤がどちらに傾くかなど、俺にも分かるハズもなかった。 
 







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まじいなぁ~  ・・・ No25
- 2018/03/27(Tue) -
 この話を書き始めたのが   2016/06/11 永っげぇ~なぁ~ ><

*****

 ゲオチャイ、タイレストランを出て、JR錦糸町駅へ足を進めた。
 タバコに火をつけ、大きく息をはいた。

 ここ錦糸町も俺には懐かしい街だ。 俺が錦糸町へ出入りをしていた時にはスカイツリーのスの字も無い頃だ。 駅の周りには数多くのキャバクラと風俗店、高速道路下の公園にはコリアンとロシアンの立ちんぼが大勢たむろっていた。
 
 地元の友達と夜な夜な盛り上がり、へべれけでホテル イースト21へタクシーで戻るとフロントではいつも嫌な顔をされた。高級ホテルのつもりなのだろうが、高級ホテルほど俺の様な酔っ払いを上手くあしらってくれる。 イースト21のフロントの中身は1泊5,000円のビジネスホテルとさほどかわりはなかった。 その後、駅の北側に東武ホテル レバント東京ができ、イースト21とはおさらばをした。

 錦糸町はロシアンが多い街だった。 あちこちに金髪や黒髪を銀色に染めた娘達が溢れていた。 もう15年も前の話だった。

 吸い殻をリーガルの靴底で踏みつけ、錦糸町の職安前から駅に繋がる路地へ入った。 今では場外馬券売り場とコリアンのデリヘルでどうにかしのいでいる街に落ちぶれた。 昔のような華やかさは無くなっている。 たとえるなら埼玉の西川口のような街だ。

 
 この度のタエちゃん件はまさに緊急事態だった。 たまたま一緒に捕まったリカという女がここ錦糸町ではある意味で有名な店の関係者だった事が幸いして少しばかりの希望の光が見えている。 もし、何らかの形でもゲオチャイが絡んでいなければ万事休すだ。 みんなで仲良く最低でも懲役5年は確定してしまうのだから。

 俺が嫌いなモノに弁護士も入る。 ろくに仕事も出来ないくせに背広のバッジだけであくどい商売をしている。
 東京の弁護士は東京弁護士会と東京第一弁護士会、若手が加入する東京第二弁護士会と三種類の所属会がある。8割が民事を担当し、2割が刑事事件を担当している。 弁護士というとテレビドラマの様な想像をするが、実のところ、仕事がなくてあぶれている連中が多い。 

 弁護士の名刺を見るだけで嫌気がさす。 唯一、検事を経験して弁護士に転向した弁護士だけが信頼できる存在なのだ。 弁護士が足りないなどと報道されているが、大きな間違いで、アホな弁護士が多すぎて依頼が少ないだけなのだ。 特にやる気の無い弁護士に刑事事件を任せるなど、三途の川を浮き輪も無しで、向こう岸まで泳ぎきるくらい無謀な話なのだw。

 ゲオチャイのママ、逮捕されたリカの姉の元に現れた弁護士も最悪としか思えなかった。 一日も早く弁護依頼を取り下げてもらいたかった。 仕事も出来ないくせに着手金や弁護費用だけを伝えに来るような弁護士など必要ないのだ。

 時間との勝負なのだから・・・。


 ゲオチャイのママから連絡が入ったのは二日後だった。

「もしもし、めめさんですか?」
「めめですが」
「この前の相手の事ですけど・・・」
「分かりましたか?」
「はい、妹から借金をしてた女、本名が ラッサミ・トン・ブン・マアー と言います。 みんなは フォン と呼んでますけど」
「フォン?・・・かぁ」 フォンとは 雨 の意味だった。
「で、出身とか親戚は?」
「はい、そのフォンはピッサヌローク県に実家があります」
「北側の田舎の県だね」
「はい」
「親戚は?」
「彼女は長女で、3人の弟がと1人の妹がいます」
「みんなピッサヌローク県?」
「いいえ、妹が隣の県、ウドンタニー県で、弟は3人ともコンケーン県です」
「みんな近くの田舎の県だね」
「そうみたいです。 妹に2人の娘がいます」
「で?」
「弟3人も結婚をしててコンケーンで田んぼをしています」
「3人とも?」
「はい、3人とも同じ家に住んでいるみたいです」
「それは都合がいいなぁ~」
「え?」
「いやぁ、こっちの話です」
「妹の娘は村にある小学校に行っています」
「弟の息子や娘も村のお寺にある小学校と中学校に行ってます」

「いや~、有り難うございます。 よく分かりましたねここ1日、2日で」
「すぐにバンコクの友達に連絡をして、探してもらいました」
「そうですか」
「はい。 タイのIDのコピーがありますから簡単でhした」

「じゃあ、もう一つ、お願いしてもいいですか?」
「はい、何ですか?」

「妹の実家と、弟の実家へそれぞれ誰かを行かせて下さい」
「え?実家へですか」
「実家へ行かせて 姉 フォン の借金を支払え!と少し悪たれをついてもらいたいんですよ」
「え?」
「日本でフォンが借金を払わないから実家に取り立てに来た!と、いう意味です。 出来ますか?」
「ええ、向こうにはそういう友達もいますから・・・」 いいにくそうだった
「取り立てを実家に本当に行かせて欲しいんですよ」
「できますけど・・・・」
「で、フォンの借金を払わないと実家に火をつける!と脅かして下さい」
「え?」

「簡単でしょ。 実家にフォンの借金の催促に行って、払えないなら火をつけると脅かすだけですから」
「ええ・・・できますが・・・」
「じゃ、さっそく現地の取り立て屋に実家のあるピッサヌローク県と妹の実家のウドンタニー県、弟3人の実家コンケーン県で少し脅かしをかけて欲しいんです」
「・・・・」
「出来るだけ早くお願いしたいんですが、出来ます?」
「分かりました。 そぐに連絡をして行かせます」
「心配しないで、任せて下さい」
「はい。めめさんの事は色々と聞いていますから・・・お任せしますけど」
「このやり方しか妹さん、リサさんを警察から取り戻す方法は無いんですから、是非ともお願いします」
「分かりました」
「フォン本人の実家と、妹、弟の実家で少し嫌がらせをさせてください。 来週までフォンの借金を払えないなら家が火事になっても知らないぞ!くらいに脅かしておいて下さい」
「分かりました」

「じゃ、3カ所の実家へ行った後、また俺に連絡をしてください」
「めめさん、大丈夫でしょうか・・・そんな事をして」
「フォン本人へプレッシャーをかけても本人は警察へ駆け込むでしょうから、実家にプレッシャーをかける方が良いんですよ、こんな時は」
「分かりました。 すぐに行かせます」
「ママさんや妹さん、リカさんへは問題ないようにしますから、俺の事、信じてやってみて下さい」
「はい。 では・・実家へ行かせたら、また連絡します」
「面倒かもしれませんが、お願いします」


 ゲオチャイからの連絡を待つことにした。

 タイでは長女が家族全員の面倒をみる。 日本の長男と同じ様にかなりの責任や重荷を負う事もある。 その長女が日本で借金をして、取り立てが実家まで来たとなれば本人も、家族も気が気では無くなるハズ。 そこが狙い目だ。 いや、そこしか狙い目が無いのが現実だ。 

 そして、実家へ人を飛ばしたのがゲオチャだと分かるとフォンも今以上に態度を硬化させるだろうし、敵視も強くなる。 絶対に示談などしないだろう。 
 
 しかし、ゲオチャイ以外の第3者の誰かがタイの実家にまで手を回したとなれば話は別だ。 態度を硬化させる前に驚きと恐怖が生まれる。 予想では取り立て屋達が実家へ行った途端に家族中で大騒ぎになるハズだ。 1件ではなく3件の実家へ奇襲をかけるのだから、タイの実家から連絡を受けたフォンの心理状態など簡単に予想はつく。



 後は、うまく 飴と鞭 を使い分ける作戦なのだ。













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まじいなぁ~  ・・・ No24
- 2018/01/09(Tue) -
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 ノイちゃんが店から出て、姿が見えなくなってから、汚れた灰皿を手前に引き込み、タバコに火を付けた。 客は2組、同伴前の時間つぶしだろう。 4人掛けのこの奥のテーブルからは厨房の中がよく見え、料理をしている2人の男とママがオーダー表に目を通していた。 忙しそうには見えなかった。 

「コー ガイヤーン (焼き鳥) ノイ」 タイ語で厨房へオーダーしてみた
厨房で料理をしていた男が2人とママが一瞬こちらをみた

「ガイヤーン ですね」 ママが答えた
「コウプ クン。 レ、タキャヤップ ノイ クラップ」 (それと、割り箸をおねがいします)と追加した
「カッ」 ママが答えて割り箸を探してこちらへ持って来た

「コンタイ ルー プラオ?」 タイ人?
「メシャイ コン ジープン クラップ」 いいえ、日本人です
「ワットパクナムで何度も合っていますよ、ママさんとは」
「え?そうですか?」
「ええ、ですからママさんの事は知ってました。 勿論、ここ、ゲオ チャイの事もね」 たたみかけた
「そうですか~有り難う御座います」

「この前の リカさん の件、大丈夫ですか?」 話をきりだして、ママの反応を見たかった
「リカの知り合いですか?」 一瞬ママの顔が警戒を見せた
「いえいえ、リカさんとは知り合いではありませんが、一緒に逮捕されたタエちゃんの友達です」
「・・・・・」 言葉がつかまった

 60代後半に見えるが化粧の若作りで50代にも見える。 ただ、身に付けている貴金属が高級品ばかりなので、ただ者では無いことは十分に感じられた。 身につけているアクセサリーが全てが24Kとダイヤとルビーばかりだった。


「警察の人ではないですよね・・・あなた」
「いえいえ、ですから、成田のワットパクナム寺で何度もママとはすれ違ってますよ、10年も前から」
「そうなんですか・・・」
「ほら」 2枚の古い写真を財布から取りでして、テーブルの上に置いた

         ワットパクナム 10年位前かな・・

 現在ではこの僧侶がタイ王国・タンマカーイ派のNO1である。 成田での式典の時の2枚だった。 いつも財布の中に入れてある写真だ。

「この写真は・・・・」 ママの目に涙があふれ出した
「あ~俺、随分と若く写ってますがね。10年か15年前の写真なんでね」 15年も前の写真だ
「タイで半年ほど、ここの本院で坊主の修行もしてますし、日本分院も大きくなって、雰囲気が大好きなんですよ」
「全てはゲオ チャイさんのご尽力と聞いています」

                最近     つい最近

「あなたは・・・」
「新宿の めめ と言います。 タエちゃんの友達なんですよ 俺」

「新宿のめめさん・・・・ え? 本当ですか?」
「ええ、本当の、本物ですけど ^^」

 テーブルのイスに腰をゆっくりと下ろした。
「どうぞ 1人で飯を食っていたとこなんで」

「新宿のめめさんの事は良くタイの娘達から聞いていました。 そんなボランティアみたいな人なんでいるはずがないと・・・」
「ええ、ボランティアではやっていません。 自分から、気がむいた事にしか首を突っ込みませんけどね」
「今回はタエちゃんのニュースを見て、ただ事ではないと思って、気になっていました」
「ニュースで流れましたものね・・・」
「リカさんとタエちゃんだけは随分と報道されましたね、何度も何度も」
「そうなんですよ・・・テレビを見た友達、皆んなから、沢山の連絡がありました」
「大変でしたね」
「・・・・・」

「で、弁護士さんを雇ったんですよね」
「どうしてそんな事まで」 驚いた顔をむけた
「タエちゃんの居場所が分からなくて、あちこち電話をしていたら居場所が分かったんですよ」
「弁護士も付いていることも知りました」
「で、わざわざ金沢からタエちゃんの旦那さんと面会にいったら・・・タエちゃんが友達の俺も、旦那さんも2人とも知らないと、言われて、面会出来なかったんですよ」
「・・・・・」
「不思議でしたよ」
「私もリカの面会に行ったんですが、面会禁止で会えませんでした」 主犯格には接見禁止が付いていたんだろう

「で、じつは、タエちゃんの事も心配なんで、もし、俺を信じてくれるなら、弁護士さんの名刺か何か、見せてくれませんか?」
「知り合いの弁護士を通して、リカさんやタエちゃんの様子を聞いてみたいんですよ」
「事件が大きな事件なんで、手遅れにならない内に様子を知りたいんです」
「強盗致傷、監禁・・ともなれば実刑5年以上は確実ですからね」
「・・・・・」 大粒の涙をテーブルの上に落とした
「弁護士さんも、難しい・・・と言ってました・・・」
「少しでも力になりたいんですよ 俺は」

 ママがゆっくりと腰を上げて2階への階段へ背を向けて歩き出した。 2階も客様のダイニングスペースがあるのは知っていた。 多分、3階以上が自宅になっていると思われた。 
 2階の階段を上がるママの肩に手を乗せ 「良かったら、事件になったもう1人の女、警察に行った女の借用証か身分証明書IDのコピーも見せてくれませんか。 下で待ってますから」 と、背中から話しかけた。

 テーブルに戻り、タバコに火をつけママの戻りを待った。 相変わらず客は2組のままだった。 ひと組はタイ人とひと目でわかる女と現場姿のおやじがテーブルいっぱいにおかずを注文させられていた。 タイ人女はここの常連で、売り上げのバックでももらうのだろう。 もうひと組は2人とも背広姿で、役場か証券マンなのか、会社の待遇の愚痴をこぼしていた。
 ここ、ゲオ チャイの価格は安くは無い。 愚痴話しなら安めの焼き鳥屋にでも行けばいいものを、不釣り合いな背広男だった。


 2本目のタバコを吸い終わると2階の階段からママが書類を手に下りてきた。 明るい店内だが、ママの足元だけが深い闇に包まれている様に暗かった。 ひと足、一足、確かめながら階段を下りてくる。
 厨房の脇からゆっくりとテーブルの方へ近づいて来た。 椅子に腰を沈めてテーブルの上に1枚の名刺と便箋に書かれた借用書と身分証明書の裏表のコピーだった。

「これが弁護士さんの名刺です」 テーブルの上でこちらに差し出した
「失礼します」 手に取って見る
 肩書きを見て驚いた。 事務所に所属しない弁護士だった。 つまり、ロートル爺の定年過ぎの弁護士の名刺に思えたのだ。 
名刺には「東京弁護士会 弁護士 佐藤幸一 と、住所、電話番号だけの簡素な名刺だった。
 一般的な弁護士の名刺なら「東京*地区弁護士会所属 **事務所 名前 電話番号」が、書かれているのが普通なのだが、テーブルの上の名刺は、定年退職した個人事務所の弁護士だった。 今時、弁護士1人だけの事務所など考えられない。 案件が多いので、数名の弁護士と秘書とで1件の案件を片づけるのが普通なのだ。

「この弁護士さんは、リカさんが逮捕された 後 に付けた弁護士ですね?」
「え?なんで分かるんですか?」
「それも、誰かにママさんが教えてもらって、警察署にいるリカさんに、合いに行ってもらった弁護士に「裁判の時だけの弁護でいいですか? それとも、今から裁判まで弁護しますか?」と聞かれて、全部お願いした弁護士でしょう」

「そうなんです・・・」

 あちゃ~、完全に弁護士に騙されたパターンだった。

 強盗致傷や、強姦事件、放火では、罰金や執行猶予は無い事は、弁護士も100も承知だ。 監禁も重い。 なのに、やる気の無い弁護士が外人という美味しい「餌」に食いついたのだ。 「誠意いっぱい頑張りましたが、実刑は免れませんでした」で、終わり。

「たぶん、高齢のおじいさん弁護士でしょう」
「え~?どうしてそこまで分かるんですか?」

 分かるも何も、名刺1枚で前途が真っ暗になってしまったのは俺の方だった。 相手側の検察官や裁判官との打ち合わせも1、2回で型通り済ませ、裁判で決まり文句の弁護だけをして300万円も400万円もふんだくる気でいる。

「で、幾らって言われたんですか? 今回の事件」
「4人分だから200万円くらいだけど、強盗がついてる容疑だからプラス1人100万円で、5~600万円はみて下さいと言われました。 でも、刑務所に行かない保証は無いと・・・。 もし、実刑なら半額の400万円で良いとも言ってました・・・」

 弁護士側の詐欺事件だわ、こりゃw。 実刑確定でも400万円って・・・。 酷すぎる弁護士である。

「それで、着手金と言って、最初に200万円を渡してます」
「え? もう?」
「はい。 残りは判決日の2~3日前でいいと・・・」 おい!詐欺だろう~これはもう・・・まったく


 今回は完全に実刑判決が待っているパターンだ。 まずい。 このままでは1人4~5年は堅い。

 要するに、ママの妹のリカさんが逮捕されて、慌てて誰かに相談→適当に当番弁護士を教えられ、お願いする→国選タイプでいくか、私選タイプで行くか尋ねられ、藁をもすがる気持ちで国選から私選に変更手続きをする→料金が0円から400万円に跳ね上がる→しかし、4人とも実刑で残念判決。 儲かるのは弁護士ただ1人だ。

 この様に美味しい外人ばかりを弁護する国選ロートル爺弁護士も多い。 弁護士に定年退職が無い結果の悪夢だ。

「まぁ~余裕があれば、途中で弁護士の解任や新しい弁護士を雇うこともできるけど、時間に余裕が無い事と、金額が大幅に高くなりますからね・・・」


「で、この書類は・・・・あ~お金を借りた女の借用書とタイ本国のIDですね」
「そうです。 妹が貸してたらしんですが・・・100万くらいだから、すぐに回収出来ると思ってたらしんですが、毎日パチンコばかりで腹が立つ!と、言っていました」

「で、今回の事件かぁ~」
「・・・・」

「IDは本物みたいだけど、普通はパスポートも預かるんじゃないの?」
「今はタイ国のIDがあればおおよそ本人を探し出せるんで、これだけなんですよ・・・」

「困ったなぁ~・・・・期待していた弁護士が国選なみの弁護士だったとは・・・流石にショックだわぁ俺も」
「・・・・・」

「バリバリの弁護士で、判事とも検事とも掛け合ってくれて、強盗 と言う罪名を消してもらえないと・・・キツイね」
「このままでは刑務所ですか?」
「4、5年は確実でしょうね」

「うううう・・・・」 大粒の嘘の無い涙でテーブルに伏せかかってしまった。

 妹のリカと一緒にタエちゃんまで3年以上は確定してしまうのは俺として辛い。
 何とかしなくては。
 
 たった一つ、ここ、ゲオ チャイへ来て、主犯のリカの姉であるママさんと話せた事がせめてもの収穫だった。
 そして、今の弁護士では遣い物にならない事も良く分かった。


 ある女に、分割返済約束で書類と本国IDを担保に100万円を貸したが、返済が滞り、あげくの果てに知人からのチクリでパチンコ通いがバレて、頭に来たママの妹が一緒に食事をしていたタエちゃんと2人、妹の彼氏の車で相手方のアパートまで乗り付け、3人が部屋へ押し入り、殴り、持っていたバックから財布を抜き取り、現金数万円を窃取して、あげくの果てに、彼氏のアパートへ連れ込み、説教と新しい借用書を強制的に書かせた後、解放した。
 解放された女は腹が納まらずに警察署へ駆け込み、告訴。

 どこからみても、傷害、強盗、拉致監禁、脅迫強要が付く。 強盗致傷、監禁、闇金・・・安く見積もってもこれだけは付いてしまう。
 どこの世界にこんな 100 VS 0 で負ける裁判を引き受ける弁護士などいるはずも無い。 いるとすれば、定年弁護士の小遣い稼ぎくらいしかいないだろう。

 断崖絶壁での絶対絶命だった。



 しかし・・・俺の頭の中には一つの案が浮かんでいた。



「ママ、俺を信じるか、ロートル爺弁護士を信じるかは難しいと思うけど、この事件は俺に任せてみてはくれないかなぁ」
「え?」
「もともと、俺は妹さんのリカさんの為にここに来たんじゃないし、今、話を聞いた限りでは多分100%実刑になると思う」
「・・・」
「そこで、俺は友達のタエちゃんを必ず助ける気でいるから、そうすれば、妹さんも一緒に必ず助かると思うんだよね」
「・・・」
「いきなり、知らないヤツに、大切な妹の事件を任せるなんて、あり得ない話だけど、俺なら出来る気がするんだよ」
「・・・」
「そこで、一つ、頼みがあるんだけど、妹さんとタエちゃんの為に」
「・・・なんですか」 涙を紙ナプキンで拭きながら、すがる目で見上げた
「そこで・・・」
「お金ですか? いくらでも払いますから。 200万円でも500万円でも、好きなだけ言って下さい」 目に力があった

「いや、お金じゃない」
「え?」
「頼み事は一つ、2日経ったら、弁護士に連絡をして「もう弁護をしなくてもいいです!」とハッキリと伝えて下さい」
「え?弁護士先生は要らないんですか?」
「ええ、今までの話からと、俺の経験からだと、今の弁護士では、いても、いなくても結果は見えていますから」
「で、どうするんですか?」

「俺の知り合いに弁護士の友達がいますから、彼に警察と検察の両方の様子を探ってもらいます」
「おかねは・・・」

「良く聞いて下さいね! 弁護士は俺の友達です。 だ、か、ら、お金は要りません。 友達からお金を取るヤツではないんでね」
「その代わりに、大事な事をもう一つ、お願いします」
「なんですか?」

「だれか知り合いにタイに飛んで行ってもらって、このIDの娘の家族関係、親戚関係をすぐに調べて欲しいんです」
「この・・・お金を貸した娘の家族と親戚を調べるんですか?」
「そうです。 できますか?」
「そんなことなら、電話1本でも、すぐにタイに電話すれば出来ますけど・・」

「OK!」

「では、今回の件は 新宿のめめ に任せて下さい。 ダメだったら・・・俺も、それなりの覚悟はしています」
「・・・・・」
「いいですね、頼み事は二つ」

「一つ目は2~3日中に弁護士に連絡をして、今後の弁護の依頼をお断りして下さい。 多分、半分くらいは手付け金は戻って売るハズです。 弁護士にしてもいいお小遣いです」

「二つ目はタイ本国に連絡をいれて、このIDの女の家族、親族、出来る限りの情報を集めて下さい。 出来ますよね」
「・・・・わかりました。 できます」


「俺はタエちゃんを助けたい。 その事で、妹さんをも救う事が出来るんですから、ね」
「もし・・・もし、妹が戻ってきたら、めめさん・・・・」
「もし・・・はありません。 必ず戻して見せます。 タエちゃんも、妹さんも。 信じて下さい!」
「お金なら、いくらでも払いますから・・・・」
「俺も、ママには叶わないけど、少しくらいな持ってます。 不自由はしてませんから^^」

「新宿のめめを、1度だけでいいですから、信じてください!」
「宜しくお願いします」

紙ナプキンが涙と鼻水でビジョビジョになってしまった。 足りなくてティッシュボックスも取りだした。w

テームルの上の弁護士の名刺を写メして、借用書とIDも携帯で写メして保存して、ママに返した。
隣のテーブルの上から紙ナプキンを取り、俺の携帯の番号を書いて渡した。 090-9312-9797 めめ。



 この度は少し荒療治にはなるが、この方法以外は助け出す方法は見当たらない。

 まあ~たまには悪役もいいかもなぁ~。





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まじいなぁ~  ・・・ No23
- 2018/01/08(Mon) -
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 ノイちゃんとの約束は午後7時。 この店は良く同伴での時間つぶしで使われる。 JR錦糸町駅から 徒歩で5分、丸井錦糸町デパートのななめ向かい、京葉道路脇に店はある。

      ゲオ チャイ           ソムタムタイ     トムヤムクン

 午後6時半には店に着いていた。 ノイちゃんがまだ来ていないことを確認して前菜とスープだけをオーダした。 ソムタム タイというパパイヤを細くきざんだ上に、トマトやキュウリを乗せ、甘辛い味付けがされている。 一般的な家庭料理で、作る店や家庭でも味が全部異なる。 ここのは美味い。 トムヤムクンも海老のシッポをつけたまま辛めのスープだ。 1度、なんで海老のシッポを取らないで、そのまま煮込むのか聞いてみたが、「可愛いでしょう、シッポがあった方が・・」と、訳の分からない答えが帰って来てからは10年、そんな理由なのかよと、深く追求はしていない。 

 餅米を別オーダーして、ソムタムタイを乗せ、フォークやスプン、箸などを使わずに手で食べるのが本場の食べ方だ。 スープの海老も手でシッポを口からつまみ出す。 そんな食べ方をする客は一目置かれる。 タイに言った事が無ければ分からないマナーだった。 まぁ~、タイでは右手にスプーン、左手にフォークが一般的なのだが。


 餅米を追加オーダしてソムタムタイ(前菜)を食べていると、真っ白いコートに青いドレス、真っ赤なブーツのノイちゃんが入り口から真っ直ぐにやって来た。 前回合ったのは3ヶ月ほど前だった。 錦糸町へのヤボな用件で来た時に、彼女からスカイツリーに連れて行かれた。 展望台で東京の夜景を見ながらはしゃぐ彼女は、とても二十歳には見えなかった。

      ノイちゃん

「めめさん、早いね♡」 
 時計は7時丁度をさしていた。 タイ人には時間の観念などない。 平気で1時間や2時間送れて適当な理由を付ける。 時間の観念のある娘は比較的頭が良い娘が多い。

「先に着いたんで、勝手に食べてるよ。 何か好きな物注文していいよ」 ノイちゃんがメニーを手に取る
「じゃ~ ノイは パッパカパオ でいいわ」 挽肉を炒めて目玉焼きを乗っけた定食だ

「お久しぶりー めめさん♡ 珍しいね」
「錦糸町に用事があったんで、ノイちゃんの事、思い出したんでね・・・いるかなぁ~って」 笑顔が可愛い
「今週はなんか、忙しくて、忙しくて^^」 ノイが笑った
「良いことだね^^」
「めめさん、ごめんなさい。 今日は指名が2件入ってるから2人でラブラブ出来ないね♡」

 言っておくが、おれはこいつを誘って2人で夜を明かした事はない。w 友達の友達の関係で知り合い、日本語が流ちょうなので良く錦糸町の情報や、身の周りの話を聞く程度の関係だ。 空き時間に呼び出しは無料だが、営業中なら2時間(ホテル代は別)で3万円は取られる。 1泊なら5万円を超える事もある人気娘だ。

「で、何しに来たの?」
「・・・・・」
「なに?」
「ノイちゃん、この前、この辺でタイの娘(こ)3人と日本人1人が捕まった事件、知ってる?」 彼女の目を見た
「うん、ノイ、知ってるよ」 別に警戒した様子もなかった

「もし、知ってるなら、教えてくれないかな・・・その話」
「いいけど・・・ここで話すの・・・?」 テーブルを挟んで、顔だけ近づけて小声になった
「私、そっちへ座るね」 ノイが俺の右隣に席を変えて、右腕に抱きついて来た

「友達の友達がお巡りさんに捕まったのね。 3人。 その1人がここのママの妹なのよ」 一瞬、奥のカウンター側に顔を向けた
「それで大騒ぎになって、観光ビザの娘(こ)達は皆んな長野や甲府の方へ逃げたのね。 私は上野の友達のアパートにいたんだけど、ここのママが警察に呼ばれて、帰って来てからは「もう、大丈夫だから皆んな戻って来てもいいよって・・・」
「で、私もまた錦糸町へ戻って来たのね」
「上野?」
「うん、上野よ」 スプーンで食事をしながら答えた
「御徒町は?」
「御徒町はこの前、10人くらい観光ビザで捕まったでしょう。 だから、上野の友達のアパートに2日間だけいたの」 ふ~ん

「この前の錦糸町の話、何か知ってる?」 ストレートにノイちゃんへ聞いてみた

 俺の右腕に抱きついたまま小声で話し始めた。
「ここのママの妹さん、リカお姉さんが最初に捕まって、リカお姉さんの彼氏と、次に千葉のエンお姉さん、新宿のタエお姉さんの4人がタムルワット(警察)にツックチャップ(逮捕)されちゃったのよ」 蚊の鳴くような声で話してくれた

  タイ人は知らない同士でも、年上なら「お姉さん」と付け加える習慣がある。 

「で?」
「ここのママさんから千葉と東京のお友達に連絡が行って、みんなでお金を出し合って弁護士さんを付けたのね」 そ~かぁ~
「私も2万円、出したけど、全部で100万円くらい集まって、そのお金とママのお金で弁護士さんを雇ったと聞いてるわよ」
「ふ~ん」
「でもね、後の事は知らないの」
「ママが1人でやってるみたいだから・・・」
「へ~」
「ほら、カウンターの奥にママがいるでしょう」
「ああ」 見覚えのある顔だった
「色々、大変みたいよ。 妹さんにも会えないって言ってたわ」 接近禁止がついてるんだなぁ・・・(弁護士だけは面会出来る)
「そうなんだ・・・。色々、有り難う」
「ねぇ~めめさん、なんで気にしてるの?」
「い・・いや・・新宿までも話が流れて来たんで、ちょっとばかり気になってね」 やはりここのゲオ チャイが舞台だったのか
「ふ~ん、そうなの・・・」

「ねぇ~めめさん、今日、これから遊びに行かない?」
「へ?」
「お台場とか、六本木とか」
「指名2件、入ってるんだろう?」
「うん、でも、久々にめめさんに会ったら、2人で遊びに行きたくなったの!」  おいw
「あのなぁ~」
「お店に電話してキャンセルしちゃおっかなぁ^^」
「おれは貧乏だから、ノイの事、貸し切りには出来ないさぁ」
「いいの、ノイがお店に払うから」
「・・・・」
「ねぇ~良いでしょう♡」

「ごめん、ノイちゃん、今日はダメなんだよ」
「え~どうして?」
「実は、この前の事件で逮捕された娘(こ)の中でタエちゃんは俺の友達なんだよ」
「え~、なぁ~んだぁ~情報が欲しかっただけなの?」
「いや、1番の理由は美人なノイちゃんと飯を食いたかったのさ。 で、ついでに錦糸町に詳しいノイちゃんから何か聞ければいいかなって・・・」
「なんだ~もう~」

「ゴメン、必ず埋め合わせはするからさぁ、今度」
「じゃ、今度はノイだけに合いに来てね」
「ああ、約束する」
「あ~ご飯が美味しくない・・・・」
「ごめんよ」

「でさぁ~、ノイちゃん、俺、ここのママとチットばかり話してみたいから、先に店を出てくれないかな」
「君のことを巻き込みたくないんででね」
「これ食べたら、先に帰って欲しいんだけど」
「もう~食欲、無くなった、ノイ」
「ごめんよ」
「めめさんだから・・・許す」
「有り難う。 助かるよ」
「その代わり、ノイの休みの日、付き合ってね」
「え?」
「ノイ、お台場に行きたいの」
「分かった。 じゃ、約束するよ」
「お台場で欲しいバックもあるし^^」
「ホントかよ・・・」
「宜しくね!」
「あい。分かりました・・・」
「キャホォ~♡バック、欲しかったんだ」
「はいはいはい。 分かったからその定食喰って帰ってくれないかな・・・ママと話がしたいんで」
「邪魔にされたあ~」
「いや、邪魔じゃなくて、巻き込みたくないだけだからさぁ」
「そ~だね。 ハイ。 じゃあ、これ食べたら帰るね」
「いい娘(こ)だ」

 ノイから聞くことが出来た話で全てが繋がった。 しかし、留置場でのタエちゃんの態度がどうも気にかかる。 ここのゲオ チャイのママからどうしても弁護士の名前を聞き出したかった。 そして、今、現在の4人の状況をも彼から聞き出したかったのだった。

 定食とトムヤムクン・スープを小分けにした銀のお椀に軽く口を付けて、ノイちゃんがスプーンとフォークを皿の上に置いた。

「めめさん、じゃ、わたし帰るけど、約束忘れないでね!」 笑って見せた。 この笑顔に客はイチコロだろう
「OK ノイの約束忘れないから」
「1個、貸しね!」 どこで覚えたのか
「ああ、分かったさ」
「じゃね! お先、しまーす。 ごちそうさま、めめさん♡」 引き留めたくなる気分を押さえるだけでいっぱい、いっぱいだった
「じゃなぁ~ ノイからの携帯、待ってるわぁ」 

 右腕にしがみつきながら食事を終えたノイちゃんがキスをするまねをして席を立った。 出入り口のドアで振り向いてバイバイと、両手を振って店を出て行った。




 
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まじいなぁ~  ・・・ No22
- 2017/12/30(Sat) -
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 香港にモデルをしている3人のマブダチがいる
 その1人のメナちゃんが、1年半ほど前からモデル業を止めて、イベントやクラブでのDJを始めて大ブレーク中
 今では DJ Mena と言えばアジアのクラブではかなり知られた名前になった

                MENA モデル時代     DJ MENA


  
 つい最近 「あなたのために作った」 と、これを公開してくれた。 ウソだと分かっていても、本人から言われると嬉しいわなぁ
           不醉不歸  Don't Let Me Down  がっかりさせないでね! と言う題名・・・   意味深・・・

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 サチと2人、気まずい雰囲気でエレベーターの中で無言で過ごす。 途中のフロアーで何回か扉が開いて社員が出入りをしながら挨拶をしてくれたが、お構い無しに無言で通した。

 エレベーターからサチが先に降りると、紙袋を抱えたまま海外事業部へ足早のまま、部屋のドアの脇のIDチェックに首から提げたカードを押し当て、ドアを右膝で大きく開いて中へ消えていった。 多分、荷物の袋を机の上に置き、俺の入室を腕を組んで正面で待っている事だろう。 そのまま部屋の前を通り過ぎて、非常階段へ向かった。 おもむろに非常階段のドアを開いて、内ポケットからタバコを取りだし、火を付けた。 喫煙禁止場所だが、俺には関係なかった。 喫煙室まで行くほど人間が出来ていない俺を、自分が一番よく知っている。

 ものの数分で1本のタバコを吸い終わり、2本目に火を付けようとしたが、思いとどまり、足元の吸い殻を非常階段に蹴飛ばして部屋に戻ることにした。 きっとサチの目は三角になっている事だろう・・・。 イズにも会議を抜け出して、丸投げした引け目もあった。

 ドアの前で深呼吸をして、部屋のドアを開いた途端、目を疑った。 机の上にジャージや下着、ブラジャー、ヒートテックのインナーが散乱していて、サチと、イズとミミで取り合いになっていたw。 大阪のおばちゃんのバーゲン会場に迷い込んだ様だった。w
 サチはさっきは「あたし、いらないから・・」と、ほざいておきながら、イズとミミと争奪戦を繰り広げていた。 
「あたし、これとこれ!」 サチ
「え~、それ私が先に取ったのに・・・」 イズ
「このジャージ可愛いですから、ミミ、もらいます」 ユニクロには目を向けないミミまでが、机上バーゲンセールに参加していた

「あのなぁ・・・おまえら・・・」 まぁ、いいかぁ
 サチに趣味が悪いとか、地味だとか言われ、当たり前だろう~差し入れ品だものと、胸の中で答えていたが、そのサチが1番手に取っていた。w

「喧嘩しないで、適当に分けて、もって行っていいからな」 3匹の耳に聞こえたかは不明だが、とっとと、自室へ入って内側からドアをロックして、事務室側と俺の部屋を仕切るハメ殺しのガラス窓のブラインドも下ろした。 

 もう1度、頭の中で整理をしたかったのだった。


 錦糸町と言う土地柄、ゲオ チャイが絡んでいる事は否めなかった。 それと、弁護士の件。 錦糸町へ探りを入れる必要があった。 だれから情報収集をするべきか・・・。 俺が直接タイ料理レストランのゲオ チャイへ出向いても良いが、本当の事は教えてはくれないだろう。 そこで、錦糸町で看板を出さずに、マンションの1室をかりて、携帯電話だけでタイ式マッサージのデリへをしているある店の娘に接近して、話を聞き出す事にした。

 錦糸町と言う土地柄、「当店は風俗行為は一切御座いません」と、言う宣伝広告を出している店ほど、風俗斡旋をしている事は歌舞伎町と同じだ。 そこで、歌舞伎町から五反田、錦糸町へと流れた ノイ と言う知り合いの娘に連絡をしてみることにした。

 ノイは二十歳過ぎの細身で可愛い娘だった。 元々はタイ本国のパッポン通りにあるポールダンスバーで客を取って、田舎に家を建てることを夢見ていた。 2週間の観光ビザで入国して、錦糸町で働き、1度、帰国してから、またひと月後に錦糸町へ戻ってくる出稼ぎ娘の1人だが、俺が錦糸町へ足を伸ばす度にゲオ チャイで良く食事をしていた仲である。 俺の顔がゲオ チャに割れている以上、探りを入れると警戒される恐れがある。 その点、ノイはいつもゲオ チャイで飯を食っているので多少の事情は彼女の耳にも入っていると踏んだのだ。

 さっそくノイに携帯してみる。

 ♫~♩

「あ~ めめさん、お久しぶりで~す♡」 いきなり♡を投げつけられたw
「あのさぁ ノイちゃん 今晩 、錦糸町へ行くから 飯 どう?」
「え~と・・・今日の夜? 何時?」
「夜7時頃でどお? 誰か、予約、入ってる?」
「7時ならいいわよ。 9時から指名が入ってるから」
「OK じゃ、7時にいつもの ゲオ チャイ で待ってるから」
「は~い♡ 7時にご飯、いきま~す♡」
「じゃね」
「ばいばい」

 別にノイとは深い関係では無い。 タイのパッポン通りで働いていたので、日本語も英語も堪能で話しやすいのだった。 タイから着たばかりの娘は日本語が話せないので余り指名が入らないが、彼女は流ちょうな日本語を話すので、指名客も多い。
 勿論、観光ビザで来ているので2週間だけだが、働いている事もが、違法行為である事も知っている。 だから、なじみの客しか取らないのである。 

 余談だが、タイ本国のタニヤ通りや、パッポン通りでポールダンスをしながら客を取る売春では、2時間で3,000円にしかならない。 その点、日本なら2時間2万円~が相場だ。 ただし、日本に来る為にはブローカーを介して、30万円の借金を負わされる。 旅費往復10万+衣食住2週間=30万円。 それ以上の金額を2週間で簡単に彼女達は稼ぎ出す。 稼ぎは1回50%が手取りとなる。
 受け入れの店も、無店舗風俗業などの資格を持たないまま、勝手に口コミでやっている所が殆どだ。 

 最近も小岩の娘から泣きつかれた。 30万円が返せないと言うのだった。 景気の良い街とそうでは無い街では格差が生じる。 しかし、ブローカーへの30万は借金をしてでも支払わなくては帰国出来ない。 オーバーステーになれば5年は日本サイドへ再入国が出来なくなる。 近く、小岩でボロもうけをしている店を叩き潰すつもりだが、その前に、この錦糸町のミッションを何とかしなくてはならない。 情報収集が今後の動きの全てを左右する、重要な手がかりだった。


 今晩、ノイちゃんと錦糸町のゲオ チャイで食事をしながら、少しでも多くの情報収集をするつもりだ。 それも敵のふところの中でのことだった。

 
 時計を見ると午後6時を少し過ぎていた。 事務所を出てその足でTAXIを拾い錦糸町へ向かった。

  
              
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まじいなぁ~  ・・・ No21
- 2017/12/24(Sun) -
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         Merry Christmas! と言える日本は幸せ・・・
                          アメリカでは Happy Holidays! と言います。


      5年前1   5年前2   5年前3   5年前4

                       5年前は可愛かったのに・・・ Orz



      社員旅行1   社員旅行2   社員旅行3   社員旅行4

                       近頃ではこんなヤツになってますw


 S500の車内では2人とも殆ど無言だった。 運転手が2人の様子から、雰囲気を察して丁寧な運転をしてくれた。 タエちゃんの旦那、彼を上野駅まで乗せて行き、軽い挨拶で分かれた。

「専務、この後、どちらか行かれますか?」
「いや、会社まで頼むわぁ」
「畏まりました」

 車の中でズッと気になっていた事が体中に広がってくる。 錦糸町・・・。 事件が起きたきっかけも錦糸町だし、逮捕された警察も錦糸町の本所警察署。 町中で噂話が流れ無いはずがない。 と、言うよりも、タエちゃんはどんな奴と錦糸町で食事をしていたのか? 錦糸町の何処で食事をしていたのかだった・・・。

 実は、錦糸町にはタイ人社会では関東最大の地下組織とネットワークがある。 その隠れ蓑が「ゲオ チャイ」と言うタイ料理レストランだ。 よほどのお上りさんか、観光客以外のタイ人なら、ゲオ チャイと言う名を聞けば、知らない人間はいないだろう。
 元々、ヤミ金融と地下での海外送金でしのいでいる組織だ。 現在も、堂々とタイ料理レストランを営んでいる。 誰でも気軽に、日本人でも読めるメニューを並べている。
 
 成田空港の隣町に大栄町と、言う町に素晴らしいタイ国式のお寺がある。 ワット パクナムと言う名で、実は俺もそこの寺には創立時から絡んでいる。 小学校の廃校を買い取り、内装をいじって、僧侶の宿泊施設と仏間がある。 校庭だった庭先に今では素晴らしい仏殿が出来、数々の黄金色に輝く仏像達が並んでいる。 仏殿もタイ国と全く遜色は無いほどの造りになっている。 その仏殿を作る際に三億円ほどの金を寄進したのが錦糸町のゲオ チャイだ。 俺も心づくし程度の寄進はしていたが、桁が違う。 仏像への入魂式にはタイから国王の一族も訪れ執り行われ、記念式典を本国でも大々的に報じられたのだった。

 この錦糸町のゲオ チャイが、今回の事件や弁護士の選任への関与が、「絶対にある!」と言う気がしてならないのだ。 タエちゃんへ弁護士が、既に付いていると知ったときから、胸の中で引っかかっていたのだ。 強盗致傷罪の弁護を引き受ける弁護士など、そこいら中を探しても、簡単な事では無い。 金額も女3人、男1人の計4人だと、安く見積もっても4~500百万は堅い。 そんな金を出せるのはやはりゲオ チャイ意外には考えられなかった。 自分の足元に火の粉が飛び移る事を嫌ってか、ゲオ チャイが動いたに違いない・・・。 もしくは、主犯格の女ボスが、ゲオ チャイの関係者なのかも知れない・・・と、頭をよぎっていた。

  (-.-)y-~~

 新宿インターのカーブを、俺の赤馬に負けない程の気持ちの良いコーナリングで曲がり、左にハイヤットを横目で見ながら、俺を後ろに乗せたS500がインターを降りる。 そのまま会社の地下駐車場へ流れ込み、役員専用の駐車スペースで、車はゆっくりと駐まり、快いエンジン音だけがコンクリートの壁に響いていた。

「専務、お疲れ様でした」 早々に先に降りて、俺のドアを開けようとする
「お疲れ様、今日は有り難う。 たすかったよ」 自分でドアを開いて左足から降りる
「トランクの荷物はどうなされますか?」
「ん~・・・・持っていくわぁ。 トランク、開けてくれないかな」
「畏まりました。 預かっておく事も出来ますが・・・」
「いや、もう使い道が無い物ばかりなんで、持ち帰るよ」
「分かりました」

 運転手がトランクを開き、中から大きな袋を2つ、両手で取りだした。 
「有り難う」
「いえ、こちらこそ専務さんにお気遣いを戴きまして、申し訳、ありませんでした。有り難う御座います」
「口止め料だよ」 笑 
「承知、しました」 笑
「運行記録は適当に書いておいてくれ」
「はい、そうしておきますので、ご心配なく」
「助かるわ。 じゃ、これもって上、行くから」
「お疲れ様でした」
「ああ、また何かの時は頼むわ」
「いつでも御連絡をして下さい」 毎度、礼儀正しい運転手さんだった

 左手にユニクロで一番デカイ紙袋を2袋ぶら下げ、エレベーターへ向かいながら、後ろ姿のまま右手を上げて彼に感謝した。

 エレベーターのボタンを押す。 タエちゃんへの差し入れのつもりのジャージやインナー、下着類が山ほど入ってる。 1袋にまとめられないかと入れ替えてみた。 無理矢理にスキ間に押し込んでパンパンだが、1袋に出来上がった。 しかし・・・思いっきりふくれあがってる、怪しげな紙袋になっている。 「しゃあねぇかぁ~ これで・・・」1人で呟き、降りて来て、開いたエレベーターに乗り込んだ。 運良く、誰も乗っていない。

 ものの5秒で1階ロビーに到着をしてドアが開く。 このエレベーターは地下駐車場への直行専用なので、開いたドアの正面には人影がなかった。 ラッキィー!っと、心の中で一息付いてから、体を小さくして、目立たないようにこっそりと、ゆっくり脇にある高層階様のエレベーター側へ移動する。 ロビーには数人の人影があった。 同じエレベーターに、俺を知っている会社の人間が乗らない事を心から願って、降りてくるランプを見上げていた。 すると、

「よ~! めめ~!」 デカイ声が俺の背中をグサリと刺したw 

 心臓が一瞬大きく鼓動をして・・・停止したw

「めめ~! チョイ~!」 聞き覚えのある声だった

 間違えなく、背中の奥にある受付のあたりから聞こえる社長の声だったw。 俺のことを「めめ!」などと、社内で呼び捨てにするヤツは社長しかいない。 
 恐る恐る、ゆっくりと荷物を持っていない右側から振り返ると、受付嬢が2人立ち上がってこっちを正視しているのが見えた。 と、脇には社長と会長が立っていたw。

 マーフィーの法則通り、「全ての物事は、自分が予期する1番悪い結果へと流れる」・・・頭をよぎった。 これ以上の最悪な場面は無い。 会議を途中で抜け出し、帰社すると、パンパンに膨らんだユニクロマークがデカデカと入った紙袋を手に持ち、社長と会長が受付前で何かを話していた最中に、俺が地下から現れたのだった・・・。

 シカトする訳にもいかず、紙袋をぶら下げながら受付へ向かった。

 受付に近くなるに従って心臓の鼓動が不規則になる。 まいった・・・。 1番会いたくない連中に捕まってしまった。 言い訳を考える余裕さえなかった。

「よ! めめ。 それ、ここに預けて、チョッとこっちに来てくれ」 社長と会長が出口へゆっくりと向かう。 取りあえず荷物を受け付け嬢へ手渡し、「すぐ、戻るから」と、社長と会長を追いかけた。

2人が先に出口で待っていた。
「いや、お前ん所のサチ君の事なんだが、なぁ~」 サチ? あいつ、また何かやらかしたのか?
「お前から推薦状を受け取ってから、会長とも何度か話もしてたんだが」 ん? 推薦状?
「今度、室長候補で良いんだよな」
「めめが抜けた後は、彼女で良いんだよな」

 サチの昇進の件だった。 
 ふた月ほど前に提出していた海外事業部の室長、つまり、部長の一つ上の候補と言う事で、願箋を俺が推薦状として書いていたのだった。 
「ええ、彼女なら十分やりくりが出来ますから、是非」
「ん~、分かった」 社長が念を押した
「じゃ、そういう事で近いうちに役員会を通すから、君も出席をして、役員へ説明と推薦を促してもらえるかね?」 会長が尋ねる

「勿論です。 併せて、イズとミミの昇級の件も報告させて戴きます」
「分かった」 会長がうなずいた

「じゃ、来月か、再来月の株主総会の前が良いですね」 社長が会長へ伺う
「ん~、じゃ、その方向で」 会長が俺を見る

「宜しくお願い致します。 お世話になりましたが、どうも方目と腰の調子が悪く、完治が難しいと、診断書がでてますので・・・。 勿論、サチも海外事業部としても、十分、やりくりは出来ますので」
「わかった、じゃ、そういう事で」 社長が幕を引いた

「有り難う御座います」
「まだ、他言無用でな・・・」 会長
「ですね」 社長

「分かりました。 では、宜しくお願い致します。 失礼します」
「あ! めめ!」 ?
「はい・・・」
「お前、今日の会議でイエローカード5枚目な。 イズ君、困ってたぞ。 でも、彼女が会議、上手くこなしたけどな」
「済みません、急用で・・・」
「まぁ、いいさぁ」 しょうが無い、また、何かに片足を突っ込んでるんだろうなぁ~と、言う顔をして見せた

「じゃ、また、めめ君」 会長が歩き出した
「では、失礼します」
「イエロー5枚目だからな!」 笑いながら社長が振り返り、会長の後に付いた

 先に会長と社長の2人の秘書達がコンビニ前で待っていた。 4人で飯でも行くのだろう。 形だけ深々と頭を下げて4人を見送った。 
 
 俺が会議を途中で抜け出す事は多々あった。 海外との直接TVチャットを多用するので、海外のクライアントからの急な呼び出しや、秘書達の商談にも呼ばれ、重要な最終価格の決断に関わる事も多いのだ。 よって、会議の途中下車は半分、いや殆ど公認されていたのだった。 

 しかし、それは、あくまでも仕事上での事であって、社長へは後で私用での下車がバレたりしてもいた。 で、イエローカードが出る訳である。 今回は5枚目をもらったw。 イエローカード何枚でレットカードになるのかは知らないが・・・。


 社長に呼ばれ、会長と3人での確認はサチの昇進の確認だった。 併せて、イズとミミも秘書役を解いて、昇進させる腹だった。 現在は俺に3人の秘書達が付いている訳だが、今後は海外事業部の室長にサチを据えて、イズとミミでサポートさせる形にするように推薦しておいたのだ。

 地下エレベーターからロビーに移り、社長に見つかったときは心臓が凍えたwが、何てことは無い、内輪話だった。 ホッと胸を撫で下ろし、ロビーの受付へ紙袋を取りに戻った。 


 へ? 受付にサチがいる。 ん? 何でサチがいるんだ? しかも、ホッペタを膨らましていた。

「ネェ~専務、もう~恥ずかしい事、しないで!」 いきなり怒られた@@
「ん?」
「こんなに女物の下着とか買い込んで・・・もう!変態!」 w
「あのなぁ~」
「も~言い訳は部屋で聞くから、もう、これ持って行くわよ!」 ハイw
「・・・」 親にエロDVDを見つけられた気分だった・・・

エレベーターに歩きながら
「まったく・・・。 受付のサヤちゃんが、専務が会長と社長と3人が出掛けたから、預かった荷物、どうしますかって?連絡くれたのよ」 w
「で、取りに来たら・・・もう! 何やってるのよ、ホントに!」
「・・・」
「なにかコソコソやるなら、見つからないようにやってよね! もう!」
「・・・」
「中見たけど、このユニクロ、地味すぎてあたし、要らないからね」
「・・・」
「ブラとかパンツとか・・・恥ずかしいだから、もう!あたし」
「・・・」

 エレベーターを待っている間中、サチに攻められた。 
 俺にも事情があるんだよ・・・分かってはくれないかなぁ~将来の 室長 さんよぉ・・・。

  
 
 てか、受付嬢からの怪情報は、予想以上に素早く会社中に知れ渡ってしまった・・・Orz

 ハーレム専務が、変態専務に昇格した。






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まじいなぁ~  ・・・ No20
- 2017/12/23(Sat) -
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 エレベーターで1階へ降りると、同じ門番がいた。 おや?早いですね、とでも言いたそうな顔だったが、2階での対応を思い起こしていたので、門番など相手にもしたくなかった。 来た時は先頭だったが、帰りは2人の後ろに一緒に付いて来た。 アルミの出入り口を開けてもらい、「有り難う御座いました」と軽く会釈した。 「ご苦労様でした」と声だけが閉まった扉からかえって来た。

 留置所をやっと見つけ出し、私撰弁護士を付けて情報を集めようとしたら、私撰弁護士が付いていた。 あげくの果てに、面会にまで来てみると、タエちゃんから「知らない人」だと言われる。 訳が分からない事件だ。 おまけに女性物の下着やジャージが山ほど余ってしまった。 笑えない結果だった。

 出口近くの鉄格子近くで車を呼んで、タバコに火をつけた。 空が悲しいほど青い。 煙を手の届きそうな青空へ吹きかけていると、彼が深々と頭を下げた。

「色々と、本当に有り難う御座いました。 差し入れまで買って来てもらって・・・済みませんでした。 気が動転してて、自分では差し入れの事なんが、全く気が付きませんでした」
「いやいや、留置所へ放り込まれたら、下着と金ですからね」 笑
「さっきの5万円、必ずお返ししますから、少し時間を下さい」
「いや、タエちゃんに、とっととここの留置所から出てきてもらって、彼女から受け取りますよ^^」
「ほんと、助かります」
「まぁ~当面の間、必要な物があれば、中からでも買ってもらえますからね」
「そうですね」
「男なら、入らない物の方が少ないハズなのに、ここは厳しいですね・・・さすが女子専用の差し入れは」
「ですよね」
「まぁ、ここにいる事も分かったし、今日は運がよかったんでしょうよ。取り調べが午前中で終わったのか、丸々1日、空きの日だったのか、時間的にも夕食5時ですから、早めに戻って来ていたのかも知れませんねがね」
「居場所がわかって、また、弁護士が付いていた事もわかって、なんか、安心って事じゃないけど、落ち着きました」
「そりゃ~良かったですよね。本当に」
「ええ」

「面会に来ても知らないと、言い張るんだから、ご主人の所へも連絡が行かなかった訳ですね・・・」
「そうでしょうね」
「タエちゃんらしいじゃないですか」
「え?」
「旦那さんや友達に迷惑をかけたくない思いなんでしょうよ、きっと」
「そうでしょうかねぇ」
「きっと、そうですよ。 会いたくないハズなんてないですよ。 俺なら喜んで面会しますけどね^^」
「・・・」
「我慢したんでしょうね・・・彼女なりに」
「ですかね」
「強いですね。 旦那さんに知られたくない、迷惑をかけたくない一心でしょうね」
「・・・」
「でも、俺にまで強がらなくても良いのにさぁ~」
「すみません」
「いや、あなたが謝る事じゃないですよ」
「・・・」
「俺はただ、タエちゃんが強いなって、感心してるだけなんでね」
「・・・」
「警察も弁護士も、その気になれば金沢の住所くらい分かるハズですから、きっとタエちゃんが弁護士へ、金沢へは連絡しないで欲しいと伝えたんでしょうよ」
「ですかね」
「後の事はもう少し調べて、俺からまた連絡しますから、金沢で、何か動きがありましたら教えて下さい」
「わかりました。 何かありましたら直ぐに連絡します」
「俺の方も気になる事があるんで、2~3日したらまた連絡しますから
「おねがいします」
「連絡は夜の方が良いですよね」
「ええ、出来れば夜だと、必ず家にいますから」
「分かりました」
「どうも 錦糸町 と言う街が気になるんですよ」
「・・・」
「まぁ~2~3日、待ってて下さい。 弁護士も付いている事だし、大きな心配は無いと思いますので」
「はい、安心しました。 今日は本当に有り難う御座いました」

「で、」
「?」
「車が来た様ですから、上野駅で良いですか、東京駅がいいですか?」
「え~いえいえ、その辺の駅で」
「水くさいこと言わないで下さいよ。 じゃ、上野駅まで行きましょう」
「すんません」

 右側から歩道橋の下を抜けて、S500が滑り込んで来た。
「乗りましょう」
「はい」
 運転手がハザードを付けて、降りてこようとしたところを止めて、トランクを開けさせた。 ユニクロの袋をトランクに投げ込み、そのまま2人で後ろの座席へ乗り込んだ。

「専務、どちらまでですか?」
「金沢の駅まで頼むわ」
「え?かなざわ・・・」
「冗談だよ、冗談。 上野駅まで頼むわぁ」
「畏まりました」 笑


 タエちゃんは面会に行った俺と旦那を知らないと、言い張った。 旦那のことを思って、知らないと言い張ったのだろう。 会いたくないハズなど無い。 絶対、会いたいハズだ。 ・・・なのに。 

 タエちゃんは旦那へ迷惑が及ぶことを恐れて、知らないと言ったのだ。 強い心の持ち主だと痛感させられてしまった。 俺よりも心の強い女性だった。





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まじいなぁ~  ・・・ No19
- 2017/12/23(Sat) -
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            ん?なんだよ

              だから・・・なんだ?



 鉄の格子戸まで来て、入り口を探した。 大きな横開きの格子戸には出入りの出来る入り口が無い。 もう少し先へ進むとアルミ製のドア1枚の出入り口があった。 脇のインターフォンを押す。

 ピンポン~♩~
「はい、ご用件をどうぞ」 どこかにモニターでもあるのか、押した途端に返答があった
「面会なんですが」 脇のインターフォンへ大声で答える
「今、そちらへ行きますので、少々、お待ち下さい」 面倒くさそうに、おやじの声がした

 ここの出入り口からでは塀の向こうの様子が窺えない。 さっっきの鉄格子からなら中が丸見えだったのだが、待つしか無い。
しばらくすると建物の正面口のドアの開く音が聞こえ、こちらへ歩いて来る足音が聞こえた。 
 ガチャ
 アルミのドアが開いて、小柄な制服の男がドアノブに手をかけたままで立っていた。
「中へどうぞ」
 手荷物を持って2人で入り口をくぐると、またガチャリと、ドアを閉めた。

「面会入り口の受付は2階ですから」 歩きながら小柄な制服男が頭だけ振り向いて、俺とタエちゃんの旦那を確かめた
「左ですね」 と、だけ答えて4階建ての濃い茶色の建物の、正面玄関の前で立ち止まった
「どうぞ」
 入り口を入ると正面にエレベーターがあった。 このエレベーターで取り調べの警察署へ護送されるのだろう。 一般的には護送の出入り口は、目立たない警察署の裏口近くで、階段そばに出入り口が多いが、ここは建物の正面だった。

 エレベーターに3人で乗り込む。  
 2階に到着して、右側を見ると、正面に大きな文字で「受付」と書かれたプレートがぶら下がっていた。 タエちゃんの旦那、彼と目を合わせて、受付へ向かった。 制服の男は最後について来た。
 腰ほどの高さで、ここら側と向こう側とが受付として仕切られている。 役場のカウンターの様な造りだ。

「どういったご用件ですか?」 定年近い警官が訪ねてきた
「面会と差し入れです」 俺の後ろからタエちゃんの旦那さんが声を上げた

 少し大きめの声で答えた事にムッとした顔で、受付の警官が答えた
「あ~面会は、本人が取り調べ中だと、ここにはいませんから、出来ないですね」 ぶっきらぼうな声だ
「いるか、いないか、教えてください」 彼が返す
「じゃ、まず、ここへ面会者の名前と、面会に来た人の名前、住所、関係を書き込んで下さい」 わら半紙のコピーを渡された

 彼が俺の前に出て、差し入れの袋を片手に持ったまま、先に手に取った。

「そちらは?」 両肘をカウンターにつき、手を組んだままで、下から俺を見る
「ここの留置所にいる女性の友人で、彼、旦那の友人でもありますけど」 ひと言、友達です、でも良いのだが・・・
「じゃ、あんたも、これを書いて」 わら半紙を手渡わたされた

 面会相手の氏名の欄を残して、自分の名前、住所、関係を書き込む。 タエちゃんの氏名欄は、旦那の記載をチラ見して、彼が書いた名前と同じに「木下 ラッタナポン」と書き足した。 2人で同時に記載したわら半紙をカウンターの制服爺へ手渡した。

「何か、身分証明書をお願いします」 2人で免許証を渡した

「え~と、チョット待って下さいね。 本人が何処にいるか確認しますから」 2枚のわら半紙を後ろのワイシャツ姿の女性に渡す

 ワイシャツ姿の事務員女性が仕切りで見えない奥の方へ消えていった。 2人で奥の様子を伺う。 

「せっかく来ても、ここは会えない方が多いんですよね。 土日なら、多分、大丈夫なんですがね・・・」 カウンターで答えた

「もし、本人が取り調べ中で不在でも、差し入れは出来ますよね」 少し悪たれをつきたくなる相手だった

「え~と、差し入れは出来ますけど、そこに書いている様に、差し入れ品も、色々と制限があって面倒なんですよ」
 彼がゆっくりと後ろを振り返って、カウンター後ろの仕切り版に貼られている「差し入れ制限類」と、言う紙を指さした。
「で、せっかく差し入れ品を持って来てもらっても、規定に合わないと全部の品、持ち帰ってもらわないといけないんですよね」


 しまった・・・。
 男性の場合と違って、女性の場合は色々とサイズや規定が事細かく決まっている事を、今頃になって思い出してしまった。

「よく、郵送での差し入れも来ますけど、殆ど入りません。 でも、こちらからは送り返す手間はしませんから、倉庫で保管か、取りに来なければ、廃棄処分になるんですよね・・・」

 タエちゃんの旦那と目が合うと、俺がしくじった表情を読み取って、彼も困った顔をしてみせた。 留置所で使える物なら、釈放の際に「これ、処分して下さい」と、言えば、通常は保管されていて使い回される。 いきなり逮捕されて身の回り品が無い時など、一時的に使われるのだった。 一般的には、自分の所持金で購入した物を「私物」と呼び、使い回しで配給される物は「官物(かんぶつ)」と呼ばれる。 練り歯磨き以外は、処分品のおおよそは使い回されることが多い。

 ユニクロでタエちゃんが楽な様にとサイズには考慮したはずだが、それ以外の色々な事で許可される物と、許可されない物とを選別される事に、俺の内心で「しくった!」っと、顔に出てしまったのだった。


 カウンター奥の仕切り版の影からさっきの女性が出てきた。 手には俺と、タエちゃんの旦那が書いた書類を持っている。

「この名前の方は確かにいますよ。 今日はここにいます」 そこで一呼吸してから続けた
「でも、この女性は2人の事を 知らない と、言っていますが・・・」

「へ?」 
「今、ここにいるのは確かだけど、友人と旦那を知らないと、言ったんですか?」 俺の耳を疑った
「はい、2人は知らない人だと・・・」
 タエちゃんの旦那が噛みついた。
「知らないはず、ないだろうが。 わざわざ金沢からこうして出来てているのによぉ」 熱くなっていた
「でも、確かに知らないと、言ったんですよ」
「そりゃ、おかしいだろうがぁ」
 熱くなった彼を軽くなだめて、聞き直してみた。
「会いたくないと、言ったんではなくて、知らないと、言われたんですね」
「ええ、そうです。 お二人の名前も面会に来ていることも伝えましたが、そんな人は知らないと、言われたんです」
「・・・ですか」 一瞬、驚いたが訳がありそうに思えた
 知らないと、言われて混乱している彼の方を向いて、ゆっくりと彼に話した。
「タエちゃんがうちら、二人を知らないと、言ってるのは何か訳があるんでしょう。 本人が、知らないと、言ってる以上はしょうが無いですね」
「知らないわけがないさ・・・」
「だから、タエちゃんに何か理由でもあるんでしょうね」
「こまったなぁ~。 わざわざ仕事を休んでまで来たのに・・・しらねぇ・・・かぁ」
「面会は諦めましょう。 ここに二人で来た事だけでもタエちゃんは分かったハズですから」
「・・・しゃ~ねぇ~わなぁ~」

 カウンターから事務の女性と彼とのやり取りを聞いていた制服警官がおもむろに言った。
「たまにこんなケースもあるんですよね」 意味ありげだったが、聞き流した

「分かりました。 タエちゃんがうちら、2人を知らないと言うでしたらしょうが無いでしょう。 じゃ、差し入れだけでもしていきますからお願いします」 制服警官へ大きな紙袋を二袋見せた

「じゃ、全部見ますから、袋の中から出して下さい」 随分と多いなぁ~と、言う顔だった
「え~と、じゃ、これ、全部、検査して」 振り向いて、先ほどの女性事務員をカウンターへ呼んだ
 申し訳なさそうな顔で彼女がカウンターまで来て、俺が袋から一点、一点と、カウンターの上に置いていった。 その包みを開き、下着類と、上着類、とに手早く仕分け、袋を開けてチェックをし始めた。

「こういう首もとが広い下着類はダメなんですよ」
「え?」 聞き直した
「こうゆう風に首もとがV型とかU型になった物は差し入れ出来ないんですよ」
「ええ?全部?」
「はい。 一般的に言われる丸首型以外は全部ダメですので」
「まいったなぁ~」 マジにまいった

 取り調べの際に、女性なので胸元が少しでも見える物は取り調べ官を官能してしまい、おかしな調書を作ってしまうからだろう。w 
「これもダメですね。 下着の裾が短すぎます」 おい、パンツもかよ
「靴下も・・・長さが決まっているんですよ。ですから・・・これと、これもダメですね」 ・・・Orz
「え? じゃぁ、肌着1点、下着1点、靴下2足だけですか?」
「そうなりますね」 キッパリ
「だから、ここに書かれているサイズの物、以外はダメなんですよ」 初めて制服爺が哀れな顔をしてみせた

「え~と、ジャージですが、全てダメですね。 全部U首ですので、首元が広すぎます」 おいwまじっすかw
「え?ジャージ上下、全部ダメ?」
「ええ、ダメです」
「・・・・」 言葉が出ない

 女性用の私物が、これ程までに厳しいとは・・・流石に、俺も落ち込んだ。 結局、9割ほど、いや、もうほとんどが差し入れとして受け付けてもらえなかった。

「差し入れ出来るものは、こちらの用紙へ書いて下さい。 これと、これ、と・・・これですね」
「肌着1点、下着1点、靴下2足だけ・・・ですかぁ。 で、ジャージは全滅と・・・」
「あ!全滅とか、書かないで下さいね。 差し入れ、取り消されますよ (笑)」
「済みません、冗談でも、笑えません、今は」 うけたw
 差し入れ品リストに数点だけ記載して、彼女へ渡した。差し入れ名は俺の名前にした。

「じゃ、現金も入れますから」 カウンターの彼女へ尋ねた
「はい、ではこちらの用紙へ記入してください」 また、別の用紙を渡された
 その用紙を見て、隣の彼が財布を取り出した。 財布から万札を数枚取りだしてカウンターへ置いた。 5万円。
「いくらまで、現金での差し入れは出来ますか?」 俺が制服爺へ尋ねた
「まぁ~限度がありますから・・・多すぎても・・・・」
「ですから、幾らまでですか?」
「ここにいる間なら4~5万もあれば十分でしょうよ」 嫌な顔をした
「で、制限はあるんですか?金額の?」 今度は彼女へ尋ねた
「10万円まではお預かり出来ますが・・・」
「10万ですね、じゃ、10万でお願いします」
 彼のテーブルの上に置かれていた5万円に俺の財布から5万円を出して10万円の束にして、数えてタエちゃんの旦那へ手渡した。
「旦那さんの名前で10万円、入れて下さい。 俺の名前は、品物で書いてますから」 彼に用紙を渡した

 差し入れられた品や金額は後で、タエちゃんの部屋で品物の名前と数量、金額など告げられて、必ず拇印(人差し指)を求められるので、誰が何を、いくつ入れてくれたのかは分かるのだ。
 品物は俺の名前、現金は旦那の名前の方が良いと思っただけだ。

 旦那が用紙に記入して、現金10万円を制服に渡した。


「しらないかぁ・・・・」 ショックだったに違いない
「・・・・まぁ、タエちゃんの気持ちを酌んで、今日はこれで帰りましょう」 彼を促した
「しかたねぇ~なぁ」 最初は敬語だったが、彼本来の言葉遣いに戻っていた
「いきましょう」
「はい」 か細い声だった

「後、宜しく、お願いします」 制服と彼女へ頭を下げてエレベーターへ向かった

 俺の両手には、ほとんど差し入れが出来なかったユニクロが二袋、ぶら下がっていた。w




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まじいなぁ~  ・・・ No18
- 2017/12/22(Fri) -
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                          指名手配書
                        懐かし過ぎるわぁなぁw
                          新宿の種馬w


   引っ越しの際に、開いて無かった段ボール箱を開けると、古い革表紙の英語の聖書が出てきた。 
   その中に栞代わりに挟まれていた2枚の写真・・・。
   1枚はお袋を日光へ連れて行った時のもの。 もう1枚は山中湖へ行った帰りの1枚。
   こんな時代に、インスタやSNSがあれば、世界中からモテまくってただろうなぁ~。  マジ残念w

                        この歳になると、妄想と後悔しか浮かばない自分が悲しい・・・


*****


 S500の車内は思いもよらず、かなり快適だった。 トヨタのセルシオに似た乗り心地だ。 セルシオは日本車のリムジン1号を目標に造られた車で、車内の振動を殆ど感じさせない。 このS500はV12気筒で窓は防弾ガラス仕様になっていて、静かな乗り心地が好きだった。
 防弾ガラス仕様なので、フロントガラスに取り付けたETCがたまに誤作動をするが、V12だけのことはあって、アクセルを踏み込むとバイクの様な加速もしてくれる。 その分、リッター3Kmの燃費が痛い。 この車を会社が買い取るまで、古めのS600Lを勝手に持ち出してよく運転していたものだった。 馬力があるので、疲れしらずで九州、博多支店(中州)まで飛ばしたことも数回ある。

 但し、S600Lに故障が多すぎたので、S500の方へ力が注がれ、仕上がりの良い車になっていた。

 タエちゃんの面会に向かっている訳だが、面会と言っても、簡単ではない。 
 
 土日祭ならば、よほどの事が無い限り朝9時から午後5時までは通常に面会は出来る。 面会は1日、1回切りで、約30分から40分くらいだ。 2畳ほどの狭い部屋でカラス越しに向かい合い、TVドラマのような丸い空気穴がガラスにある。 被疑者のすぐ脇に、小さな机が横に備えられていて、留置担当官が面会内容を「こんにちは、お元気でしたか?」から書き出していく。 
 
 事件内容の事柄や、伝言、暗号等が話されるとその場で面会が打ち切られてしまうので、たわいのない挨拶程度で、面会時間が終わってしまう。 顔色をうかがう程度の時間しかないのだ。 
 その点、弁護士だと24時間、いつでも何回でも、何時間でも弁護人と2人きりで話せる。 書き留める担当官も付かない。 勿論、初対面の当番(国選)弁護士が会いに行っても、時間制限もないので、ゆっくりと弁護人の話を聞ける利便性がある。

 今、このS500が向かっているのは北区にある留置場(所)なのだが、そこに問題があった。 
 今日は平日なので、タエちゃんが留置所にいるかどうか?分からないのだ。 尋ねても、教えてくれない風習があるのだ。 
 
 通常ならば、逮捕された警察署の中で取り調べが行われ、一部屋、3畳ほどの部屋で2~3人と同居生活をしている。 
 平日の取り調べ中に家族が面会に来ると、嫌な顔をされ、取り調べ調書の切れの良いこところまで、パソコンの打ち込みが終わるまで、家族には面会を待ってもらい、その後、本人は取調室から直接に面会室へ手錠&腰紐をされて向かう。 面会後、また取調室にもどり、調書を進めていく。
 
 取り調べの最中と面会時は手錠はハズされ、ズボンの前にぶら下がっている状態だ。 ただし、腰紐は椅子に結び付けられる。

 タエちゃんの場合、担当する(逮捕した)警察署が本所警察署(錦糸町)なので、毎日、護送の形で往復をしているハズだった。
 護送と、言うよりも各警察署を回る形で担当する警察者へ1人ずつ降ろして行くの時間も不定期で、おおよその時間だ。

 このまま留置所へ付いても、タエちゃん本人が錦糸町にでもいて、取り調べを受けているなら彼女には会えない。 差し入れだけの形になってしまう。 確実な土日祭に来れば確実に会えるのだろうが、金沢から来ている彼(旦那)には容易なことではない。 



 池袋を通り過ぎ、気が付くとJR埼京線の十条駅の近くまで来ていた。 昨日、運転手へはこの辺にあるはずの拘置所のメモを渡してあった。 真っ直ぐに乗せて行ってくれる事は間違いなかった。 もう近い。
 十条駅への入り口交差点を右に見て、環状7号線をこえて、そのまま直進すると大きめのY字路にさしかかった。 運転手が左側の通りへ車を進め、ハザードランプを出しながら停車した。

 Y字路のちょうど中州にあたる場所にその茶色い建物があった。 4階建ての平べったい茶色い建物が、2m程の塀に囲まれていた。
 
「専務、付きましたが、どうしましょうか?」 ハンドルから手を離して、運転手が振り返った
「OK、有り難う。 ここで駐車している訳にはいかないんで、どこか、近場の駐車場を探して、停めて置いてくれないかな」
「畏まりました。 その辺の駐車場で待機していますので、お帰りの際は、携帯で呼び出してくださいませ」
「助かるわ。 そんなに長居するわけでもないんで、頼むよ」
「はい。 では、トランクを開けますね」 左足のノッチを引き、トランクを開いて、彼が先に車から降りた
「どうぞ」 左後部ドアを開けてくれた
「有り難う。 木下さんもこちら側からどうぞ」 珍しそうに茶色の建物を眺めていた彼を促した
「すみません、有り難うございます」 俺の後に続いて車から降りた

 トランクルームから大きなユニクロマークの袋を2つ、運転手が取りだして俺に「どうぞ」と、渡してくれた。
「あ!荷物、持ちますよ」 彼が左右の袋を取ろうとしたので、片方だけ渡した
「じゃ、行ってみましょう、タエちゃん、いるかなぁ~」
「いると助かるんですが・・・」

「専務、これはどうしますか?」 運転報告書を書く振りをして、運転手が尋ねた
「ここに来たことが会社へバレルと何か言われそうだから、適当に場所、距離、書いておいてくれ、頼むよ」
「分かりました、専務。 池袋から巣鴨あたりの事で、書いておきますから」 かるく笑った
「サンキュ~^^」
「じゃ、行ってくるから、後で携帯を鳴らすわぁ」
「畏まりました。 また、ここでお待ちしてますから」

「あ!時間つぶしに何か食っていてくれ」
 運転手へ1万円札を小さくたたんで手渡した
「え?」
「いいから、運転報告書、たのむね」
「申し訳ありません、専務」
「じゃね」

 少し先に横断用の歩道橋も、信号機もあったが、面倒なんで無視して3車線の道路を、早足で彼と2人で渡った。 

                  

       ここかぁ~




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まじいなぁ~  ・・・ No17
- 2017/12/21(Thu) -
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 イズが冷えたコーヒーを下げに来た。 入れ替われでサチがコーヒーメーカーで入れたばかりの2杯目を届けに来た。 猫舌の俺に熱めのコーヒーを入れるとは、サチの嫌がらせか? いや、いつもはイズがほど良いコーヒーを入れてくれていたので熱めに感じたのだ。
 出来れば気を利かせて2杯目はアイスコーヒーにして欲しかったのだが、言い忘れていた。 マイセンのコーヒーカップを皿に戻そうとした時に、携帯が♩~♩~歌い出した。 上野の弁護士会館からの折り返しだ。 早い。

「はい、めめですが」 相手の次の言葉に集中した
「弁護士会館ですが、先ほどお電話を戴きましためめ様ですか?」
「はい、めめです」
「めめ様、こちらで確認を取りましたところ、もう弁護士先生が付いておられますね」
「え?」 耳を疑った
「逮捕されておりますタイ人女性の・・え~と、お名前が・・・木下 ラッタナポーンさんへは、どちらかの先生が付いている様ですが」
「どちらの先生でしょうか?」 少し俺が混乱した
「いえ、こちらからは先生のお名前をお知らせ出来ませんので、ご了承くださいませ」 ぶっきらぼうな答えだった
「と、言うことは、逮捕前からでしょうか? 逮捕後からなんでしょうか?」
「申し訳御座いません、そちらの件も当方からはお伝えできかねるんですね」
「え? 逮捕された本人の旦那さんがここに居てもですか?」
「はい、こちらからお伝えできます事は、お申し出のありましたお名前の方へは、既に、どちらかの先生が付いていますと、しかお伝え出来ませんので・・・」
「ですか・・・有り難う御座いました。 どこかの先生が付いている事だけでも解って、安心しました」
「申し訳ありませんね、こちらからでは先生のお名前等、お伝え出来ないものですから」
「いえ、お手数をお掛け致しました。 有り難う御座いました」
「いいえ、それでは失礼致します」
「では」

 ポチッ

 携帯をテーブルの上に置いて、目の前の彼に伝えながら、自分でも整理し直した。

「不思議なことに・・・もう弁護士が付いているそうですよ」
「え?どう言う事でしょうかね」 流石に驚きを隠せない表情だった
「・・・・いや~・・・考えられることは一つだけですが・・・」 考えられるケースは二つあったが
「ど、どんな事ですか?」
「多分ですが・・・タエちゃんは一番最後に逮捕されているんですよ。 ですから、1番最初に逮捕された金貸しの女ボスが、自分で逮捕前に、金を貸した女が警察に行ったことを耳にして、危ないと思って事前に弁護士に相談をしてたか、逮捕後に仲間の誰かが弁護士を私撰で雇って付けた、と、言う事でしょうね」
「あまり、良く、分からないんですが・・・」

「金貸し女が乱暴をして、その、乱暴をされた女が警察へ駆け込む。 それを知って、金貸し女が事前に弁護士に相談をして、弁護を依頼する。 金貸し女が逮捕される前から依頼していたか・・・」
「もしくは、金貸し女が逮捕された後に、彼女の知り合いが金貸し女の件を弁護士に相談をして、付いてもらった、と、言うケースですね・・・多分」
「つまり、逮捕前に事前に弁護士に自分でお願いしていたか、で、なければ、逮捕後に誰かが弁護士を雇ったかの違いです」
「・・・」 理解しているのか、していないのかは表情からは読めなかった

「まぁ~逮捕前に弁護士に相談をしていたのか、逮捕後に誰かが弁護士を依頼して付けたのかは分かりませんが、今の電話でハッキリ言える事は、タエちゃんへもその弁護士が関わっていると、言う事ですね」
「・・・」

「一つの事件でも数人で関われば、関わった全員を弁護しますからね。 まぁ~かなり高額な弁護費用は確かですが」
「誰が弁護士を付けたんでしょうかねぇ・・・」
「それは、先ほど電話をもらった弁護士会の方では、パソコンのデーターで分かるハズです。 ですから、タエちゃんの名前と生年月日を俺から聞いたんですね」
「・・・」
「弁護士会のデーターに依頼者が誰からで、どこの所属弁護士会の誰なのかは分かるハズです」
「ただ、答えられないと、言う返答でしたので」
「ですか・・・」

「まぁ~解っただけでも、良かったですね」
「なんか・・・体から力が抜けました・・・」 彼の言いたい事は良くわかった

「でも、不思議ですね・・・」
「何でしょうか?」
「弁護士が付いているなら、真っ先に家族へ連絡が入るハズなんですがね」
「ん・・・何も連絡はありませんでした」
「ですよね・・・」
「ええ」
「何か事情があるんでしょうけど、家族くらいには連絡を入れて欲しいですよね」
「そうですね・・・」 やっとテーブルの上のコーヒーに彼が手を伸ばした

「不思議ですね」 彼の手元を見ながら呟いてみた
「・・・」

「あ!めめさん、色々と調べてもらって、本当、すいませんでした」 コーヒーを持ったまま彼が頭を下げた
「いえいえ、知りたい事ばかりだったんもんで、あちこち電話をしまくりましたけど」
「ありがたいです」
「まずはタエちゃんの安否ですよね、心配なのは」
「そうですね」

「普通、逮捕されると、まずは家族の事が気になるそうです。 自分はどんな事がこの先にあっても、我慢は出来ると、思うそうですよ。 でも、家族へは何も出来ない、してやれないと、言う気持ちから、逮捕された事を悔やむそうです」
「・・・」
「で、何とかして家族と連絡を取って、自分は大丈夫だと、言う事を知らせたい衝動に駆られるそうです」
「・・・」
「タエちゃんの場合は言葉の関係もあるし、看守も多分、外人だからと思ってロクな待遇をも、してくれないと思うんですよ」
「・・・」
「取り調べには通訳が付きますが、言葉のニュアンスや初めての経験ばかりで、相当、辛い思いをしてると思うんですよ、俺は」
「・・・」
「で、色々調べていくと・・・弁護士が付いていたwと・・・」
「ですね」
「だから、なんかシックリとしないんですよね」

 タエちゃんの現状を知りたいと思い、当番弁護士でも付けて探りを入れてもらおうと思ったのだが、既に弁護士が付いている(選任されている)と、予想外の展開になっていた。 不思議な事もいくつかあるし、どうも奇妙な気がした。

「まぁ、いくらここで考えていてもラチが空かないんで、行きましょうか? 取りあえずタエちゃんの所まで」
「ええ、お願いします」 
「車を準備してますから、それで行きましょう」
「え?車ですか」
「ええ、社用車をチコット使わせてもらいましょう」
「それは申し訳ないです。 内みたいな者の為にそこまで・・・」
「気にしないで下さい。 俺はタエちゃんの友達ですから^^」
「ともだち・・・と、言ってもここまで・・・」
「だから、友達の為に好きでやってるんですから、気にしないで下さい」
「有り難うございます」
「いえいえ^^」

「で、昨日から差し入れに行こうと思ってユニクロでタエちゃんの物、少し買って来てますから、このまま行きましょう」
「え? タエの差し入れまでですか?」
「差し入れに現金だけでも良いんですが、取りあえず、下着や衣類は必要かなぁ~って、女物、買って来てますから^^」
「いや~、申し訳ないです」
「タエちゃんとは会ったことがあるんで、おおよそのサイズは大丈夫だと思うんですよね」 女性の3サイズには敏感なのだw
「すんません」
「じゃ、行きましょう。 チョツト待って下さいね」

 ソファーから立ち上がり、背広を片手にドアを開いて、地下駐車場へ連絡をする様にと、サチに合図をした。 「分かったわ」と、サチが合図を返してくれた。

 部屋へ振り向き、彼に向かって「行きましょう」と手招きをした。 俺よりも長身だと思って彼が、ソファーから立つと、俺よりも小さくなっていた。 初めて彼が気の毒に見えた。 いくら紙切れ1枚の偽装結婚だと言っても、やはり、家族は家族である。 相手を心配して当然だが、ここまで傷心されると彼が小さく見えたのだった。



 地下駐車場へ一直線に向かいたいのだが、ここのフロアーからのエレベーターは、地下へは繋がっていない。 1階ロビーで乗り換えが面倒だった。

 地下駐車場へ向かうと運転手が警備室前で待っているのが見える。 運転手へ「あの荷物は?」と、両手をかるく挙げて合図をすると、「トランクの中です」と、帰って来た。 「OK!」と合図をしながら車の方へ足を速める。 メルセデスS500、今日の足だった。

「お待ちしてました。 どうぞ」 運転手が俺に挨拶をしながら、後部ドアを開いて、左手の白手袋で頭を庇(かばお)うとした
「悪い、トランクの荷物、見せてくれないか?」 運転手へ促した
「はい、今、開けます」 と、左ハンドル車のドアを開き、足元のノッチを引いて、トランクを開いた

「これ、全部、タエちゃんの差し入れに買い込んできました^^」 俺の後ろで、突っ立っている彼へ、トランクの中を見せた
「え? これ全部ですか? いや~ これは・・・」 後の言葉がでない
「全部ユニクロですけど、まぁ~、これくらいあればタエちゃんも安心かなぁ~って、昨日買って来ました^^」
「あ!すいませんでした。 支払いますので全部でお幾らですか?」 恐る恐る聞いてきた
「ユニクロは安いんで、全部で3万くらいかな」
「で、ですか。 払いますから」 財布に手をかけた
「いや、いいんです、代金は」
「え? だって3万円も」
「俺、前にタエちゃんから、飯、おごってもらってるんで、そのお返しです。 いいですから」 トランクを閉めるように合図をする
「そんなわけには・・・」
「だから、おごられたお礼ですから」
「申し訳、ないです」
「本当に気にしないで下さいよ。 わざわざ金沢から仕事を休んで来てるんですから」
「いや、事件は内の事ですから・・・」
「たまたま友達が、おかしな事件に巻き込まれただけですから、俺はタエちゃんを信じますよ!だから」 財布に軽く手を当てた
「・・・有り難うございます」

「おk~! じゃ、行こうか」
「はい」 彼が恐縮した
「じゃ~、昨日、渡してある住所まで頼むね」
「畏まりました。 では、中へどうぞ」 彼を先に車内へ入れた
「専務も、どうそ」 
 運転手へ軽くウインクをして運転席の後ろ側へ腰をおろした。

 北区、西が丘分所の留置場まで、後はメルセデスに任せた。 流石にいくら俺でも、これ程のユニクロ袋を持って電車へ乗る度胸は無かった・・・。






                       まじいなぁ~  ・・・ No18へ   








       はぁ~?

 引退覚悟で投げやりで引いたクジから 「はぁ~」 だと?
 運営に俺の卒業を見透かされてる気がしたw


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まじいなぁ~  ・・・ No16
- 2017/12/21(Thu) -
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「はい、池袋、東京弁護士会です」 ハッキリとした透き通る様な声だった

「初めてのご相談で電話をしたのですが」
「はい、どの様なご用件でしょうか?」
「実は、2~3日前、友人の女性が逮捕されまして、弁護士先生をお願いしたいのですが」
「もう逮捕されてる訳ですね」
「ええ、そうです」
「そうですか、実は、こちらの弁護士会では逮捕後の推薦や選任はやっていないんですよね」 優しかった
「では、どうしたらいいんでしょうか?」
「宜しければ、その様な場合は 当番 弁護士のいる上野、弁護士会館へご連絡をしてみては如何でしょうか」
「当番弁護士先生ですか」
「そうですね。 逮捕後ですとそちらの方が宜しいと思いますが」
「では、上野ですか?」
「はい、上野の弁護士会館がここからでしたら近いですね」
「連絡先の電話番号をお知らせ戴けませんか?」
「はい、宜しいですか?」
「どうぞ」
「03-3580-00**です」
「03の3580、00**ですね」
「そうです。 そちらへご相談下さいませ」
「有り難うございました」
「いいえ、どういたしまして」

カチャ

 受話器をフックに置いた。

 俺の知る限り、当番弁護士と言うのは定年のない弁護士業界で、爺たちが暇つぶしで、順番で事件を待っているイメージがあり、余りいい印象がない。 勿論、現役バリバリの弁護士ならどこかの事務所に所属しているのが当たり前だった。 この 当番 弁護士にお願いをして希望通りに事が進んだ事も聞いたことが無い。 肩書きだけのロートル爺の弁護士が多い。

 弁護士を依頼するタイミングは逮捕前が最適だ。 事情を話して、もし逮捕されたら弁護してもらう。 ここで言う「弁護」とは法廷ではなく、機動力を生かして、捜査中の警察署へ出向いて、現在までの捜査資料や状況を把握して、予想される逮捕後の容疑に備える事だ。
 一般的には、危なくなると、まずは知人、友人を通して紹介してもらった弁護士事務所を訪ねる。 そこで担当してもらう弁護士と相談する。 30分ほどで2万円位が相場だ。 その際に、その弁護士が引き受けてくれるとなると、おおよその総額を提示してくれる。 「ん~今回は30~50万円位かかりますよ」と教えてくれる。 
 で、次回の相談時に、着手金として10万円でも20万円でも支払う。 これで弁護してくれる事になる。 途中の経費や中間金なんてものは殆どの場合は必要としない。 残りは釈放されてから、再度、事務所を訪れてお礼と残金を支払う。 これが一般的だ。
 よって、弁護士もこの残金を取り損ねたり、分割にされるケースも多々あるのだ。 この、自分から逮捕前に、逮捕されそうなのでお願いしますと、言うのが「私撰(しせん)弁護士」と呼ばれる。 警察側が一番嫌がるパターンだ。

 もう一つ、国選(こくせん)弁護士がある。 これがいわゆる、当番弁護士=国選弁護しとなり、負担費用は無料で、国が弁護士へ支払う。 よって、最低限度の収入しか入らないので、弁護側のやる気が感じられない。 1件あたり国選は2~5万円の報酬なのだ。 だから、国選(当番)弁護士と言っても数件の事件を同時に裁いて稼ぎにしていく。 何のアドバイスや対抗もせずに、裁判の時にだけ顔を初めてだして、型取りの弁護で実刑を食らっても、1件終了で2~5万円を受け取れるからだ。 

 1番のベストは逮捕前に「なんか、逮捕されそうなんですが・・・」と紹介してもらった弁護士へ連絡を取る事で、次の2番目は・・・・無い。 国選弁護士で無事、不起訴になったり、簡易裁判で有罪だが、罰金刑で釈放された、などとは俺は聞いたことが無い。

 奥の手として、最悪、捕まってしまったら、1度、速攻でこの当番弁護士を警察での取り調べの最中に呼び込む。 相手の弁護士を見て、やる気があるか、信じてお願いできるかを見極める。 弁護士からのアドバイスで行けそうならば、その当番(国選)弁護士を「私撰」に変更するやり方もある。 当然、私撰に変更する訳なので金額は全額自分負担となるが、弁護士の動き方が多少は変わるので猶予の希望も湧いてくるのだ。

 当番(国選)と早めに面会して、ダメな爺弁護士なら、弁護を止めてもらう。 1度の話だけなら無料だし、時間も制限が無く弁護士とは相談ができる。


 今回のタエちゃんの場合は、逮捕済みである。 
 選択は、①当番弁護士に依頼して、1度切りの面談で、後の弁護はしてもらわない。
       ②当番弁護士に依頼して、国選待遇扱いから、実費覚悟での私撰待遇扱いに変更して、終始弁護を依頼する。
       ③裁判まで国選弁護士を付けないで取り調べを進める。


 俺の選択は、①だ。
 
 知り合いにも弁護士はいる。 最悪、会社の顧問弁護士のネットワークで最高の弁護士を付ける腹もあるからだ。 今、一番必要なことは「タエちゃんの置かれている状況」が知りたいのだ。 その状況が分かれば、対処は出来る。 だたし、罪名が大げさな罪名なので、本腰なら300万円~の覚悟もいる。

 まずは、タエちゃんと当番(国選)弁護士とを面会させて、タエちゃんが今、何を困っているのか?、何を心配しているのか?、罪名が適切なのか?が知りたいのだ。 逮捕後に罪名がころころ変わるケールも多々あるからだ。


 気は進まないが、取りあえず、上野にある弁護士会館へ電話してみる事にした。


「取りあえず、当番弁護士に連絡を入れて、タエちゃんの状況を見てきてもらいましょう」 彼に話しかけた
「ええ、宜しくお願いします」 もう言葉がでない

「ん~と、上野の弁護士会館は 03-3580-00** だよなっと」 メモをみながらプッシュボタンを押す

「はい、弁護士会館です」 おばちゃんの声だったw
「済みません、初めての電話で、ご相談なんですが、逮捕された友達に弁護士先生をお願いしたいのですが」
「はい、分かりました。 当番弁護士の先生がおりますので、ご連絡をこちらから取らせて戴きますね」
「はい、お願い致します」

「では、まず 逮捕された人のお名前を教えて下さいませんか」
「はい、ラッタナポーン・シープラジャン 、または、木下 ラッタナポーン と言うタイ人の女性です」
「そちら様はどなたでしょうか?」
「夫の代理人で、知人です」
「では、今、お電話をいただいています方の、お名前と、お電話番号をお知らせ下さいませ」
「はい、めめと言います。 連絡先電話番号は携帯で090-9312-9797です」
「めめ様ですね。 お電話は090-9312-9797ですね」
「はい、今、ここに逮捕されました奥さんの旦那さんもおりますが・・・」
「いえ、結構です。 タイ人の女性で いつ頃、逮捕されましたか?」
「一昨日か昨日だと思います。 昨日のTVのニュースで知りましたので」
「そうですか。 分かりました」
「どこで逮捕されたか、分かりますか?
「定かではありませんが、新宿のアパートで、錦糸町の本所警察が来たと聞いています」
「そうですか。 その女性の生年月日は分かりますか?」
「分かります。 1996年11月1日生まれで25歳です」 以前のビザ更新用紙を見ながら答えた

「繰り返しますね、ラッタナポーン・シープラジャン または、木下 ラッタナポーンさんで、1996年11月1日生、タイ人の女性。 逮捕は一昨日か昨日ですね。 新宿のアパートで錦糸町の本所警察署が逮捕したんですね」
「その様です」

「では、こちらから当番弁護士先生へご連絡をしてみてから、めめ様の携帯電話へご連絡しますので、1度、切ってこちらからの連絡をお待ち下さいませ」
「あ!言い忘れましたが、現在は錦糸町管轄の本所警察署では無く、女性拘留所の北区、西が丘分所にいる事までは分かっています」
「そうですか。 では出来るだけ早くご連絡を致しますので、少々、お待ち下さいませ」
「宜しく、お願い致します」

カチャ

 まぁ~上野と北区だとそんなに遠くも無いので、ハズレを引いての爺弁護士でも、行って帰って来る事くらいはできるだろう~と心の隅で思いながら、弁護士会館からの折り返しの連絡を待った。

 タエちゃんの旦那(木下)さんは完全に硬直状態でソファに座っていた。 イズが入れてくれたコーヒーに、一口も手をつけていないまま冷えてしまっている。
 メモ用にアメリカ製の黄色いレポートパットを取り、机からソファーへ座り直した。 ガラス越しにサチが聞き耳を立てている影が見えたので 「サチ~、コーヒーおかわり!」 と、大声で叫んでやった。 目の前の木下さんが、その声でようやく冷凍解凍された明太子の様にゆっくりと動き出した。




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まじいなぁ~  ・・・ No15
- 2017/12/18(Mon) -
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     マブ達of Hong Kong メナ     マブ達of Hong Kong ユミ                 娘^^

     どうもXmasが近づくと海外が気になってしまう・・・・                 娘、仕事選べよw おい!



 会議を終えて戻って来たイズに、会議をサボった文句を言われる前にコーヒーを頼み、金沢から上京したオヤジさんの手土産の博多通りもんが積み上がった古伊万里の皿をはさんで、話をきりだした。 
 サチが持って来たタブレットをテーブルの上に置き、ニュースで流れたタエちゃんの動画を再生する。 各TV局で報道された中で、動画は3種類。 内、あるチャンネルの報道では最後に逮捕されたタエちゃんがバッチリと映り込んでいた。 その動画を再生する。

「これ、チョット見て下さい」 テーブルの上のタブレットを、彼の方へ押し出した

 約30秒ほどのニュースだが、動画を覗き込んでいた彼の目が、驚きで大きく見開いた。

「え?え・・・うちのタエの顔まで、バッチリ映っているじゃないですか!」 確かな動揺を見せた

 車内の後部座席の真ん中で、両脇の女性警官に挟まれ、手錠の為か両腕を膝で抱え、うつむいているタエちゃんの顔が窓越しからのフラッシュで数回、照らし出された1コマが制止され、画面左上のテロップに名前と容疑が書き込まれていた。

「これ、アパートに踏み込まれて、朝7時に逮捕された時の様子なんですよ」 動揺を隠せない彼には気のどくだった
「・・・・・」
「タイ人の金融グループの女3人、日本人男1名、強盗致傷で逮捕と、報道されてますよね」
「何やってんだよ・・・あいつ・・・」 確かに困惑するしかない状況だった

テーブルのコーヒーに手を伸ばして言った。
「連絡も何も無かったんですね、警察から?」
「ええ、何も連絡はないですよ。 電話をもらって、初めて知りました」 タブレットに見入っていた
「ですかぁ・・・不思議ですね」 俺の知る範囲でも、珍しいケースだった

 ニュースを繰り返して再生しながら、彼が呟いた。
「容疑が 強盗致傷 って・・・・」
「強盗、強姦、放火には執行猶予がなくて、最低5年ですからね」
「そう聞いたことがあるけど・・・これ、ますいな」
「まぁ~容疑ですから、確定では無いんでしょうけど」
「・・・」

 いつも思うのだが、この垂れ流し報道には腹が立つ。 何、何、容疑で逮捕!と報道された後、無罪や起訴無し、猶予がなされてもその訂正ニュースなど無い。 その為に、1度でも大きな報道があるといつまでもネット上にも社会復帰時にも間違ったラベルが貼られたまま捨てられる事になる。 本人や家族にはとてつもなく社会的な制裁がなされる事になるのだった。

 タブレットのニュースに見入っていた彼(オヤジ)が姿勢を正して訪ねて着た。
「で、何を、どうしたらいいんでしょう・・・」 正した姿勢が、逆に痛々しくも見えた
 
 タエちゃんからは以前、彼とは名古屋で知り合って婚姻(偽装結婚)し、その後、金沢へ転勤し、最近までは、と、言うか、以前、ビザの更新を請け負う頃だったが、体調を崩しながらも仕事をしていると、聞いていた。 年に1度のビザの更新が煩(わずら)わしくて、東京からだと必ず名古屋を経由して金沢へ戻って行き、更新がなされるまでの間は金沢で働いていた。 ビザが更新されると東京へ出稼ぎに来ている状況だった。 数年前までの話であって、現在では東京から金沢へ一直線の新幹線が開通し、彼はそれで上京して来た。

「まずは弁護士を付けたいところだけど、心当たりは、ありますか?」
「いえ、まったく・・・」 即答だった
「ですかぁ」

「実は、昨日からタエちゃんの留置先の警察署を探していたんですよ」
「はい・・・」
「ここ、新宿から東側の街、錦糸町で捕まったとタエちゃんの友達から聞いたんですが、よくよく調べてみると、逮捕されたのは新宿のアパートで、錦糸町の警察が来て逮捕した事までは分かったんですよ」
「ですか・・・」
「で、錦糸町の管轄の警察や、あちこちの警察所へ電話を入れて探ってみると、女性専用の留置場にいるとことろまでやっと分かりました」
「済みません。 そんなにまで調べてもらったんですか・・・」
「女性だけの留置場は池袋の隣町でした」
「・・・」
「今日、これから行こうと思いますが、その前に弁護士を確保したいんですよね」
「今日、これから行けるんですか」
「ええ、大丈夫です。 場所は分かりましたので」
「ありがたいです」
「いえ、こちらとしてもタエちゃんの居場所が分からないと、何も出来ないものですから」
「有り難う御座います」 深々とテーブルに頭を下げた

「弁護士事務所も事前に調べて置きましたので、電話してみましょうか」
「是非、お願いします」
「ですよねぇ」

「池袋には 法テラス池袋 があるんでチット探ってみましょう」
「探る?」
「ええ、法テラスは弁護士が民事上の案件を指導してくれるんですけども、ワザと刑事事件を持ち込んで、池袋の周辺の弁護士を紹介してもらいましょう」
「?・・・」
「まぁ、任せてください^^」
「はい」
「ではっ」

 来客用のソファーテーブルから立ち上がり、机に座り直した。 受話器を手にして番号を押す。 法テラス池袋は東池袋の池袋センタービル6階に入っている。 簡単に言うと、池袋駅から北側、サンシャインビルからだと西側の高速道路下にあるビルだ。

「050-3383-53**っと」 受話器に神経を傾ける
「はい、法テラス 池袋ですが」 速攻で女性がでたw
「初めて電話する者なんですが、そちらでは刑事事件の相談も受け付けていますでしょうか?」
「いいえ、当方では受け付けていませんが」
「では、池袋近隣で、刑事事件を相談できる事務所を紹介して戴きたいのですが」
「刑事事件ですか?」
「はい。 逮捕された友人へ弁護士を付けたいのですが」
「当方ではそのような件に関しましては良く分かりかねますので、池袋の東京弁護士会へご相談をなさってください」
「有り難うございます。 連絡先の電話番号を知りたいのですが」
「少々、お待ち下さいませ」 ♩~♩~ 何でカーペンターズの曲なのかは謎w
「お待たせしました」
「はい」
「池袋、東京弁護士会の電話番号ですが 03-5979-28** ですので」
「済みません、メモりますので、もう1度、お願いします」
「はい、宜しいですか。 03-5979-28** です」
「有り難う御座いました。 そちらへ相談をしてみます」
「では、失礼します」
「有り難うございました」

 カチャ

 受話器を左耳に当てたまま、右指で電話機のフックを押して通話を切った。 そのまま、池袋の東京弁護士会へ電話をする。
「ん~と、03-5979-28**っと」 勢いで電話をかけるw
 ♩~♩~
「はい、池袋、東京弁護士会です」 予想しなかった可愛い声が帰って来た ♡






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まじいなぁ~  ・・・ No14
- 2017/12/17(Sun) -
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 禁煙のハズの部屋で、デュポンで火をつけたメンソールを吹かしていると、テーブルの上に置いていた携帯が歌い出した。
 ♩~
 木下さんからだった。 壁掛け時計に目をやると2時を少し前だった。

「新宿駅に着きました?」 バカラの灰皿に煙草を押しつけながら尋ねた
「ええ、今、南口に出ました」
「南口ですか・・・会社は西口なんですが、近いですからTAXIで都庁の向かい側の中央公園までと、伝えて下さい。 そこで待っていますから」 
「都庁の向かいの中央公園ですね、分かりました。 ではTAXIを拾って行きます」
「公園の入り口で立っていますから、直ぐに分かると思いますから」
「宜しくお願いします、では」
「お待ちしてます」

 多分10分もかからないだろう。 背広を着込み、部屋がタバコ臭い!と、いつもサチに言われるので、ミミに灰皿を渡して早足で部屋を出た。 1階のロビーフロアーで受け付け係を無視して外へ向かう。 出口のコンビニでタバコを一箱買い込み、火をつけて公園へ歩き出した。 目の前の赤信号を横目で、こちらへ向かうTAXIを探したみたが、見当たらない。 くわえ煙草でデニーズを通り過ぎ、ハイヤットリージェンシーと平行に公園の入り口を目指す。 陸橋の下を通り抜け、公園入り口のガードルに腰をかけてタバコを足元でもみ消した。

 ここならTAXIもUターンが出来る信号機がある。 彼が乗ったTAXIを見逃すこともないだろう。 正面にハイヤット、右手前が都庁なので、公園入り口までTAXIで来ると、ここの信号で必ず一時停止をする交差点だった。 空を眺めていると低い雲の間に数カ所の青空が見え隠れしていた。

 二本目のタバコに火をつけようと、うつむき加減で左手を右手のデュポンに被せると、いきなり大型の観光バスが目の前で停まった。 回送待ちの観光バスが停まりやがった。 このままでは彼の乗ったTAXIを探せないので、渋々と立ち上がって交差点が見渡せる場所まで移動した。 二本目のタバコを吸い終わり、公園入り口の信号機が青色に変わった時、オレンジ色のTAXIが交差点でUターンをしようとしていた。 客は男1人、彼だろうと、直感した。

 青信号でUターンをして観光バズの後ろで停まった。 TAXIの中で料金を支払い、軽い会釈をした彼が俺の方へと歩いてきた。

「めめさん・・ですか」 手土産の紙袋をぶらさげた長身で細身な彼がゆっくりと話しかけた
「ええ、めめです」
「わざわざ申し訳ありませんです」
「取りあえず、少し話しましょう。 会社が直ぐそこなんで行きましょう」
「有り難う御座います」

 長身で細身なおっさんだが、100%のカタギには見えなかった。 大工の棟梁(とうりょう)や現場監督の様な、仕切りや的な雰囲気が感じられた。 まぁ~、やんちゃなオヤジとでも言おうか、通常のサラリーマンあがりには感じられなかった。
 知り合いでもある拘留中のタエちゃんからの頼みで1度、在留ビザの書き換えの手続きをしてやったのだが、合うのは初めてだった。 勿論、彼は俺がビザの更新手続きをしてやった事など知らないだろうし、気にもとめないタイプの人間に見えた。

「今回の件は、警察から何も連絡が無かったんですか?」 歩きながら尋ねてみた
「全く、何も知らされてないんですよ」
「不思議ですね・・・。 普通なら真っ先に旦那さんの所へ連絡が入るハズなんですけどね」
「ええ、事件の事はめめさんから電話をもらうまで、全然知りませんでした」
「ですか・・・」
「ニュースでも新聞でも書かれれば、誰かからでも連絡でもあると思うんですがね・・金沢ではニュースにならなかったんですかね」
「ですね・・・。 ただ、東京のTVのニュースでは随分と流れてましたよ、昨日から」
「そうなんですか。 金沢では全く気が付きませんでした」

 5分ほど歩いて会社へ着いた。 早足なら2分で到着する距離だが、ワザとゆっくりと歩きながら会話をして、彼からの情報を聞いてみたのだった。

「会社って、ここですか?」
「ええ」
「外車屋さんですか?」 BMW(べー エム べー)のショールームを覗き込んだ
「いえ、1階は外車のショールームとファミリーレストランが入ってますが、会社は上の階です」
「へえ~」 緑色のビルをしげしげと見渡していた

「取りあえず、上に行きましょう」
「はい」 何屋だここは?と言う表情でビルをまだ見上げていた

会社のロビーへ入ると左側奥の受付嬢が2人、立ち上がって頭をさげた。 だから・・・恥ずかしいから止めろと、社長へは何度も伝えていた。 彼の細い目が丸くなって驚いた。 右手を軽くあげて「とっとと会釈は止めろ」と2人の受付嬢へ合図をした。

「ここ会社って、めめさん、社長さんじゃないですよね」 身をよじって聞いてきた
「あ~違いますよ。 たまたま受付の娘の友達なんで、挨拶してくれたんですよ」
「そ~ですか・・・」

 立って会釈をしたままの受付を無視してエレベーターホールへ向かった。 エレベーターを待つ間も彼は、ロビーを珍しそうにあちらこちら見ていた。 エレベーターが到着して4~5人ほど降りてきたが、運良く、内の会社の社員ではなかった。
 
 26階を押す。 ロビーフロアーのエレベーターは低層階用に4機、高層階用に4機、非常用に1機と数だけでもかなり多い。 エレベーターホールを中央に、左右のフロアーに分かれていて、片側のフロアーは約155坪、510㎡ほどある広さだ。 まぁ~金沢から出てきたおっさんなら、驚く広さなのかも知れないが・・・。 

 26階でエレベーターが開いた。 途中2度ほど途中階に駐まったが、挨拶をされた社員には悪いが無視をして、考え事をしているふりをしていた。 背広だらけのオフィスで、彼だけが気楽な服装で、かなり浮いていたのは確かだった。

 真っ直ぐに奥の海外事業部へ向かう。 すれ違う社員も、挨拶をしてくる社員も、全員無視して事業部へ向かった。 一番奥の海外事業部へたどり着き、ドアを開けようとしたその時、背中から大声で叫ばれた。

「専務!どこ行ってたのよ!もぉ~」 イズだった

 会議をぶん投げて、イズに丸投げをして外出していたので、イズから大声を出されるのもしょうがない事だが、俺は慣れっこでも、金沢からのオヤジは場慣れしていない事もあり、かなりビビッて硬直してしまった。 タイミングが悪すぎた。

「いやぁ~ごめんごめん、急用があったんでつい美人なイズに任せきりになってしまったかなぁ~」
「専務!ごめんじゃ済まされないんだからね!大変だったんだから、もう!」
「あ!取りあえず、コーヒー頼むわ2つ。 俺はブラックで、お客さんへは黒砂糖とミルクで」
「え?キャ~ お客様?」
「うん、こちらが金沢からのお客様なんよ」
「木下です」 ペコリと頭を下げた

「イヤ~、専務 もう~ 恥ずかしい」 イズの顔が真っ赤になった 可愛い
「じゃ、頼むわ コーヒー2個ね」
「ハ、ハイ・・・」

「どうぞ、騒がしい所ですけど」 笑
「はい 失礼します あ! これ 手土産のつもりで持って来ましたんで どうぞ」 イズへ手渡した
「わざわざご丁寧に、有り難う御座います。 直ぐにコーヒーをお持ち致しますので」 さっきとは態度が違いすぎだろ~お前w

「どぞどそ、こちらへ。 3匹ほど喧しいのがいますが・・・奥で話しましょう」
「あ・・有り難う御座います」 

 3匹の顔をしげしげと見渡しながら、長身の彼が小さくなって部屋へ入っていった。 右サイドにはサチ、左さいどはミミがいた。 運悪く、3匹とも揃っていた。

 奥の自室のソファーへ促して、ドアを閉めてから、G.アルマーニの上着をハンガーへ掛けた。
 内線でサチを呼び出し、「駐車場へ連絡して、3時には車を使う予定だから、宜しく言っておいてくれ」と指示をした。 併せて、「サチ、例のニュース見たいから、タブレットをこっちへ持って来てくれ」とも言い重ねた。

 身内の逮捕映像を見る事になるとは、相当ショックだろうが、事実は事実として受け止めなくては先に進めないし、対策も取れないと思い、サチにタブレットを届けさせたのだ。

 イズがコーヒーと彼が手土産に持って来た黄色の箱菓子、博多通りもん饅頭をテーブルへ持って来た。 実は偶然にもこの手土産の博多通りもんと信玄餅は俺の大好物なのだった^^。


「なんか・・・凄い処ですね、めめさんの会社・・・。 美人な女性ばかりで・・・」
「あ~確かに、よく言われますよ、皆さんから」 笑
「でも、あの三匹は秘書なんですよ、3匹とも」 笑
「え?秘書ってなんですか?」

「いや~俺1人だと仕事が出来ないんで、3匹に助けてもらってる訳です」
「へ~」
「かっこ悪い話です」 笑

「専務さんとか さっき 呼ばれてましたけど・・・」
「え?そ~でしたか? 自分で肩書きは良く分からないんで 気にしないで下さい」
「で・・でも、専務の次は社長か常務ですよね・・・」
「あ~社長の器じゃないんで、来年、早めに退職するつもりでいます ヨ」 
「え? 退職?」
「そです」
「・・・もったいない、と言うか、東京の事は良く分かりませんね・・・」
「人に使われるのが嫌なんで、もう、そろそろ隠居ですわぁ~」 笑
「凄いですね・・・」
「それよりも、金沢から来たのに、なんで博多饅頭を?」
「たまたま東京駅でイベントしてましたので目につきまして・・・」
「ですかぁ~。誰かに俺の好物、聞いたのかと思いましたよ」 笑

「どうぞ、イズが美味しいコーヒーを入れてくれたんで、冷めないうちにどうぞ」
「いただきます。有り難う御座います」

 相手が何者であっても今回は彼を助けるのでは無く、知人のタエちゃんを助ける気構えでいた。 目の前のおっさんを助けるのでは無く、あくまでもミッションはタエちゃんの救出なのだ。






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                                                              izuizu
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まじいなぁ~  ・・・ No13
- 2017/12/16(Sat) -
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  イズ   へたくそw   こんなヤツです   たまに美人にも変身する・・・


   


 プリンを食い終え、空のプラケースとスプーンをエレベーターホール脇のゴミ箱へ放り込む。 その足で、会社の地下駐車へ向かった。 色々と考えてみると女性拘置所のある板橋本町へは新宿から電車を乗り継いで行くよりも、車で行った方が何かと便利だと思った。 池袋まで出て、都営三田線やJR埼京線を使うよりも車が楽だ。 と、言うよりも、昨日ユニクロで買い込んだ差し入れ品が多すぎて、電車では格好が悪すぎると今頃になって気が付いたのだった。 

 エレベーターを1度、1階ロビーで降りてから、地下駐車場専用の隣のエレベーターへ乗り込み、管理室へ向かった。 会長や社長が急用で車を使う事を前提に、2名の運転手が常時スタンバッているシフトになっている。 管理室のガラス越しに一人が俺を見て、軽く会釈をして笑顔を見せた。

「昨日預けた荷物、あるかな?」
「はい、二袋、預かっています」
「有り難う。 今日これから池袋の先に行きたいんだけど、運転、頼めるかな?」
「これからですか?」
「ああ、多分3時前後になると思うんだが・・・」
「ですか・・ちょっとまってくださいね。 スケジュールを見て見ますね」
 窓越しに事務デスクの上のスケジュール表を指でなぞっていく。
「ええ、大丈夫ですね。 会長も社長も外出予定が今のところ入っていませんから」
「そか・・じゃ、俺の予約を午後3時からで入れておいてくれ」
「畏まりました。 で、 どちらまで行きますか?」
「俺ともう一人、二人で池袋の先の十条駅近くまで行きたいんだ」
「分かりました。 十条駅ですね」
「ああ、正確には警視庁の女子拘留所のある西が丘って所なんだけど、頼むわぁ」
「え?拘置所ですか?」
「うん、正確にはここに行きたいんだよ」 内ポケットから拘留所のコピーの切れ端を渡した
「・・・・・」

 メモの所在地と行き先名を見てからゆっくりと顔を上げて、俺の顔を見た。 
「分かりました。 では、調べておきますので」 怪訝そうな顔で答えた
「頼むわぁ~、じゃ、後ほど」
「はい」
「あ!預けてある荷物、一緒に持って行くから、忘れないでくれよな」
「あの二袋ですね」 机の脇の荷物袋を指さした
「そそ、その荷物、頼むよ」
「はい、承知致しました」
「で、車は? 何がある?」
「メルセデスとセンチュリーですけど・・・」
「OK,メルセデスで行こう」
「はい、では、手配しておきます」
「じゃ、また、後で」 背を向けて、片手を振ってエレベーターへ歩き出した。

海外事業部へ戻るとまだイズが戻っていなかった。 会議が長引いてる証拠だ。 今から上の会議室へ戻っても気が乗らないのでそのまま自室のドアへ向かった。 さっきまで俺の部屋でプリン女子会をしていたサチとミミは白々しくパソコンへ向かって仕事をしている振りをしながら、さっきの件で、俺から文句でも言われないかと目をキョロキョロさせていた。
 秘書達3匹には俺が不在の時は自由に部屋で休んで良いとは言っておいてある。 そのせいで、たまにコレクションをしている高級な抹茶碗や花生けが壊されていた事もあるが、別に気にもしていない。 彼女達の能力の方が、俺には高級アンティークな美術品よりも大切なのだから。

 綺麗に片づけられていたガラステーブルの上に携帯を置いた。 ソファーにもたれて拘留中のタエちゃんの旦那、木下さんからの連絡待ちだった。 連絡が入れば新宿駅からTAXIで会社へ来てもらい、少し彼と話したかった。 勿論、弁護士の件もどうするかを相談する必要がある。

 弁護士は機動力が最重要なのだ。 小まめに面会をしてもらったり、状況を伝えてもらったり、何よりも安心して任せられる弁護士が必要だ。 1番のお勧めは検事上がりの弁護士だった。 高値にはなるが、検事を経験した弁護士はやはり顔が利く。 相手の検事や裁判官とも顔見知りなので融通が利くのだ。 

 

 余り知られていないのだが、ここで裁判について少し話しておこう。 TVドラマの様な裁判などあり得ないからだ。 

 
 その前に、検事について触れておこう。 検事には正検事と副検事がある。 司法試験に合格をして正検事になるわけだが、その正検事の事務官を10年間務めて、簡単な面接と試験に合格すれば事務官から副検事として正検事と同じ仕事が出来るのである。 前提は国家一般職試験に合格する事が必要だが、TVのヒーローのキムタクの様に、中卒でも国家一般職試験に合格すれば事務官となり、10年の事務勤務で(副)検事となることが出来のである。 
 つまり、司法試験をパスしなくても、楽な国家一般職試験に合格すれば事務次官職を得て、検事になれるのだ。 

 裁判官も同様に、裁判所一般職試験に合格すれば事務職から裁判官になれる。 弁護士は副検事3年以上の経験と、検察官特別考試で特認検事となり、特認検事5年以上で弁護士になれるのである。

 何が言いたいのかというと、難解な司法試験をパスしなくても裁判官や弁護士、検事になれる裏道があると言う事なのだ。

 よって、犯罪者達は自分を担当する検事や裁判官が「正」なのか「副」なのかで取り調べ態度をガラリと変えてしまうのだw。
「副」検事にあたれば量刑を軽くしてもらえると思われ、「正」検事にあたれば実刑は免れない、と諦めるのである。


 で、裁判の話だが、法廷でTVの様な質問ややり取りは殆ど無い!事が事実なのだ。 あんな面倒くさい質疑応答をしていては時間がいくらあっても終わらない。 で、実は・・・裁判の前から裁判官、弁護士、検事が連絡を取り合っておおよその「刑の落としどころ」を事前に調整しているのである。 この三者の裏打ち合わせが、刑罰の量刑を決めているのが現実なのだ。

 だから、機動力の良い検事あがりの弁護士(弁護士には定年がない)になると、相手の検事局事務所を訪ねて、話し合ってくれる訳で、そんな時、相手が副検事なんかだと効果覿面だし、その後、裁判官へも「相手側の検事との話(落としどころ)が付いていますから、この度は猶予してください、とか、「起訴猶予予定らしいので、この度の件はチャラで」と、裁判さえも行わずに簡易で罰金や起訴猶予で釈放させてくれるのである。


「いや~、00弁護士さん、今回の事件なんですが、加害者の めめw も反省してますし、彼、前歴から10年経ってませんので、このまま起訴されてしまうと実刑が確定なんですよ。 そうすると家族や子供も悲しむし、会社へも迷惑が掛かりますので、なんとか今回は許してやってくださいませんか・・・。 私からも良く言い聞かせて、二度と悪さをさせないように改心させますから・・・・。 今回は私の顔をたてて起訴猶予か罰金でお願いしますよ」


 これが事実である。 よって、老いぼれ弁護士などが付けば、全く動かないので、実刑は免れなくなる。 一般的には覚醒剤や窃盗は1度目は執行猶予、2度目は1年半の実刑、3度目は2年の実刑なのだが、老いぼれ弁護士だと、裁判官の心証をも悪くして執行猶予が実刑に化ける事もあるのが事実である。

 だからこそ、逮捕後の21日以内に示談を取ったり、相手の検察官よりも弁護士が顔が利くと、執行猶予が強くなるのである。

 ついでに、
 起訴されすに、弁護士と検事とで話合いで罰金刑に確定したとすると、誰が払うのか? 本人? いや、本人は30万も50万も持って捕まるはずも無い。  弁護士が立て替える? あり得ない。 弁護士も結構、取りはぐれがある。 そこで、弁護士が家族に2~3日前に電話をして「罰金30万で手を打ちましたから(話をまとめましたから)、明後日の釈放の日までお金の準備をおねがいします。 払えなければ、刑務所で1日1万円程の作業で返すことになりますのが・・」と、事前に家族に話を伝えてあるから、釈放時に罰金を家族から受け取って、弁護士が納付して、身柄の釈放となる訳なのである。

(アメリカや海外では、この保釈金を貸し出しや一時立て替え会社があり、映画のように、保釈された後にトンズラ逃亡して賞金稼ぎに追われる、と言う実際の話はあるが、日本ではそんな商売はあり得ない)


 実際の裁判など、簡単なモノである。 日本のスタートしたばかりの陪審員制度など、お飾りの「ひな壇」にしかならない。 あくまでもアメリカと違って参考程度のモノで、裁判官、検察官、弁護士の3者会談ですでに答えが出ているからだ。

 
 この事柄を踏まえると、いかに有能な弁護士を付けるかが鍵になるのだ・・・・。






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まじいなぁ~  ・・・ No12
- 2017/11/16(Thu) -
 「専務・・・せんむ・・・せ、ん、む」 左脇を誰かにボールペンで突つかれた気がして我に返った
 「ん?」
 「ん?じゃなくて、来月からのマレーシアでの展開に関して、見越し計上利益の概要を説明してって社長からのご指名よ」
 「え?」 会議中だった事をすっかり忘れて、例の事件の事やこれからの面会の事を考えていて俺には何も聞こえなかった
 「ここから読んで」 イズがこっそりと資料ファイルにマーカーでラインを引いていてくれていた

 会議など殆ど参加もせずに外出してしまい雲隠れするのだが、今日は運が悪く、社内で連絡を待っていて自室でマッタリしていたところに午後13時からの会議がはいっていた。 イズは議事録係で俺に同伴して一緒に会議に顔を出している。

 なぜに専務が会議をサボれるのか?不思議に思うかもしれないが、俺の海外事業部は他の営業部署とは異なり売り上げの目標などという数字は存在しないのだ。 セールスをして売り上げ、利益を上げる部署とは違って、海外や国内の企業から「こんな製品を探しています」とか、「この新商品を海外で売りたいのですが」という、企業と企業を結びつけて、そこで生まれた利益を分けてもらうシステムの部署なので、探す「品物」や結びつける「企業」が無ければ利益などは計上されない部署なのだ。 
 よって、営業数値を重視する会議など俺には関係の無い会議で、まぁ~、厳格に言えば、専務という立ち位置からのひな壇に飾られているだけの会議なのだ。

「専務、早く、ここから読んで」 イズがせかしてくる
 椅子に腰をかけたままでゆっくりとイズがマークしてくれている箇所だけを読み進める。 会議資料に書かれてる事を小学生の様に単語をかみ砕き、ゆっくりと読み続ける。 2ページ目の半分ほどを読み進めて面倒くさくなってしまった。 こんな資料の読み合わせ会議など参加する意義など感じない俺には拷問なのだ。 で、後はイズに任せる事にした。

「これ以上の来期の計上利益の詳しい説明は、第2秘書のイズからご説明させて戴きますので・・」 先はイズへ丸投げしたw
 豆鉄砲を食らった鳩のように大きな目玉で驚いたイズだが、彼女は賢い娘なので俺の続きを読み始めた。

 中国が日本の技術を身に付け、品質もそこそこ向上し、今や生産工場は中国、ベトナム、マレーシアへ移りはじめている。 なかでもマレーシアは企業税に関してはタックス・ヘブン(天国)なので拠点をマレーシアへ移す企業も世界中から集まって来ている。 投資額でも世界第1位である。
 まぁ~俺には興味もない国なのだが・・・。

 イズが6ページ程の資料を読み終わり、大きく深呼吸をして右を振り向き俺の顔をみた。 「専務、ただじゃ許さないからね!」という目をしていた。 怖いわぁ ><

「イズ、有り難う~ 今日の会議スーツも素敵だよ^^」 お世辞を言ってみても効果はなさそうだった・・
 マレーシアへ総務部の一部を移すメリットをイズが説明し始めた。 と、その時、背広の内ポケットで携帯のバイブレーターが踊り始めた。 内ポケットへ手を入れ、名前を確認すると「木下」と表記されていた。 彼だ。

 携帯をそのまま取らずに1度切り、手に持って社長へ「ちょっと電話をしてきます」とサインを送って会議室を足早で出てドアを閉めた。

 エレベーターホールの吹き抜けまで足早で歩きながらリダイアルのボタンを押した。 ♩~♩~
「はい 木下です」 彼がすぐでた
「すみません、会議中でしたのでかけ直しました」
「会議中ですか、申し訳ありません」
「いえいえ、気にしないで下さい。 で、 今、どこですか?
「今、上野駅に着きました。 これから新宿へ向かいますが・・・」
「上野? じゃ、新宿じゃなくて池袋駅で落ち合いましょうか?」 あ!話してしまってから後悔した 荷物が下に山ほど有った
「池袋ですか?」
「ええ、新宿から向かうのも、上野から向かうのにも同じくらいですからね時間。 新宿まで来てまた池袋へ向かうと時間も掛かりますし・・・」
「・・・・・」
「あ~そっかぁ~・・・・面会の前に少し打ち合わせもしたいし、今後の事もゆっくり話したいですよね・・・・では新宿でお待ちしています。 新宿駅に着いたらTAXIで都庁の向かい側の中央公園でTAXAIをおりて連絡して下さい。 直ぐ近くですので会社」
「分かりました。 では新宿へ行きますので 宜しくお願いします」
「では、連絡をお待ちしています」
「それでは」
「秋葉原からですと20分ほどで新宿へ着きますので」
「有り難うございます、では」
「では、お待ちしています」

 ポチッ

 午後1時30分を少し回っていた。

 このまま会議に戻る気分では無い。 会議はイズに任せて自室へ戻ることにした。 エレベーターの↓ボタンを押して昇ってくるエレベーターを待った。 会議室の1階下が俺の部署だ。 大会議室は会長室、社長室、視聴覚室と同じ最上階のフロアーにある。 

 海外事業部へ戻ると誰もいなかった。 ん? サチは? ミミは? まぁ~いいかぁ~と、自室のドアを開くとサチとミミの2人が俺の部屋でプリンを食っていた。 w 会議中とばかり思っていた俺が急に帰って来たんで2人とも目が飛び出して驚いた。

「オ~マィ~ガァ」 ミミが叫んだ
「><・・・・」 さちは声が出ない

 別に驚くことでは無い。 俺の会議中にイタリアン高級ソファ~でマッタリとリラックスしてプリン試食タイムを開催しでテーブルに7個のプリンが乗っかっていた。 テーブルの上から1個、プッチンプリンとプラスチックスプーンを取って部屋を出た。 エレベーターホール脇の吹き抜けに背を預けてプリンを食ってみた。 ここ、新宿へ向かっている彼の気持ちを考えるとプリンの味は良く分からなかった。
 
 吹き抜けのホールから見える中央公園の樹々は優しく揺れていた。







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                                                          最近 ハマってます w






                               Akechi.jpg
                                うおぉ~~ 33-56鯖


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まじいなぁ~  ・・・ No11 再開
- 2017/11/05(Sun) -
 PCを開く度に心が痛いので更新を決意した。

 再開しよう~

 会社でマッタリしていると、いきなり背広の内ポケットに入れていた携帯が♩~歌い出した。 登録もない見たことの無い携帯Noからの呼び出しだった。 ポチッと受けてみると若い女の子の声で助けを求められてしまった。 知らない男からのTELならばためらいも無く切るのだったが、女の子からだと一応は話を聞いてしまう悪癖がある俺である。

 話の内容は、知り合いの女の子が錦糸町で逮捕されてTVにまで映像が流れてしまったのだが、どうにか助け出して欲しいとの事だった。 詳しく話を聞くために歌舞伎町のキャバクラまで出向き、詳しく話をきくと、店でバイトしていた娘が逮捕されてしまったらしかった。 無許可で金貸しをしていた友人と取り立てに行って、事がもつれ、取り立てグループの1人として逮捕された様子だった。 

 まぁ~逮捕されたら俺の出番はない。 いくら俺でも警察や検事を相手にひともんちゃくを起こして自分まで逮捕されてはアホ以外のなにものでもない。 ただ、困ったことに、その逮捕された女の子=娘が俺の顔見知りだったのだ。 しかも、彼女の在留ビザの更新をしてやった経緯もあった。 

 で、在留ビザの更新時の記録を調べて見ると、旦那さんが金沢にいる事を思い出し、夫へ警察から何らかの連絡がないか確かめみると、まったく逮捕の連絡させも知らされていなかった。 俺から彼女の逮捕を知らされ、あわてて新宿まででてくる事になり、取りあえずは2人で面会に行く事にしたのだった。

 ただし、面会と行っても、逮捕は錦糸町警察=本所警察まではわかったのだが、通常と違って拘留先が女性専用の拘留施設であることが解り、居場所を探し出すまでに半日を要して調べまくって、やっと彼女の居場所が分かった。 

 旦那が来るまでに1日余裕があったたので、気を利かせたつもりで差し入れ品を数点購入して、明日、金沢からやってくる旦那からの連絡待ちである・・・・・。

        (詳しい内容はNo1~10まで1年くらい前までさかのぼって読み返して下さいませw)

 ここまでが大まかなNo10までの話だったハズである。
 新宿のユニクロで可愛い店員さんに出会った事までは今でも記憶に残っている。 美人が絡むと忘れない事が特技でもある。 w


 *****                   11月10日 記~

 
 昼に会社へ出社して、部屋で3人掛けソファーに深く腰を落として肘をかけ、窓から新宿中央公園の木々を眺めながら、今後の段取りを早送りで頭の中で考えていた。  
  
 昨日、ユニクロで購入した両腕に大量の女性下着とパジャマ類は、地下駐車場への入り口脇の警備員室で彼らに頼み込んで密かに置かせてもらっていた。 間違っても事業部へ持ち込むものならば、ヤツラ・・3匹の秘書達の誰かにでも見つかれば、ものの数分で会社中の各部署に「専務が女性下着を大量に買いあさっている」wとか、「実は専務は女装の趣味がある」wとか、あげくの果てには「専務は会社で女性下着に着替えている」wとか、死んでも死にきれない程の恥ずかしいアホな噂が流れる事になるだろう。・・・Orz この手の発信源となり得る、誠に恐ろしい秘書達に囲まれていた。

 「コンコン、専務、何か飲む?」 いきなり部屋のドアが開いてサチが顔を出した
 「あ・・・あのなぁ~ コンコンじゃなくて、ドアをノックしてからドアを開けろよなぁ~ おい」
 「コンコンって言ったでしょう^^」
 「だからノックしろやぁ~ キツネかぁ お前は!」
 「専務! では、問題です! 私は赤いきつねでしょうか? 緑のきつねでしょう~か?^^」
 「・・・・・」  
 「ねぇ~ どっちよ?」
 「・・・・・・・」
 「ブッ ブッ~ 時間切れです! 私はキツネうどんは 嫌いで~す^^」
 「・・・・・・・・・・」
 「ねぇ~ 何か言ってよ~」
 「・・・・・・・・・・・・・・」
 「ねぇ~ 専務ってばぁ~」
 「おまえ 首!」
 「え?」
 「え? じゃ ねえよ・・・ 首」
 「ん?」
 「ん? じゃ ねぇから 今から第一秘書 首なぁ おまえ」
 「首ってことは・・・くび?」
 「です」
 「せ・・せっっむ・・・ ヤだぁ~ くび ヤだぁ~」
 「イズ~~~~~~~~ 専務が虐めるぅ~~~~~~」 ドアを閉めて行けや おぃ~

 コーヒー1杯のオーダーも、まともに取れないアホな第一秘書なのでした  むぅ~ w

 今日はアホな秘書と遊んでいる心の余裕など無いのである。 金沢から東京へ向かっている彼からの連絡を待っていた。 
 彼が来る前に気を利かせて弁護士へ連絡を取るべきか・・・、彼が来てから弁護士へ連絡するか・・・、会社の顧問弁護士だと都合が悪い。 余計な事件に首を突っ込んでいる事が社長へバレる恐れがある。 では、どこの弁護士に相談の連絡をとるべきか・・・。 池袋の法テラスか? いや、法テラスは民事には強いが刑事訴訟はダメだ。 となれば同じ池袋にある東京弁護士会か北区に近い上野の弁護士会館か、もしくは俺の知り合いのお茶の水の弁護士かの三択しかない。

 取りあえず、彼の上京を待つしかなかった。

 昼の出社前に、新宿警察署に寄って知り合いの巡査部長に頼んで北区の西が丘、女性拘留所の正式な住所と電話番号を調べてメモをもらって来ていた。 そのメモを手にながめながら新宿からの電車ルートを考えていた。


                                             西が丘分室



      * 巡査→(巡査長)→巡査部長→警部補→警部→警視→警視正「署長」→警視長→警視監→警視総監
               ↓
              正式な階級ではなく、巡査部長になれない永年の巡査の位 






                             まじいなぁ~  ・・・ No12へ






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まじいなぁ~  ・・・ No10
- 2016/11/14(Mon) -
 Firefox で書いてます   
              (ブラウザーが違うと 文字の形や間隔が崩れて見づらくなる事があります)


 半年前から体調不良が始まり
 最近、右目の黄斑部と言う所が厚くなり、画像が大きく見える様になってしまいました ><
 で、細かい作業が超~~~~メンドクなって集中力もなくなりましたw
 お陰で、左目に負担がかかり、左目も疲れやすく、悪循環で参っています
 
 5年のIXA生活で体のあちこちがブチ壊れ始めていますw
 それでも17鯖刷新、卒業しようかと思いましたが、仲間から励まされ築城を決めました
 
 11月15日 相馬家 北西へ築城します

 マジ、IXAは体も頭も生活も破壊します
 ご注意をw



                           all7.jpg

                危うく騙されてインターネットカジノへ足を踏み入れるところだったわぁ
     
              簡単に勝てるけど金額が微々たる金額w 1000円稼ぐのに1日かかるわぁ   ケッ



 ***** まじいなぁ~  ・・・ No9から


 あちこちの留置所へ電話をかけまくり、タエちゃん=ラッタナポーン・シープラジャンの居場所は分かった。 日本人と結婚をしているのだから正式には木下ラッタナポーンなのだが、彼女たちは適当に名前を使い分けるので注意が必要だ。
 明日、金沢から旦那さんが新宿まで出向くとの事なので、事情を再確認して、その足で北区にある西が丘の女性専用留置所まで面会に行く際の、差し入れ品の支度を先に済ましておきたかった。
 差し入れと言っても、部屋着のジャージ、下着、現金くらいだ。 デパートの女性下着売り場をウロウロはしたくはない。 簡単に買い物を済ますのはビトンやブルガリ、ユニクロがある新宿駅西口が便利そうなの出かけることにした。 

 正面側のソファーにぶん投げていた背広を掴み、立ち上がって、こっそりと部屋のドアを静かに2cmほど開いて、向こうの部屋の様子を息を止めて伺って見る・・。 サチがPCに向かって何かのデーダーを打ち込んでいる背中が見える。 こっそり部屋を出たらこいつには気づかれないカモしれない・・。 イズは奥の机に資料を広げて自分の手元の資料と見比べていた。 資料に釘付けなのだが、最悪、目と目がカチ合う危険性がある・・。 ミミは・・見えない。 いないのか? チャンスかも。 恐る恐る部屋のドアを開いていく。 5cm、10cm、30cm・・・隙間から速攻で部屋を出て背中でドアを静かに閉める。 カチッ。 誰も気が付いていない。 あと5歩で部屋を出れる。 よし行くぞ~。 吉幾三? 

 ♩~♩~♩ 内線の電話が歌い出した。 何故にこのタイミングで内線が入るのかぁ。 クソッ。 イズが目の前の受話器に手を伸ばしそのまま無言でこちらを見た。 目と目が合った。 自分の部屋から出てドアを背に立ちんぼをしている俺と目と目が合ってしまった。 

 「 はい、海外事業部で~す 」 イズが視線をを合わせたまま電話にでた
 「 は~い、専務ですか? いますよ~ 目の前に凍ったまま立ってま~す 」 おいっ >< サチも振り向いた バレた
 「 は~い、ちょっとマってね 」 
 「 専務、アヤちゃんがね、社長が今、上に来て欲しいそうなんですけど・・・ どうするの? 」 イズの目がワニ目だったw
  「 ・・・俺が話す 」 イズの顔の正面で電話を受け取った
  「 あ、もしも~し、アヤちゃん、専務は忙しいので社長に急用なら新宿駅の西口、ユニクロへ来てくれって伝えて、じゃね 」
 ガチャ
 「 じゃぁなぁ! 俺、忙しいから 」 サチとイズに手を振って部屋を出た 

  「 専務!ユニクロって何よ? 」 背中でサチの声がしたが聞こえない振りで事業部のドアを閉めた

 エレベーターを待っていると開いたドアからミミの顔が見えた。 ん? 沢山のハーゲンダッツが入ったコンビニ袋をぶら下げていた。 10個以上はある。 こいつら、俺に隠れて新商品や期間限定品を楽しんでいたのか? 

 「ハ~イ ハニィ~ CU~」 (CU = SeeYou = またねぇ~)ってw 軽すぎるが、あの笑顔には勝てない俺がいたw

 エレベーターホールを出て、受付の娘達の視線を背中に感じながら、気を取り直して歩き出し、ヒルトン東京前でTAXに乗り込んでから大ガート脇で車を降りた。

        ユニクロ西新宿

 ここと、近くにの高島屋にもう1件、駅向こうにビックカメラとコラボしたビックロにももう1件、計3件のユニクロの店舗がある事は知っていた。 行きつけのブルガリやビトン、フェラガモとかも隣の小田急デパートに入っているので歩き回ってはいたが、ここのユニクロでの買い物は初めてだった。
 女性のコーナーへ一直線に凸ってアンダーウェアーのコーナーで立ち止まった。 な・・なんだ?ボディーシェイバーとかブラトッツプとか・・8分袖、半袖、長袖とか・・品数が多い。 クルーネックとUネック・・どこが違う? 
 サイズもあやふやだったが、UネックのMサイズなら当たり外れはないだろうとインナーとレンギスを3枚ずつ+靴下5枚手を手に取った。 アンダーウェアーコーナーの裏からふんわり部屋着フリーズセットを3枚を追加して両腕で抱えながらレジへ向かった。 パンツ、シャツ、靴下、ジャージ上下・・・男の言葉に変換しながら何か物足りな気がして立ち止まった。 
 ん?へ?え~?パンツ・・・ショーツどこだ。 ブラジャ~はどこだw。
 ジャージ上下の入った袋が結構大きくてかさばり、両腕で抱きしめている格好でパンツ売り場を探した。 すれ違う女性達の横目が妙に冷ややかで痛かったw。 
 ショーツ売り場の棚を見つけた・・ってか、ブラとショーツだけの金髪美人が微笑む大ポスターの真ん前た。 こ・・この金髪美人ポスター・・・マジ欲しいw。 特にメッシュ・ショーツはすけすけパンツだし、ダンカと呼ばれるパンツはTバックだ! 
 うぁぁ~~目の保養になるポスターだなぁ。 いっぱい買うからこのポスターくれないかなぁ? 金髪美人、ツボすぎるわぁ。

 しかし、種類が多すぎる。 ブラも種類が多くショーツとの組み合わせが多すぎて訳が分からないw。 しくったw。 普通にパンツとブラが欲しかっただけなのだがユニクロは種類が多すぎる。 男ならビキニとボクサータイプの2種類くらいのパンツだが、女性物は上も下もバリエーションが多すぎて組み合わせが無限大に近い。 ショーツ、ビキニ、ボクサー、シームレス・・etc適当に無地のショーツとブラを組み合わせ5組を足元に置いた。 昼過ぎの新宿のど真ん中で、女性物の下着やウェアーをこれ程買いあさるのはいくら俺でも人目が気になって動けないw。 てか、ランジェリーの棚から微動だにしない姿で眺めている俺の姿はきっと周りの女性達には変態さん以外の何物でもなく写っている事だろう・・・。 まずいことに一抱えではレジまで持ち込めない数量になってしまった。

 背中を通り過ぎる女性達の目が棚の下に置かれた大量の袋と俺の顔を2度、3度と見比べている。 せめてこのセクシーポスターの前から動かなければこれ以上は彼女たちの無言の変態視線に俺が負けてしまいそうだった。

 「 よろしかったら、こちらをど~ぞ 」 右の耳元で誰かが囁いた。 振り向くと乃木坂46の中元 日芽香(なかもと ひめか)にそっくりな娘(こ)が微笑みながら大きめのレジカゴを足元に置いてくれた。 へ?「中元 ひめか・・」 思わず口にでた。
 「 え?え? 違いますよ^^ 」 笑いながら口元を右手で隠した。 可愛い。
  「 ここでバイトしてるのかと思ったよ^^ 」 軽く返してみた。
 「 違いますよ^^ どうぞ これ 」 カゴを手の平で指した。
  「 助かったわぁ どうやってこれ全部 レジまで運ぼうか悩んでたとこだよ 」
 「 いっぱいですね 」
  「 うん 入院中の女の子に恃まれたんだけど 流石に恥ずかしいね こんなに多いと 」
 「 あ~そ~なんですか^^ 下着売り場に変な人がいるなぁ~って 見てました^^ 」 おいw
  「 ね、これ全部プレゼントするから、今度 お茶 しない? 」 ^^
 「 ええ~ 困ります >< 」
  「 そかぁ~ 残念^^ じゃさぁ~ あのポスター 1枚 くれないかなぁ? 」
 「 変態! 」
  「 い・・いやぁ~ 変態じゃないけど つい 」 w
 「 ポスターも 無理です! 」
  「 そ~か~ 諦めるしかないかぁ・・・ 」
 「 でもシーズンが終わったら もらえますよ たまに 」 笑
  「 そか~ いいなぁ~ ヤフオクに出品したら 俺 必ず落とすから 」
 「 ヤフオク ですか^^ 」
  「 うん 」
 「 あ! 済みませんでした この下にあるお品 レジへ運びますね? 」
  「 有り難う^^ ショーツとブラ あと2~3組買うつもりだから 」
 「 はい じゃ 先に持って行きますね 」
  「 よろしく 」
 「 はい 」 笑顔が彼女の左肩からこぼれた ドキッ あの笑顔は・・・ 笑顔の意味は・・・ 

                        こんな娘

 どこから見ても乃木坂46の中元 日芽香なんだが・・・惜しいw。 あ!そか、時給の2倍、いや、3倍出すからデートしょう・・とか。 いかんいかん。 歌舞伎町に乱立する「JKお散歩カフェ」ではなかった。 金で愛は買えん! い・・いや、買える時代なんだよなぁ~ 場所柄もw。   「妄想退散!」
 
 ルンルン気分で(単純)レジへショーツとブラを3組持ち込んだ。 あれ? 彼女がいない。 

 「 お客様、こちらへどうぞ 」 右端のレジカウンターから指名されたw。
 てっきり中元 日芽香(なかもと ひめか)ちゃんが待っているものと思っていたので少しへこんだ。 持ち込んだ下着のひと品ひと品手に取ってレジを通されると流石に赤面する思いだった。 「 お題の合計は46,780円になります 」 「 はい じゃ コレで 」 一瞬、コーポレーションカード(会社付け)を渡そうか迷ったが、後で経理から女物の下着ばかり買ってるwときつく追求され、社内でまた話題にされると社長への顔向けに困るのでここは自前の黒いカードを渡した。 「有り難うございます 少々 お待ち下さいませ」 「はい」 「 有り難うございました こちらへご署名をお願いします 」 「 はい これで 」 「 有り難うございました 袋が3袋になりましたけど・・・よろしかったでしょうか? 」 「 大きな袋で2袋にしてくれないかな 」 「 はい 少々お待ち下さい 」 「 あ!中のタグと値札、全部 取ってくれたかな? 」 「 え? 全部 お取りしますか? 」 「 直ぐに使える様に 全部 取ってくれるかな 」 「 はい 畏まりました お時間を少々戴きたいのですが・・ 」 「 いいよ~ 」 「 では 少々 お待ち下さいませ 」 「 はい~ 」 
 袋の中を全部カウンターの上に出して1袋、1袋の商品タグと値札をハサミで切り始めた。 切り取ってはまた丁寧に袋へ戻す。 キャッシャーのお姉さんがが胸のインカムで何かを呟いた。 手持ち無沙汰でメンズのシャツコーナーへ行こうとした時、奥のジーンズコーナーとフィットコーナーの奥から乃木坂46の中元 日芽香ちゃんがこちらへ駆け寄って来た。 さっきのインカムで応援を呼んだのだろう。 まぁ~これだけの品数のタグ切りをお願いする奴も奴だがw。 

 中元 日芽香ちゃんwと目が合うと彼女は頭をペコリと下げて微笑んだ。 お~!そっかぁ~・・・多分、彼女はジーンズコーナーの担当か、ジーンズの裾を詰める係なのかもしれない。 しつこい変態客と思われたくなかったので彼女へ軽く微笑んで返し、それから男物のシャツのコーナーで自分のサイズを探しながら時間を潰した。 

 10分ほど時間を潰していると中元 日芽香ちゃんがそばに来て声をかけてくれた。
 「 お客様、タグ 全部取り終わりましたので どうぞ^^ 」
  「 有り難う 面倒だったね 」
 「 いいえ 全然^^ 」
  カウンターへもどり、全商品を確認して大きな紙袋を2袋を受け取った。 さてと、電光石火でTAXIを拾わないと、両手にこんな大きな袋ではカッコ悪くてしょうがない。 両手に紙袋で出口の自動ドアの前に立つと中元 日芽香ちゃんが先に自動ドアに向かって開いてくれた。 なんか嬉しい。 「 有り難ございました いっぱいですので お気を付けてください 」 笑顔に励まされた。 「 有り難う 」 店を出て正面のTAXIを拾おうとすると彼女がTAXIに手をあげてくれた。 助かった。 左手で開いたドアを彼女が押さえてくれているTAXIの中に2袋を先に乗せ、背広の内ポケットから名刺を取り出し、彼女の右手に渡した。

 「 もう来る事は無いと思うけど 会社 近いから どこかですれ違ったら 声をかけてくれたら嬉しいよ^^ 」
  「 え? 」
 「 今日は有り難う  会社の連中にここのユニクロ 宣伝しておくよ 」
  「 は・・い・・ 」 戸惑いで引きつった笑顔も可愛かった。
 「 じゃね 」 
  「 お買い上げ 有り難うございました! 」 やっと笑顔に戻った。

 TAXIでひとメーターかふたメーターの距離だから、少しだけ何処かですれ違う事を期待してみた。 少女マンガかよw 名刺の使い方も間違っていないと思う。 名刺は美人に渡すモノだ!と俺のじっちゃんが言っていたのを今も鮮明に覚えているからだ。

 
 しかし・・・この大きな荷物2袋、明日、どうやって持って行こうかなぁ・・・・。





 明日、西が丘留置場でこ2袋の殆どが、差し入れが出来ずに、まさかの持ち帰るハメになる事はまだこの時点では考えもよらなかった。
 





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まじいなぁ~  ・・・ No9
- 2016/11/10(Thu) -
Firefox で書いてます


               サチの十八番       サチの日常

            まぁ~ だいたいオフィスではこんな格好をしてますw  サチは!



*****  No8から


 警視庁へ電話することにした。 調べると代表番号が載っている。 本所警察、湾岸警察、菊屋橋分室へと問い合わせをしてみたが期待通りとはならなかったが、3件ハズレた分、ここに間違いないという確信が持てた。 03、3581、43**、ポチッ、とゆっくりとスマフォにタッチする。  ♩~

「はい、警視庁です」 早w
 「え~と、面会で西が丘分室まで行きたいんですが、先に、友人の女性が留置されているか確認をしたいので内線でまわして戴けますか・・・」
「はい、西が丘分室、面会ですね」 滑舌絶好調でハキハキし過ぎのうえ、声が透き通っているw  

 何も怖がるモノも、恐れるモノも無く、純粋な正義心だけでオペレーティングをしている彼の姿がひと言、ふたことだけでもよく伝わってくる。 ピュアな心で、怖いモノ無しの自由でいられた遠い昔の自分の姿が蘇り脳裏をかすめた。 確かにあの頃は若かったし純粋だった・・・。 いつ、どこであのピュアな自分を無くしたのかは遠い昔すぎて考える気にもなれない。 携帯から聞こえた彼の声が何故か羨ましく感じられた。

「今、西が丘分室にまわしますので、このままでお待ち下さい」
 「は・・・はい・・・」 
 
♩~♩~♩ 
 
「西が丘分室です」 でたw
 「面会に伺いたいのですが、知人の女性がそちらに拘留されているか確認をしたいのですが」
「はいはい・・・ご家族ですか?」
 「いえ、友人です」
「お友達ですか・・・では、ここにいる人の名前を教えてください」
 「はい、タイ人女性でラッタナポーン・シープラジャン、昨日、逮捕されたそうなんですが・・・」 もう4度目の決まり文句だ。
「タイ人女性・・・ラッタナポーン・・・下の名前が違いますね・・・」 いた!
 「あ!っすみません、日本人と結婚していますのでラッタナポーン・木下です」
「木下ラッタナポーン・・・あ~いますけど、今日は調べで出てますから、来てもらっても本人がいないと無駄足になりますよ」
 「今日は調べで出ているんですか。 では、明日はどうですか?」
「いやぁ~解りませんね。 明日、調べがあるか無いかはここでは解りません」
 「本人が不在で面会出来なくても、差し入れは大丈夫ですよね?」
「ええ、差し入れならいつでも大丈夫ですが・・・ただ、差し入れを送ってもらうのは勘弁して下さい」 ?
 「送る?」
「ええ、送ってもらってもここで使える物と使えない物がありますからね。 使えない物でも送り返す事はしませんので保管がやっかいなんです」
 「そうですか」
「ここへ来てもらっての差し入れでしたら、使える物と使えない物を分けて、使えない物は持って帰って戴きますので」
 「分かりました。 有り難う御座います。 では面会に行く前にそちらに連絡して、本人がいるかいないのかを確認するのは?」
「いやいや、ここでは本人がいるかいないかは問い合わせに答えられませんから」 だよねw
 「そうですか。 では、取りあえずそちらへ行って見て、本人がいれば面会をして、本人が調べで不在でしたら差し入れだけで帰りますので」
「まぁ~来てもらっても会えるか会えないかは分かりませんが・・・」 ん? へ? そうか・・・・ >< 俺としたことが・・・
 「え? ひょっとすると接見禁止とか・・・」
「ここでは答えられません。 取りあえず来てもらってからの状況ですから」
 「ですか・・・分かりました。 では近いうちに取りあえず伺いと思いますので」
「ここの場所は知ってますか?」
 「行った事はありませんが、調べて伺います」
「ですか、では、取り調べで不在の時と、食事の時間も面会出来ませんので注意してください」
「あと、面会、差し入れをする方の身分証明が必要ですから、出来れば、印鑑もお願いします」
 「分かりました。 有り難う御座います。 本人がそこにいる事がわかって助かりました・・・本所、湾岸、菊屋橋、居ませんでしたから」
「そうでしたか。 では失礼します」
 「いろいろお知らせ戴きまして、有り難うございました。 では、失礼します」
ポチッ    

 いたw 西が丘にいた。 北区に女性専用の留置所がある事はうすうすは知っていたが行った事は無かった。 JRなら埼京線十条駅、地下鉄なら都営三田線板橋本町駅と分かった。 

 差し入れには差し入れ出来る物と出来ない物がある。 紐がついているジャージや柄のはいった下着類。 洗濯で色落ちしやすい物等、々、規定がある。 部屋にいる時や取り調べの際はジャージが楽なので必需品だ。 検事調べや裁判所に行くときは正式な格好がいい。 男なら背広か地味な格好、女なら白シャツかブラウスに黒のスカートかパンツ。 あまり差し入れしても各自の部屋に全部しまい込めないし、差し入れされた全ての物を覚えて込んで、必要な時に必要な物を書面に書き込んで下ろしてもらう。 メンドイから必要最小限が良い。 差し入れの1番の目的は物品の差し入れではなく、「あなたがここに居ることは分かっているから、心配しないで」と言うメッセージなのだ。 お金も1度に5万円までは差し入れ出来るので、現金の方が何かと便利だ。 毎週数回、買い物をお願いすることも出来るのだ。 

 必要最小限にしておけはあとは配給もされる。 俗に官物(かんぶつ)と呼ばれ、自分で購入&持ち込みされる私物(しぶつ)と同様に使用できる。 ただし、衣類の官物=借り物の殆どは以前に拘留された人が、持ち帰りがメンドクなるとそのまま廃棄=捨てて下さいと書面に書かされ、その払い下げ品が再利用、リサイクルされる訳で、サイズなどは大ざっぱ過ぎる難点はあるw。 

 さっきの会話でひとつだけ気になった事があった。 「来てもらっても、本人に会えるか会えないかは分かりませんよ」となにげに耳に残った。 「接見禁止」を忘れていた。

 大きな犯罪や取り調べで重要な人物には「接見禁止」を裁判所へ申請して、家族、友人、知人等、全ての面会者から面会や手紙のやりとりまでを禁止してしまうのだ。 通常、面会時には係員1人が立ち会い、脇で会話の内容を手書きで文書にする。 事件に関する事は一切禁止で、不審な会話や事件の内容があれば、その場で面会中止にされてしまう。 「元気?」「元気です」、「何か不便はない?」「無いです」、「欲しい物はある?」「下着とジャージくらい・・・あとはここでも買えるから」、「心配しないで取り調べに素直に応じて早く帰ってきてね」「はい」・・・面会の会話などこの位であるw。 顔をみているだけで10分、15分はあっと言う間に過ぎてしまうものだ。

 接見禁止が付くと弁護士以外は面会が出来なくなる。 この接見禁止は予想以上に本人には痛い。

 パクられて(逮捕されて)しまえば、本人はある程度は腹を括(くく)ってしまうので、どんな状況になろうとも我慢、頑張ろうと腹に据(す)えこむ。 ただし、あくまでも本人1人の頑張りであって、家族や友人の立たされる辛い状況や自分が原因で余計な心配をかけさせてしまう事などには全くの無力であり、何もしてやれない。  自分の大切な人達に降り懸かる様々な状況を想像や妄想してしまい、心が弱くなってしまう。 自分が原因で家族や友人まで巻き込んでしまったうえに、何もしてあげられない現実に心を痛める。
 そんな時、面会でひと言「迷惑をかけてごめんなさい」と、素直に相手に言えればどれほど心が解放され、強くなれるものか・・・。 逆に、家族や知り合い、多少の迷惑をかけても気にしないアホなら、留置所や拘置所、刑務所の方が気楽なものだ。 最低限度の人間らしい生活や規則正しい生活が出来るので再犯率が低くならないという現実もある。 再婚して自分の苗字(みょうじ)まで変えて犯罪を犯す者までいる。

 接見禁止では外との繋がりが、と言うよりも、自分を1番大切にしてくれる、自分を1番心配してくれる家族との繋がりが切れてしまう事で極度の恐怖心を覚えてしまう。 この恐怖心とは、これから自分に起こりえる様々な事柄に対しての恐怖心では無く、自分の大切な人達への謝罪ができない恐怖心なのだ。 どれほどの恐怖心なのかは、1度、ブタ箱へ泊まってみれば良く分かる・・・。

 そこにつけ込んで適当な物語で調書が作成されれば警察や検事の勝手な思い込みの激しい、いい加減で自分達に都合の良い調書が作成されてしまう。 そこで、有能な弁護士ならば「接見禁止の一部解除請求」を試みる。 解除請求には、事件番号と管轄裁判所を取り調べの刑事から聞き出すとメンドイので、留置所の係へ訪ねて教えてもらい、便箋へ書き込み、裁判所へ提出するだけだ。 これで全権的に面会が出来る様になるのではなく、親族など限った人達への手紙の発信が出来る様になり、弁護士以外でも誰でも申請はできるので、ある程度の書き方を知っていれば、家族でも、接見禁止が付いている本人でも便箋に手書きで書いて裁判所へ申請が出来るのだが、残念な事に、こんな事を予習復習している「賢い容疑者」などいないと言う事だw。 通常、面会の全面禁止でも、この一部解除の申請で手紙は出せる様になる。 

 手紙で長々とくだらない弁解など書いても検閲で通らないので、ひと言「この度の事件では皆様にご迷惑をお掛け致します事を心配し、お詫びを申し上げます。 私に関しましてはご心配無用ですので・・・」と、くらいは書いて出せる。 これで、自分の立場と気持ちを伝えられたら接見禁止など痛くも怖くもなくなる。
                       
 
 ついでだが、外国人の外国語での手紙は禁止だ。 では、日本語を書けなければどうする? 外国語で書いた書面を翻訳してもらって発信する事になる。 翻訳は各警察署に数名のボランティア通訳が存在する。 年に数回、警察では民間ボランティアを募集している。 外国人の取り調べの際に立ち会い通訳を行う。 書面に関しては、韓国語、中国語、英語は基本無料だが、それ以外の特殊言語の場合は有料となる場合が多い。 便箋1枚800~1,000円が相場だ。 外国語で書いて、料金を支払っての発信となる訳なのだが、実は警察は面倒臭がって全て却下wしてしまう。 「日本語が書けないなら手紙はダメです」と突っぱねてしまうのだ。 外国人にすれば何も情報が無いわけだからこれは恐怖である。 刑務所も同様で、韓国語、中国語、英語はフリーパスだが、特殊言語はやはり有料だ。 しかし、数回、翻訳料を支払っての発信を繰り返していれば、その内無料になる。 ボランティアが文面の翻訳を繰り返す内に同情して、問題のない文面なら手抜きをするので、毎回、当たり、さわりの無い文面に代金を取らなくなることと、検閲官がスルーし始める為だ。

 実はめめも経験者であるw。 え? ボランティア側です! 



 明日は金沢からタエちゃんの旦那が新宿へ到着し次第、西が丘まで面会の予定だが、その前に・・・・
                                           今これから婦人下着売り場へ行くハメになりそうだ・・・。

 1人でいくか・・・・誰か連れていくか・・・w  頭 痛~


                               





                             まじいなぁ~  ・・・ No10へ





                               怖いわぁ


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まじいなぁ~  ・・・ No8
- 2016/11/08(Tue) -
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   ん?

   Eilly浅草   Eilly新宿   Eillyアパート   Eilly買物   

   Eilly刺身    Eilly大猫    友達と3人で 南新宿にウイークリーアパート借りた? 

                                                    俺のベットは広いぞw



                           そのうち 書きます ^^


  ***** No7から


 昼12時ちょうどに出社し、イズにコーヒーを頼んで部屋のPCから逮捕されたタエちゃんの金沢の住所と旦那さんの連絡先の番号を探した。 必要なら早々に金沢まで飛ぶつもりでGoogleで住所地を確認しながら携帯番号をメモをして、その番号へ電話をしてみた。
 ♩~♩~♩ 呼び出している。 ♩~♩

「 はい・・・ 」不思議そうな声が聞こえた。 思ったよりも声が若く感じられた。
 「 もしもし、タエちゃんの友達でめめと言います 」
「 めめさん・・・どちらさんですか?・・・ 」 今回の件はまだ耳に入っていない様な怪訝(けげん)な声だ。
 「 以前、タエちゃんのビザの更新で書類を頼まれた者ですが 」
「 タエからビザの書き換えを・・・東京の人?・・・で、? 」
 「 今、1分だけ時間を下さい。 説明します 」
「 ・・・どうぞ 」
 「 先日、タエちゃんが東京の錦糸町で逮捕された事は耳に入ってますか? 」
 「え? 逮捕? タエが? 」
 「 はい テレビのニュースでもタエちゃんの顔がながれてました 」
「 なにを、何をしたんですか? 」声が震えていた。
  「ご存じ有りませんでしたか・・まだ・・ 」大きく深呼吸をした。
 「 なんでも、友達で闇金の金貸し女と一緒に取り立てに行ったらしいのですが・・・ 」
「 金貸し? 」
 「 ええ 取り立てでもめて、その金貸しが相手を殴ったらしく、その後、金貸しの運転手の車で移動して運転手の男のマンションに監禁したと・・ 」
「 ? ・・・ 」言葉が出ない。
 「 それで関わった女3人と男1人、4人が錦糸町の警察に逮捕されたんです。タエちゃんも・・・ 」
「 うわぁ~ 今仕事中なんで今から直ぐは東京へは行けないですなぁ・・・ 会社に連絡して休みをもらいますから・・・ 少し時間を下さい こちらからかけ直しますから 」
 「 はい、時間は大丈夫です。 で、警察からの連絡はありませんでしたか? 」
「 いえ、ぜんぜんありません 」
 「 そうですか・・・ 分かりました では、ご連絡をお待ちししてます この携帯の番号でOkですから 」
「 直ぐかけなおしますから・・・ 」
 「 はい では 」  
 
 ポチッ

 少しずつ動揺してきている様が伝わってきた。 自分の妻が逮捕された訳だからパニックしまい頭が回らないのが普通だろう。 気の毒だが現実なのだ。 

「 専務? いい? 」イズが気を遣ってドアの外から小声で訪ねてきた。
 「 お~~ごめんなぁ、毎度のトラブル相談だけど、今回は逮捕されちゃったんでねぇ 入っていいよ 」
「 うん、サッチンが、何かまた、専務、面倒なことやってるって、昨日・・・ 」
 「 すまん、変な心配させているみたいだなぁ お前達に 」
「 専務、捕まったら面会、イズ行くね^^ 」
 「 おい・・ 」w
「 あ!コーヒーここ置きまぁ~す 」^^ 
 「 おぉ Thx 」
「 無理しないでね・・・調べる事あったら言ってネ 」
 「 忙しいイズ様から有りがたいお言葉です 」
「 あのねぇ、サッチンもミミもあのTVのニュース観て少し心配してるから・・・今回は 」
 「 みんなで観てたのかよぉw まぁ、何とかするさぁ・・・なんとか・・ 有り難う 」
「 じゃ、何かあったら呼んでね 」
 「 OK、ありがと 」

 むぅ~サチに頼むと感染、早いなぁ~。 あいつには秘密と言う言葉は無いのかもしれない・・・。


 イズがデリバってくれたコーヒーに手を伸ばして持ち上げたと同時に携帯の着信音が鳴った。 ♩~♩~ 金沢からだ。

 
「 もしもし・・・ 」
 「 はい めめです 」
「 あ、今、会社から休みをもらいました・・・ 明日、東京へ行きますので 」
 「 分かりました では新宿に着きましたら連絡を下さい 時間はいつでもOKですから 」
「 有り難うございます・・ いや~まいった 」
 「 お気持ちは察します 知らなかったんですね・・・ 」
「 ええ、まさか逮捕されるとは・・・ 」
 「 取りあえず どこに拘留されてるか探っておきますから 」
「 有り難うございます 」
 「 錦糸町警察というのは有りませんので、錦糸町の本所警察だと思うのですが・・・ まだ良く分かりませんので 」
「 すみません、宜しくお願いします 」声に力がなくなっていた。
 「 じゃ 明日、お待ちしています 」
「 はい、では、失礼します 」
 「 では明日 」

 ポチッ

 金沢から新幹線なら早い。 以前の様に名古屋経由しなくても今では金沢から東京駅へ一直線だ。 明日の到着を待つことにした。 しかし、タエちゃんはどこにいるのか? 錦糸町警察など無い。 今でも「鬼の平蔵」本所の銕(てつ)が居そうな本所警察署にいるのか? 錦糸町駅とスカイツリーの中間点に本所警察署はある。 そこなのだろうか・・・。  

 面会に行きたい、と言えば通常なら警察署内の留置係へ内線がまわされ、本人が居るかどうかくらいは教えてもらえるハズだ。 親切な警察署なら「 取り調べ時間中を避けて、午後5時過ぎか、土日に来い 」と教えてくれる。 勿論、本人と面会をしない差し入れだけならばいつでも良い。 弁護士なら24時間いつでも面会もできる。 

 本所警察署へ電話してみよう。

 03-****-0110 ポチッ ♩~♩~♩

「 ハイ、本所警察です 」
 「 すみません、友達が拘留されているハズなんですが、面会に行きたいので本人がそこにいるか確認をお願いします 」
「 面会ですか? 留置所の係と変わります。 あ! え~と、相手の名前と罪名、分かりますか? 」  へ?

 俺としたことが「タエちゃん」とばかり呼んでいたので正式な本名など薄覚えだったw。 あわてて机に駆け寄りPCから彼女の書類の履歴を探り本名を見つけた。

「 え~と、女性でタイ人、ラッタナポーン・シープラジャンと言います 」
 「 女性? あ~~~ ここは女性はいないよ 」 へ?
「 いない? 」
 「 ええ、いません。 女性の場合は女性だけの拘留所へ送られるから 」 あちゃ~ だよねw
「 あ~すみませんでした・・・ で、昨日の事件で、タイ人女性が取り立てでもめて、男女4人が捕まった事件なんですが・・・ 」
「 本人、どこにいますかね? 」 探ってみた
 「 いや~ここにはいないよ 」 声が渋った
「 女性専用と言われても・・・ 」
 「 立川とか、湾岸とか、菊屋橋じゃないかな・・・ 」
「 立川、湾岸、菊屋橋ですか 」
 「 数件あるから、電話して確認してくださいよ 」 面倒そうな声だ
「 有り難うございました 取りあえず順番に電話して確認してみます 」
 「 はい、では 」

 ポチッ

 忘れていた。 以前、拘留所で係員が泊められていた女性といい仲になり夜中Hな事をして、それをネタに上司へ話すと女から脅され問題になった事件があった。 それ以来、男女別々の留置がされる様になったのだった。 
 
 気を取り直して机に座り直し、女性専用の留置施設を探してみた。 
 原宿警察署、湾岸警察署、警視庁菊屋橋分室(東京都台東区)、警視庁西が丘分室(東京都北区)、武蔵野警察署、警視庁多摩分室(東京都立川市)の6件がヒットした。
 
 警察署の名前を口ずさみながら考えてみる。 原宿は色々な事件で留置所はいっぱいだろう・・・、湾岸署は錦糸町から近い・・・、菊屋橋も近い・・・。 北区の西が丘分室・・・遠くないか? 毎日の取り調べは専用の護送バズで毎日錦糸町まで来るのか?。 武蔵野、多摩はまず遠すぎる。 と、言う事は湾岸、菊屋橋、西が丘の3件がくさい。 本人が寝ている場所と取り調べ場所が違うのでやっかいな事件だが、お陰で3件に絞れた。 後は順番に電話して確認するだけだ。


 やってみるかぁ~・・・・。

 湾岸警察署へ ポチッ
「 はい、湾岸警察です 」 なんかかっこいい名前だ
 「 もしも~し、レインボーブリッジ、今すぐ閉鎖してくだぁ~い 」 とは言えない ><
 「 すみません、留置中の友達と面会をしたいのですが、多分、本人がそちらにいると思うのですが、確認したいのですが・・ 」
「 面会ですね、留置所へまわしますので、そちらで訪ねてみてください 」
 「 はい、お願いします 」
「 このままでお持ち下さい、つなぎます 」 
♩~♩~♩
「 はい留置係です」 
 「 すみません、留置中の友達と面会をしたいのですが、本人がそちらにいると思うので、確認したいのですが・・ 」
「 留置されている人のお名前は? 」
 「 タイ人女性でラッタナポーン・シープラジャン、昨日、逮捕されたそうなんですが・・・ 」
「 お待ち下さい・・・ タイ人女性・・・ ラッタナ・・・ いませんね、ここには 」 へ?
 「 いない? 」
「 ええ、ここにはいませんね 」
 「 そうですかぁ・・・ 錦糸町の事件なんですが、あとは、どこにいそうでしょうか? 」w
「 いやぁ~どこにいるのかは分かりませんが、ここにはいません 」
 「 そうですかぁ・・・ 」
「 菊屋橋とか、西が丘とか・・他じゃないですかねぇ 」
 「 他ですか・・・ 」
「 他、かけてみてください  あ、西が丘は警視庁にかけて、そこから内線でまわしてもらわないとだめですからね 」
 「 本庁から? 」
「 ええ、あそこだけ内線扱いなんですよ 」
 「 有り難うございました 菊屋橋と西が丘へかけてみます 」
「 そうしてください では 」
 「 失礼しました 」
 
 ポチツ

 ダメだ、いない。 どこなんだタエちゃん? 重大事件や意地の悪い警察署だと「本人がいるか、いないかは家族か弁護士さんじゃないとおしえられませんね」と教えてくれない警察署もあるが、ここまでの2件は隠しているとは思えなかった。

 留置所の係というと「遣えない警察官がいる場所」の様なイメージが湧くが、実は逆で、留置所を2~3年努めてから刑事にあがる連中が多い。 犯罪者と直に触れ合ってw犯罪者の心理を学べ、と言う意味あいがあるらしいのだが、確かに古株達は遣えない連中でも、若い係員は刑事課スタンバイが多い。 

 冷えたコーヒーをすすりながら菊屋橋分室へTELしてみる。 ポチッ

「 はい、菊屋橋です 」声が張り切っている
 「 カツ丼を2と天ぷらそば1、お願いします 」w 思わず言いたくなる
「 菊屋橋ですが 」
 「 すみません、そちらに昨日逮捕された友人がいるか確認をしたいのですが 」
「 確認? 」
 「 ええ、面会に行きたいと思って 」だんだん慣れて雑になってきたw
「 あ~、ではその友達のお名前は? 」
 「 タイ人女性でラッタナポーン・シープラジャン、昨日、逮捕されたそうなんですが・・・ 」
「 タイ人女性? ここにはいないですね 」 ・・・Orz
 「 ですか・・・ 」
「 西が丘へ確認してみました? 」
 「 いえ、未だです  本所警察へ確認をしたら女性はいないと言われて、湾岸、菊屋橋にもかけたんですが、いませんでした 」
「 最近は西が丘への移送が多いから、かけてみなさいよ 」
 「 有り難うございました 直ぐ、かけて確認してみます 」
「 そうしてください では、失礼しますよ 」
 「 有り難う御座いました 」

 ポチツ  

 むぅ~w 多分、これで西が丘だな。 北区か・・・。 昼飯は本所で食べるとしても、朝晩の護送に片道30分、どこかの警察署に寄りながら他の女もデリバリーすれば片道40~50分はかかる混雑道路経由だ。 

 きっとそこだな。 西が丘分室は正式名「警視庁総務部留置管理第一課西が丘分室」とメンドイ名前がある。 北区西が丘3丁目、警視庁からの内線7867-2424となっていた。 西が丘に電話しろ、と言われると抵抗はないが、警視庁へかけて、内線をまわしてもらえと言われると、何となく指の動きが鈍るのは気のせいなのだろうか。 さすが警視庁ブランドw。

 西が丘分室へ電話してみるかぁ。






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まじいなぁ~  ・・・ No7
- 2016/10/03(Mon) -
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      最近気になるジュエルちゃん  へへ^^

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 *****   更新、がんばるぞぉ~        って、ひと月 放置 ><


   


       No6から


 俺が通い始めた10年前からここ風林会館の濃いめのコーヒーは味が変わっていない。 ゆっくりとミルクを浮かべながら今後の事を考えてみたが、いくら考えてみてもこちらが有利になる要素などひとつも見当たらない。 
 
 逮捕後23日以内になんとかしなければ確実に実刑は免れない。 逮捕後48時間以内に検察に送致され、その後24時間以内に裁判官に勾留請求がなされてから本格的な取り調べが始まる。 簡単に言えば、逮捕されると、速攻で警察署で検察へ送る調書が作られる。 その調書と一緒に検事局へ行き、検事から事件内容を確認される。 この時の検事が自分の事件を担当する「担当検事」となる。 確認を求められた事件内容を認めようが否認しようが自由だ。 しかし、検事が取り調べの必要があると思えば「今回の事件に付いて取り調べを進めます」と言われ、その足(24時間以内)で今度は近場の裁判所へ連れて行かれ、個室で裁判官より住所、氏名、年齢、職業を簡単に聞かれ、ウムもなく「これから取り調べの為、拘置します」とだけ言われ、ものの3分で拘留が確定するのだ。 
 
 警察が逮捕し、検事が事件を吟味し、裁判官が判決を申し与える。 よって、逮捕した警察の調書が適当だと検事からクレームを言われるわけで、誰が見てもスジを通した適当な調書(物語)が作られるのである。 調書を2度、3度と書き直すのを警察は極度に嫌がる。 調書の信頼性も元より、取り調べの刑事の能力が問われる訳で、何よりも刑事も書き直すのが面倒なだけなので、取り調べを始めるまえからストーリーは出来ているのが通常なのだ。 そのストーリーに合わせた取り調べでの供述を要求してくるのが普通なのである。

 取り調べ室は3畳ほどの超~狭い個室だ。 TVドラマの様なあんな広い部屋など存在しない。 容疑者が暴れたら取り調べ中の刑事もひとたまりも無いし、怖いのが本音だ。 拘留されているブタ箱も3畳半ほどに2~3人が同居する。 1人部屋などほとんど無い。 よって2~3人で同室するので見栄を張って話が膨らむものである。 部屋の隅に中が透けて見えるトイレがあるだけで、使用の際は小か大かを拘置室の職員へ告げて、水を流してもらう。 自分では使用後の水も流せない仕組みになっている。 勿論、水が飲みたいときも担当職員へ大声でお願いしてコップに水をもらうしかない。 時間つぶしに雑誌を1~2冊入れてもらえるが、日中は取り調べで読む暇などない。 勿論、刑事からの取り調べに対してどの様にウソぶいてやろうか頭の中はいっぱいで、雑誌など見ていても上の空なのだ。 ペンや便せん、ノートの使用の際なども、その都度、お願いをして中へいれてもらい、使用後は返す。

 朝、7時頃に起床し、布団をたたみ、奥の部屋から順番で施錠が開くので布団のしまわれている部屋へ各自、自分の布団一式を抱きかかえて持って行って積みこむ。 洗面後、食事をしてマッタリしていると「運動時間」と俗に言われる一服タイムがある。 運動場と称される兎小屋の様なベランダへ移動し、そこで各自のタバコを渡され、一服したり、乾電池式のシェイバーで髭をそるかツメを切る時間が15分ほど毎日ある。 終了後はまた狭いブタ小屋(部屋)で自分の取り調べが始まるのを待つだけだ。

 8時過ぎ、順番に自分の番号、名前では無く、拘置後は番号で呼ばれる訳だが(他の部屋に知人が居た際や、他人に名前を覚えられない様)取り調べ者の番号が呼ばれ、ブタ箱からでて全身検査後(簡単なボディーチェック)に手錠を緩(ゆる)くされ、拘置室から出て取り調べ室へ向かう。 

 取り調べ室のドアは開いていて、狭い部屋を横になって中央の机の向こう側のイスの脇に立ち、取り調べの刑事が手錠をハズしてくれる。 手錠は腰縄と繋がっていて、手錠はハズされても腰縄はイスに結ばれる。 これで逃走するとイスが狭い部屋で邪魔になる訳である。 取り調べ中は殆ど部屋の入り口のドアは半開きか開いたままだ。 閉めてしまえば密室だし、何よりも刑事が容疑者と2人きりになるのが怖いのだ。 ただし、取り調べで相手の気心が分かってくると刑事がコーヒーの差し入れやタバコを差し出してくれる。 刑事が調書をPCに打ち込んでいる間、適当に一服して気を紛らすのだ。 勿論、いくらなんでもカツ丼の差し入れや食事は取り調べ室では出来ないw。 狭い取調室ではコップ1個、灰皿さえ取り調べ官への凶器になるのだ。

  く・・・詳しすぎるかぁw。


 今の時点で、こちらの欲しいのは警察側の情報だ。 正式に何という罪名でタエちゃんが逮捕されたのかが一番の興味なのだが、警察の情報など簡単に分かるはずも無い。 せめて新宿警察なら知り合いもいるが、錦糸町では手が届かない。 やることは一つ、弁護士に依頼してこれまでに作られた調書の内容を知ることだ。 腕の良い検事あがりの弁護士が一番心強いのだが、高額をボラれそうで気が進まない。 安くあげるならヒマな弁護士に動いてもらうしか無い訳だが、依頼の際は家族の方が都合が良い。
 明日、タエちゃんの旦那、と言っても、ほとんど偽装結婚なので動いてくれるかが心配だが金沢に連絡をしてみることにしよう。 以前、タエちゃんからの在留ビザの申請で旦那の住所や連絡先はクラウドへ保管していてどこからでもリンクして連絡は出来る。 

 ヒョッとすると彼はまだ気が付いていない可能性の方が大きいのでは・・。 逮捕、拘留される時に警察から「連絡先があれば連絡を取る」と一言だけ言われるが、タエちゃんが否認、黙秘で何も話さなければ警察から金沢の旦那へ連絡することも殆ど無い。 捜査や調書が進んで一段落すると家族へ連絡を取ることもあるが、通常では警察側から家族に何か聞きたい事がある場合か、逮捕された本人がお願いしない限り警察から動くことはまれだ。

 特に、初動捜査で面倒が生じることを警察は極度に恐れる。 逮捕直後にお抱え弁護士への連絡は警察でも最も恐れる事態で、よく容疑者が「弁護士を呼んでくれ!」と警察に話すと、「知っている弁護士はいるのか?」と聞き返す。 顧問弁護士や知り合いの弁護士がいないと分かると決まって警察は嘘をつく。 「いあ~弁護士は裁判の時に必ず付くから、今はまだ裁判じゃ無いから必要はない。 裁判が近くなってからでいいよ」と、決まり切った嘘を言うのだ。 これは許せない事なのだが、極度に弁護士を嫌がるのだ。 逮捕されたらまずは黙秘で弁護士を呼ぶのが一番の得策だ。

 明日、金沢へ連絡をとってみてから今後の動きを決める事にして、目の前の10年以上も味の変わらないコーヒーを一気に飲み干して店を出た。 2階の駐車場から赤馬に乗り込み帰宅することにした。 これ以上考えてもラチがあかない。 ナンやカンや考えても現状が動かなくては手が打てない。 悪い妄想には絶対勝てない。 

 酔いも醒め、赤馬は明治通りを機嫌良く走り出した。

 ネオン街を走りながらさっきリベルタのマスターがもらした「昨日、弁護士からこの度の件からは降りさせてもらいます・・と言われました」と言う言葉がひっかかっていた。 弁護士が降りるような山(事件)を俺に振って来るんじゃねぇわぁ~。  

 たく・・・、今さら リサ の色香に迷わされてしまった自分に思わず悔やんでアクセルを強く踏んだ。




                   
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まじいなぁ~  ・・・ No6
- 2016/10/03(Mon) -
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 リベルテでラストのチークをリサと踊った事が災いしてw面倒な相談を受けてしまった。 
 一通りリサから逮捕されたタエちゃんの話を聞いてから席を立った。 店を出て通りを歩きながら大きな深呼吸をして星の見えない夜空を見上げた。 メンドイ話だった。 生ぬるい夜風を感じながら近くの喫茶店パリジェンヌへ足を進めた。 二階の駐車場へ赤馬を停めてある。 
 午前2時半を過ぎていたが相変わらず客は多い。 と言っても男二人が向かい合っている姿ばかりが目立つ。 数年前、ここでの発砲事件は言うまでもなく喫茶店を有名にした。 住吉系のしのぎ場テリトリーへチャイニーズマフィア、まぁ、当時は中国系のチンピラがしのぎ口を広げ、バッティングした為にここで話合いをしたのだが、話が決裂し、チャイニーズがテーブルの上に拳銃を置き「撃ってみろ!」と挑発した。 それを真に受けた住吉側の一人がテーブルの拳銃に手を伸ばして掴んだ瞬間にチャイニーズ側のボディーガード2名から撃たれ、双方とも打ち合いになった事件だ。 住吉系1名死亡、3人怪我、チャイニーズ側3名負傷でマカオに逃亡したが空港と現地で殺害された。 しのぎの話がもつれて、ある組からチャイニーズマフィアが雇われて実行されたヒットマン事件とも言われるが、真相は闇の中だ。
 まぁ~こんな話が平気で話せる喫茶店がここなのだ。 地下のカジノでバカラが開帳され、10日間で数十億円が動き、負けた腹いせでチクられ、有名芸能人や議員などが数名捕まったりと、別な意味で忙しい喫茶店なのだが、間違いなく俺の好きな場所の一つだ。
 好きな喫茶店と言えば昨年末に閉店した5丁目にあった「沙婆裸」 (サハラ)も好きだった。 ・・・ん~、内の同盟に同じ名前のキャラいたなぁ~。 合戦そっちのけでサチにアプローチしてたサハラさんw


        700円
 

 ここへ来る度にテーブルの低さが気になる。 何とかして欲しい・・・

 低いテーブルのアイスコーヒーを見つめながら、高めのソファーで足を組み直してさっきリサから聞いた話を頭の中で整理してみた。

 事件のあった日の昼頃、タエちゃんが知人の金貸しの女とたまたま新宿で食事をしていると、その女の携帯に金を貸している顧客A(女)が錦糸町のパチンコ店で負けて、彼女のアパートへ向かっていると知り合いから連絡(情報)が入った。 

 返済が毎月遅れる顧客Aに腹を立てていた事と、貸した金でパチンコで遊んでいる事に腹をたてた金貸し女が、食事中のタエちゃんを誘ってタクシーで新宿から千葉県市川市のアパートへ集金に向かう。 
 
 途中、金貸しの女が付き合っている日本人男性を携帯で呼び出し、錦糸町で顧客Aの動きを教えてくれた女1人を拾ってもらい市川へ向かう。 

 市川の顧客Aのマンション前の路上でタクシーを降り、先に到着して待っていた男の車に乗り換え、女3人、男1人、計4名で顧客Aの帰りを車の中で待った。 

 約15分後、顧客Aが帰宅し、部屋に入る姿を確認してから女2人、男1人がその部屋へ向かう。 その際、タエちゃんは顧客Aとは面識もなく、怖かったので男の車の中に1人残った。 

 30分ぐらいして顧客Aと女2人(金貸し女+連絡をくれた女)、男1人の4名がマンションから出てきて、後部席で待っていたタエちゃんの車に4名が乗り込み、5人で男のマンションのある錦糸町へ向かった。
 
 男のマンションの部屋に4人が入り込んたが、タエちゃんは怖かったので部屋には入らず、錦糸町駅までタクシーを拾い、1人で新宿へ電車で帰って来た。 

 その2日後の夜、タエちゃんの携帯へ知人の金貸し女から連絡がはいり、市川のマンションでの様子と錦糸町での部屋の様子を聞いらしい。

 市川のマンションでは顧客Aの女へ借金の返済を求めたが、返済日はまだ1週間先だと告げ、今日は返済する金が無いとの返答に、金貸し女が「遊ぶ金があるなら今すぐ払え」と平手で頬を1度ビンタをした。
 もう1人の女がテーブルの上にあった鞄を見つけ、鞄を取って男に渡した。 その鞄の中を男が物色し、中にあった財布から全額の5千円を抜き取り、金貸しの女に渡した。

 その金を受け取った金貸し女は、借用書を書き換える必要があると告げると素直に従い部屋をでた。 その際、男ともう1人の女がAの財布を鞄に戻し、その鞄を男が抱えて部屋を出た。 

 タエちゃんが1人で車で待っているところへ4名が車に乗り込み、錦糸町の男のマンションへ向かい、マンションでタエちゃんと別れた後、男の部屋で借用書の書き換えをして、サインをした後、次の日の朝まで金貸しの女が説教をして、顧客Aが部屋を出たのは次の日の朝5時頃だったとタエちゃんは金貸し女から聞かされた・・・と、リサに話していた様だった。

 金を借りていた女Aの自宅マンションが千葉県市川市なのにタエちゃんがパクられたのが錦糸町なのはきっと女Aは男のマンションから出たその足で真っ直ぐに警察へ向かったのだろう。 部屋から出て直ぐに誰かに連絡を取り、そいつから速攻で警察へ行くように吹き込まれたとしか思えなかった。 
 
 その後、約3週間後に金貸しの女と男が逮捕された。 4日後にはAの情報を連絡してきた女が逮捕された。 
 そして、昨日の朝、タエちゃんが逮捕され、全員が逮捕された事で各TVチャンネルでニュースが流れた。 そのニュースには最後に逮捕されたタエちゃんがパトカーの中で戸惑う顔がズームされていた。

 
 「タイ人女の金貸しが、金を借りた被害者タイ人女Aのマンション前で待ち伏せをして部屋へ上がり込み、返済をせまり殴って怪我をさせ、バックから現金数万円を奪い、知人の日本人マンションの一室に監禁して強制的に高額な借用者を書かせたタイ人グループの女3人と日本人男1人、の4名が逮捕された・・・・」 と言う事件報道がながれた。


 強盗致傷+監禁、容疑 ・・・タエちゃんが車の中にいて何も知らなかったとしても同じグループの一員と見なされたなら同罪になる可能性は非常に高い。



 むぅ~・・・

                             (-.-)y-゜゜

 



  
      
                              まじいなぁ~  ・・・ No7へ


 







 
 な・・・・なんか 最近 凄げ~~~~~ ペース 早くなくない? 

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まじいなぁ~  ・・・ No5
- 2016/09/29(Thu) -
  
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        全部食べる?  

      こんなんだから嫁のもらいてがないんだよなぁ・・・




 *****     No4から


 リサが3度目に席に戻ってきたのは24時45分だった。 客はここのテーブルを含めてもう2組しかいないのだが奥に陣取っている2人組のテーブルから時より指名が入る。 「リサさん、御願いします」と、ボーイから耳うちされ「ハ~イ、じゃ、待っててね」と俺にウインクをして席を立つ。 リサが立ち上がるとヘルプで別な娘が俺の横に座り込んでドリンクを頼み、たわいない話で盛り上がっているとリサが戻って来る。
 もどったリサを見てヘルプの娘が自分の名刺を取り出し、ワイシャツのポケットに突っ込んで両手で投げキスをして帰っていった。 ワイシャツのポケットから色違いで四つ角が丸くとれている名前の違う3枚の名刺を取り出してテーブルの角に置いた。 2度目に足を運ぶ事はない店だ。

 ヘルプの娘が飲み残したキールに手をのばして一口だけ舐めてみる。

              キール 420円w

 南国の味がした。  

「リサちゃんさぁ~ もうラス前だけど・・・そろそろ」 
「あ!もぅ~ ちょっと待っててね^^」 
「へ?」
「あと5分だけ」
「・・・いいけど」 意味が分からず戸惑った
「ありがとう^^」

 全く意味が分からなかった。 それでもリサは時間を気にすることも無いような素振りで仕事をこなす。 今まで話した内容はたわいもない通常の営業トークばかりだ。 「仕事は?」「窓際族w」、「なにそれ?」「窓の近くに俺の席がある」、「会社どこ?」「駅の向こう側w」、「え?サラリーマなの?」「サラリーマンじゃなきゃ何屋だよ」、「やくざ屋さん」「ちゃうわぁw」、「休みの日何してるの?」「休みは無い」、「無いの?」「うん」、「へんな会社」「確かにブラックな会社だわ」、「私さぁ~買い物好き」「俺、嫌い」、「私さぁ~ドライブ好き」「俺、免許ないw」・・・代わる代わる隣に座る小娘に全く同じ質問攻めにあい、いいかげんに飽きてきた頃だった。 なのにリサは事件の事を話す素振りはみえない。

 時計は12時55分を指していた。 新宿の規定では通常の飲み屋は午前1時までと指導されている。 最近ではクラブ系は24時間の営業が許可されたが、キャバや飲食系は1時が門限だ。 まとものな店なら帰宅準備だが、売り上げの少ない店や、カモネギがまだ飲んでいる時などは、店の外看板の電気を消してドアも内側からロックする。 で、入り口の外にはたいがい見張りが付く。 終わったハズの店の外でボーイが立ったままの姿はまだ営業中なのだ。 

 まさかこのままドアロックされるのか?そう思った瞬間に店内のダウンライトが一瞬消えた。 ものの10秒ほどで非常灯の様な2~3m先も見えない薄暗いライトが点灯した。 なんなんだ? 同時に聞き覚えのあるBGM音楽が流れ出す。 おいw1時過ぎたらピンサロや風俗に変わるんじゃないよなぁ~ここの店w。 1時過ぎたらお日様が出るまで営業出来ないハズだよなぁ。


「ねぇ~ チーク 踊って」 驚く俺の隣でリサが笑っていた
「チ~クかよw」
「そう、お店が終わる時、お客さんとチークしていいのぉ」
「・・・・」
「はやくぅ~ 終わっちゃう」 
「はいはいハイ」 左腕を引かれてソファ~のすぐ脇で抱き合ったw。 いやw軽く両腕を彼女の腰にまわした。 

 彼女の髪がら柑橘系の甘い香りがする。 ヒールをぬいで裸足で踊っている。

「ふふ・・♡」
「ふふ・・じゃないわぁ なんだこの店」
「お店の終わりにチークタイムがあるの」
「パチンコ屋が終わりに流す メリージェン じゃん」 w
「そお この曲 好きなの」
「すき・・って 2~30年前の曲だぞ」
「そぉ~ 古いけど好きなの」
「そか」
「そ~なの♡」

 このまま思わず抱きしめたくなる奇妙な衝動に襲われたのはきっと彼女のかすかなパフュームのせいなのだろう。

                   (-.-)y-゜゜

 古くさいBGMが流れ終わるとフロアーのダウンライトが元の明るさにもどった。 向こうのテーブルの客も立ち上がり帰り支度をしている。 男2人の客に4人の娘がアフターでのラーメンをねだっていたw。 俺ならお断りします・・。 
 
 ソファーにもたれてリサの顔を見上げた。 何の為にここに来たのか答えが欲しい。 2時間飲んで「ハイ!お休みなさい~♡」ではさすがに理解に苦しむ。 

「待っててね、すぐ戻るから」 そう言い残してリサがカウンターへ消えた。 店内が急に明るくなった。 眩しい><。 カウンター脇からリサとマスターがこっちへ来るのが見える。 

「ラストまでお付き合いして戴きまして、有り難うございました」 マスターが深々と頭を下げた
「実は事件の件をお願いしたかったのは自分なんです・・」 へ? おもわずリサの顔をみた
「・・・・」
「実は、あの事件で捕まった・・・逮捕されたのはここの店でアルバイトをしていた女性なんです・・・」 立ったままで話しだした
「え?タエちゃん、ここにいたの?」
「え?知ってるんですか タエ の事」 マスターの目が驚いて大きく開いた
「ああ、しばらく音沙汰がないんでまた名古屋に戻ったのかと思っていたさぁ。 でも、今日、ニュースを見て驚いたけど、俺も」
「ここで半年くらい働いていました。 店で借りているアパートにこの リサ と同居してたんです」
「知らなかったさぁ・・・ あ、座って下さい」 ソファーへ目を向けた
「あ、有り難うございます。 済みませんでした、店に入って来た時につい癖で奥のフォロアーは別料金だと言ってしまいました」
「あ~そんな事、気にもしてないよ。 あ、リサちゃんも座って」 ん~できれば横じゃなくて正面に座って欲しいなぁ~・・・そのミニスカからのパンチラ期待でw
「ハイ、有り難うございます」 ペコリ
「ん~とねえ、捕まったタエちゃんの在留許可書類、作ってあげた事があったんだなぁ 1度」
「それからたまに連絡をくれてたからね」

「旦那さんが虚弱体質でたしか金沢にいるんだよね・・・まぁ~、偽造結婚みたいなもんだけどね」
「まじめに金沢から近い名古屋で働いていたんだけど、その後、新宿に来て金沢には帰ってないって言ってたなぁ~彼女」
「まさかニュースになるとは・・・そんな娘には見えなかったけどねぇ」
「はい、そうなんです・・・・」

「あ!時間、大丈夫ですか?」
「いや、大丈夫じゃないけど、しゃ~ないだろうよ。 可愛いリサちゃんに足止めされたらさぁ^^」
「キャッ、だよね♡」 おいw 

「1週間ほど前に別な女が捕まって、その話に タエ が関わっていたらしんですよ」
「捕まった女と一緒にいたらしいんですけど・・・。 で、そのうちにタエも逮捕されるんじゃないかな・・・と」
「ふ~ん で 1週間前?」
「はい、タエがリサにアパートで色々と話したらしんですね、彼女も怖くて・・・ で、やっぱり逮捕されて・・・」
「で・・でもね、タエさんが話してた事とTVのニースが違うから・・・ 女の子達みんなで話してて・・・ で・・・ めめさんの名前が・・・」  おいw
 リサがおそるおそるこっちを見た。 可愛いw

「でもね、めめさん女の子しか面倒みないって聞いて・・・・ マスターと話して・・・ わたしが電話したの・・・」  ><
「ご、ごめんなさ~い」 ペコリ

 つまり、ここで働いていたタエちゃんを助けたくて店のマスターじゃなく、可愛いリサちゃんが俺にアプローチして来た、と言うわけだぁ。 まあ、マスターの話なんかならマジ聞くハズもないけどなぁ。 たくっ。

「でも、俺じゃなくて弁護士に相談したらぁ~いいじゃん」
「はい、最初の1人が捕まった時に1週間ほど前ですけど・・・そしたら弁護士が強盗と傷害だから実刑確実で執行猶予は無いと言われたんですね。 でも、動いてみるからって250万円ほど払ったらしいいです。 あ、捕まった友達の友達が錦糸町でタイ料理のレストランをやってるんですが、そこの知り合いが弁護士をお願いしたらしんです」
「ふ~ん」

「でも、ここ1週間で女3人、男1人、計4人も捕まってもう無理だからって弁護を下りるって昨日言われたらしんです・・・」 だよねw
「で、いろいろとあちこちと相談をしていいたら・・・めめさんの名前を捕まった タエ から リサ が聞いていて・・・」
「はぁ~?」
「はい・・であちこちで相談をしていると・・新宿のあちこちで めめさん の名前や携帯を・・・で、リサに・・」 何でも屋じゃねぇぞ!

「めめさんなら何とかするかもって大崎の女の子も恵比寿の女の子も言うから・・・つい・・・ エヘ^^」 エヘッじゃねえわぁ リサw

「むぅ・・・・・・・・」 ・・・Orz
「あのさぁ~できればキャバの箱の中で深刻な話は避けたかったなぁ~少し酔ってるし・・・いや、リサちゃんに酔わされた」 w

「マスター、頼みがある。 頼むから別な曲でリサちゃんとチークさせてくれ!」 w

「はい ?」 

「キャ~~^^」

「リサちゃんの可愛ゆさに負けたから、しゃ~ないから話、聞いてみるかぁ~」  
「OK~ じゃ、捕まる前にタエちゃんが話してた事、詳しく教えてくれないかなぁ リサちゃん」
「ハ~イ♡」

「あ!チェックまだだったね・・勘定、ところで幾ら?」   |д゚) ドキドキ
「いえいえ、お願いする以上は戴けませんから、今日は店のおごりと言う事で」 
「マスターのおごり♡」  

 ケッ、受けなきゃぼったくるつもりだったかもなぁw

「あ!マスターのおごりぃ? ・・・・マ・・・マスターさん  リサちゃんの持ち帰りも ・・・マスターのおごりで ・・・・なんとか」
「いやw 冗談です、じょうだん、上段・・」 

 自分で言ってしまってから動揺する俺がいた >< 

「いいわよ めめさん♡ でも 1ヶ月はお店に通ってくれたら ね♡」             自己破産だな 多分 俺w 

   



「OK! じゃ 下心バレバレで良きゃあさぁ~ 話 くわしく聞かせてくれ リサちゃん」
「は~い♡」



                   (-.-)y-゜゜




                           まじいなぁ~  ・・・ No6へ




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まじいなぁ~  ・・・ No4
- 2016/09/12(Mon) -

Firefox で書いてます



ブリッジで大笑いかよw

 「・・・別に良(い)いんですけどねぇ~」が口癖のミミが機嫌のいいい時は膝枕で首をマッサージしてくれる。
              で、小遣いをせびられるわけだがw


 *****      No3 から

 
 店のドアを手前に開けるとまっすぐ奥に延びる黒色のカウンターが左側にあり、カウンターがきれると小さなテーブルを2個ずつ並べて3席見えた。 客は2組。 ダウンライトが明るすぎて箱(店)の中がよく見える。 開いたドアから正面の行き止まりまで15mほど。 突き当たり右側は1段下がった広めのもう一部屋が広がってる。 高給ソファーが3列並んでいた。 常連客用なのか、VIPルームの様だが客がついていない女の子達のたまり場だった。 ホール男3人、フロアー娘5人、計8名の箱だ。  

  11時にこの店リベルテのリサとは約束はしたもののどんな娘なのかは見当もつかない。 リベルテの女の子達は2丁目の店にしては若い娘が多い店だった。 「いらっしゃいませ、何名様ですか?」カウンターに背を向けてグラスを拭いていたスラリと背の高い30代後半の男から振り向きざまに声をかけられた。 愛想笑いをしたその目の奥だけは笑っていない。 カタギではない事はすぐに見当がつく。 その声に反応して他のボーイ2名と入り口の近くにいた娘達が一斉に視線を投げかけきて俺を物色する。 視線が痛い。 お客を見た瞬間に幾らボッタくれるか見当を付ける目だ。 

「ひとりだけど、いいかな?」
「ええ、どうぞ」 カウンターの中から目だけで奥の席へと促がされた。
 通常の店ならばホールスタッフが席まで案内をするものだが、誰も誘導もしない・・・その程度の店だった。

 カウンターの端へ腰を下ろすと奥から1人の娘が近づいてきた。
「めめさん?」
「・・・・・」 無言でうなずいて彼女の顔をみた。 韓国人か? 顔が整い過ぎている狐顔の美人だった。 随分と若く見える。
「マスター、このお客さん、知り合いなんです。 奥いきますから~」 カウンターからの返事も待たずに右腕を引かれた。
「あ!お客さん、奥は料金が違いますけど良いですか?」 へ?マスターとリサの顔を交互に見てしぶしぶリサの後についた。 

 右奥の1段下がったフロアーのすぐ手前ソファーに腰を下ろした。 リサの左脇に座りテーブルの灰皿を指先で手前に引いてデュポンと煙草を背広から灰皿に置いた。
「煙草いいのかな?ここ」 
「だいじょうぶですよぉ」 と言って灰皿からデュポンを取りあげて火をつける素振りをしてくれた。

 スタッフが氷とトング(氷挟み)の入ったガラス製の洒落たアイスペールを運んできた。 テーブルにそっと置いて彼の脇に挟んでいた革の料金表を開いてテーブルに置いた。 その仕草があまりにも丁寧すぎてここの店には合っていない不自然さから思わず彼の顔を見上げた。 きっと他のキャバクラから流れて来たんだろう。 彼がシステムを説明しようとした時、リサが遮(さえぎ)って「ここの席はいらないわよ」とかるく軽く笑ってみせた。 チラリと顔こちらに向け「ここに置いておきますから」と言い残して片膝から立ち上がってゆっくりカウンターの男に指で何か合図をして別の客の席に向かった。 この店の名はリベルテだがすぐ近くにリベルタというホストクラブがある。 一文字違いの店同士、なにか繋がりがあるのかもしれない。 ホール係の身のこなしはホストの癖にも思えた。

 開かれたままのシステム表に目が行った。 夜8時~9時まで8,000円、9時以降Lastまで9,000円、延長30分が4,000円、税金+サービス料が35%、指名3,000円・・・etcとまぁ~1人で軽くの飲んだら10,000円チョイの箱だ。

「急な電話でごめんなさい・・・」 ハスキィーな低い声だった
「いや、いいけど・・・流石に携帯に直通だと少しはおどろいたさぁ」
「めめさんの番号、知ってる女の子多いよ」 へw 
「まぁ~美人以外は繋がらない回線だから、繋がる子はみんな美人なはず」 ^^
「キャ~ うける~」 JKかよw 
「で?」
「あ、その前になにか飲みます?」 商売かよw
「いや、俺、飲めないんだよ、酒」
「え~~ホント? しょんどい ネ」
「しょんどい?」
「うん、正直しんどい の略なの」
「略じゃないだろう~よ」
「え?」
「若い子達の言葉だろ~」
「うん」
「俺、おじさん通り越しておじいさんだから良くわかんないわぁ」
「ちょううけ~」 若すぎるわ おまえw
「で?」
「あああ、チットまっててね 何か飲み物探してくるから」 ・・・Orz
「じゃ モエシャン 持ってきてくれ」 モエ・エ・シャンドン(白)
「え? モエ? ・・・ お酒 飲めるの?」
「酒は飲めないけどシャンパンなら飲めるよ」
「キャ~~~ ^^ ひさびさ変な人~~~」 やかましいわぁ おいw
 
3分後、リサがモエとは違う見覚えのある別のボトルを1本、大事そうに抱えてもどって来た。
「ポンパドールしかなかったぁ」 梅酒かよw
「まぁ~いいや、ドンペリでも持って来るんじゃないかと冷やヒヤしてたわぁ」
「フフ・・・うちはボッタクリじゃないから安心して^^」
「ボッタクリの店ほどボッタクリじゃないと言うのが歌舞伎町だろう~が」
「あ!バレた?」 おいw
「心配しないで、これさっき私が買ってきて冷やしてたのよ」
「へぇ~?」
「今日いきなり呼んだ おわいそに・・・」
「おあいそ?」
「じゃないw お詫び かぁ キャッ 恥ずかしい><」 地球外生物か、おまえw

 今夜ここに俺を呼んだ経緯(いきさつ)も、事件の情報もなにも触れないリサの様子に戸惑いを感じながらも、こちらからは訪ねる事をあえてしなかった。 最近の若者の世間話ばかりで1時間以上が過ぎていった。 歌舞伎町は条例でラストが深夜1時とされている。 まあ、後30分、付き合ってみるかぁ~このヘンテコな娘に・・・。  

 あ!べ・・・べ、べつに下心なんか全くありませんからw。 もちろんアフターもw。
  






爆睡中

もう寝てるんだろうなぁ~  サチは・・・   
 




                              (-.-)y-゜゜




        
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まじいなぁ~  ・・・ No3
- 2016/08/31(Wed) -
Firefox で書いてます


 No2  追記、更新完了。


 さて・・・・・          [広告] VPS
                           
 こんなの↑↓が送られてくると仕事も人生も捨ててエイリィ~の所へ行きたくなるわなぁ ^^

      Eilly (1)   Eilly (2)

 最近では娘も才能が開花され、ネズミ講で、い・・いや、ネットワークを駆使したビジネスで、な・・・・なんとタイ国内コスメ通販部門(自社ブランド・OEM)で、な・・・なんと、NO1の座に輝いたのでした~@@

 award (1)  award (2)  award (3)      award (4)

      どんなコスメ(化粧品)でも美人娘が売れば売れないハズはない^^                   さすがぁ娘



                                                               エヘッ

                                                              やる事まで似てきたなぁw
                                                                      


          エイリィ~ 頼むから パパァ~ って呼ぶなぁ  ダ~リン♡ って呼んでくれぇ   ・・・Orz


 *****


 部屋に戻りサチがくれた各紙の新聞紙コピーに目を通してみると、今日の朝タイ人の女が3人、日本人の男が1人逮捕されたと書かれていた。 逮捕理由は女3人と男1人の4人で千葉県市川市在住のタイ人女性のマンションの部屋へ行き、貸した金の取り立ての際に相手を殴り、怪我をさせ、部屋から拉致して日本人男性のマンションへ連れて行った。 その際に被害者の女性のハンドバックを奪い、中から現金をも抜き取ったという事件だった。
 こんな事件で逮捕されたら助けられるハズも助かるハズもない。 強盗致傷なら執行猶予なしで6~7年は確定だ。 逮捕前に捜査されてるから何とかして欲しいと言うのならまだしも、逮捕されてしまった以上は俺が彼女たちに面会できるハズもないのだから・・・・。 腕のいい弁護士でも高額な弁護料をフッかけて、「頑張りましたが、やはり執行猶予はとれませんでした」で終わりで高額な弁護料に泣き寝入りしかない。 安くても首謀者100万~、その他各1人50万~は弁護士から請求されるのは見え見えだった。

 目まいがする中、気を取り直してニュースの動画も見てみた。 ん?へ?はぁ?え~~~~? このTVニュースで報道された動画を見て飛び上がった。 パトカーの後ろ座席の真ん中で左右の刑事に挟まれ座っている女に見覚えがあった。 車の外からのフラッシュで車内が光り、女の顔がハッキリ映り出されて画像が一時停止したのだ。 見覚えがあるどころか知人の「タエちゃん」だった。 ニース画面で初めて彼女の本名も知った。 タイ人達は本名は絶対に言わない。 どんなに親しくなっても彼女たちは本名は名乗らないのがタイ人だ。 よって、何年付き合っていてもニックネームしか知らなかった。 彼女のフラッシュで光る顔を見てますます胸が重くなった。 

 まいった・・・・。 知らなくても良いことを知ってしまった以上、このままでこの件を断ればきっと毎晩夢見が悪くなる事だろうw。 今晩、約束した歌舞伎町の店に出向いて行って難しそうなメンドい話ならキッパリ断るつもりでいたが、知り合いが絡んでいる以上は「無理~、むりだから~手を引くよ」とは言えなくなってしまった。 気が重い。

 別に知り合いでも、知り合いじゃなくても、キリスト様でも、仏様からでも無理なことは無理なので諦めてもらうしかない。 強盗致傷で逮捕されてしまった以上は無理すぎる・・・そんな事は重々判りきっている事なのだが、それでも今夜、たった1%の可能性に賭けてみようとしている自分を、もう1人の自分が諦め気味の冷たいワニ目で見ていた・・・・。 



                                 (-.-)y-゜゜

 歌舞伎町の夜を歩き回るのが好きだ。 行き先も決めないで気ままに歩く。 数年前までは100mほど歩く度に黒服から声をかけられ押し問答の間を泳いで行くのが面白くてワザと店を探している素振りで歩き回っていた。 特にコマ劇場があった頃は目と鼻の先の小さな公園で休んでいると面白いほど声をかけられた事が懐かしかった。 残念なことに最近では黒服連中が白シャツに着替えて客引きをしている2丁目界隈を歩いていても誰も声をかけてくれなくなった。 近くまで近づいて声をかけようとして顔をしげしげ見られると作り笑いをしてUターンしてしまう。 別に俺の人相が悪い訳ではない。 少しばかり新宿に長居をし過ぎたせいだと勝手に思っている。 
 1人の客引きはたいがい自分の所属する事務所からの最低限の固定給は支給されるのだが、2~3件のキャバクラとも契約をしていて、連れ込んだ客の20~30%をバックしてもらえるのが普通た。 しかし今では私服警察に声をかけてしまうリスクから客引きも減って1人で5~6件の店を担当している。 中には事務所に所属せずに完全にフリーランスで数店と直接契約をしてバックマージン無しで月20万円以上の契約料(x数店)を稼ぐ輩(やから)もいる。 そんな高給取りのフリーランスほど危ない連中だ。 奴らが外から客を釣って連れてくると高額なボックス席へまっすぐ案内する訳だが、席からの戻り際、カウンターで1人で飲んでいる俺と目と目が合う回数が増えたせいで、バッチリと顔を覚えられてしまっている。 まぁ~あちこちの店に顔を出してもビールの1本も飲まないでハシゴして歩く変な客だと覚えられている様なんだがw。 お陰でこの街で名前が売れている箱(店)の名前と店内のレイアウトは直ぐに思い出すことが出来る特技を身につけられた。 ・・・・なんだそれ?

 いつもは風林会館から北側のバッティングデンター界隈をふらついているのだが、今は歌舞伎町の東側の外れ、花園神社から2丁目へ足をすすめている。 チープな薄汚い長屋の店舗を横目にネオン街をめざす。 もともと2丁目はあまり好きではない。 と言うか、お釜はだ~~~~~い嫌いだ。
 なんで金を払ってまでお釜と飲むのか今だに理解がつかない。 どうせ金を払うのなら男よりも女に決まっている。 歌舞伎町では飲むなら整形美人の韓国美人かロシアン♡、お持ち帰りは安い中国美人、まじめなマッサージならタイ古式マッサージと相場は決まっている。 まぁ~大久保通りでも韓国整形美人は大勢見かけたのたが、このところ多国籍の無法地帯に変貌(へんぼう)してしまい、リトル・コリアと呼ばれていたのは数年前までで、韓流ブームが去りイスラム系が増殖している。 そしてここ数年では駅の周辺にはJkのお散歩喫茶が乱立してしまった。 もちろん無許可店ばかりだが。


  今日の朝、いきなり携帯にリベルテ(キャバクラ)のリサと言う女から相談を持ちかけられ、詳しい話は彼女の店で聞く約束をしてしまった。 気が乗らなかったが少し調べただけで俺の知り合いの娘が関わっていた事がわかり興味がわき、こうして約束先である彼女の店に向かっている。 時計は10時45分をまわっていた。 11時の約束だった。

 風林会館から2ブロック先、昔の新宿コマ、今の東宝ビルへ向かう途中にリベルテ(フランス語で自由)が入っているテナントビルがある。 簡単に言えば叙々苑ビルの向かい側にある。 通り側の店を冷やかしながらプロウディアビルに到着した。 うw・・・・ビルの入り口正面のエレベーターの壁に等身大のヌード写真が5枚貼られていた。 いや、ヌードPicではなく肌の色と同じアンダーウェアを着た美女の等身大写真だった。 だよなぁ~、本物のヌード写真ならキャバクラではなくストリップと勘違いされるわなぁw。 エレベーター右側のネオン看板に店の名前を見つけた。 10時58分着。

 エレベーターに乗り込みB1ボタンを押した。
  

 


                               まじいなぁ~  ・・・ No4へ








                 


 2015 Version                               2016 Version

       2015 (1)                        2016.jpg












                      2015 (2)     2015 (3)






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まじいなぁ~  ・・・ No2
- 2016/07/27(Wed) -
Firefox で書いてます


  最近TVから流れている HONDA フリード のCMソングに
   思わず釘付け・・・  懐かしい    オリジナルはこれ 2年前のリリース曲

 



  でも、やっぱ・・・これだよなぁ~ ^^
   2次元でいいやぁ~  もうw

       


                                       オリジナルは Taylor Swift - Shake It Off
                                     https://www.youtube.com/watch?v=nfWlot6h_JM




                                       


                                                                      8月31日記


 新宿が永いと色々な事を耳にする。  「今日ネ、プロ野球のあのチームがネ、試合が終わったらまた大勢で飲みに来るのよネ。 お店の入り口のシャッターを下ろして、内鍵するのよネ。 で、朝まで貸し切りなの」。  どうでも良い事から聞かなかった方が良かった内容まで勝手に飛び込んで来る。  「実はね、秘密なんだけど・・」 おいw、秘密なら言うなよと言いたいが、まあ1度誰かに話してしまえば秘密は守られる事はまず無い街である。 

 各国ごとにネットワークがあって新宿を一回りすると瞬(またた)く間に隣の街へ情報は流れる。  おもしろい事にどうでもいい話ほど尾びれ、背びれが付いて膨らむが、危ない内容や怖い内容は殆ど原型で隣街までたどり着く傾向がある。  歌舞伎町で何か噂されるとその日のうちに渋谷、六本木、池袋、錦糸町へ流れる。  そして次に日には埼玉、千葉、茨城へ飛び火して2日後には名古屋で中継され大阪、和歌山、そして終点の福岡で落ち着くのだ。  このルートは多分、以前は入管の動きを伝達するラインだったのだろう。  今ではオーバーステイなどは可愛い事柄であって話にも出てこない。  外人さん達の死活問題である高給が取れる仕事の情報が最優先で、併せて危ない情報が一緒に運ばれてくる。  

 ひとつ謎なのは東北へは東京の話は流れない事である。  新宿と仙台や札幌はリンクしていないのだ。  あえて言うなら、札幌から青森、仙台へロシアの情報は流れている。  内容のほとんどが日本人のハゲ(年齢は関係なく金持ちな独身者)を何処で探してどうやって結婚するかの情報だが・・。  


 サチに頼んだ情報収集など簡単に見つかるハズだ。  ましてや今回はTVで放映された事件なのだから・・・。
 まずはハーゲンダッツだ。 w



                               (-.-)y-゜゜

 

 「 あ、専務 ご苦労様です! 」 「 ホイッ 」  
 「 あ、専務 どちらの階ですか?」 「 ん? 1階おね 」 「 ハイ 1階ですね 」
 「 あ、専務 お出かけですか? 」 「 え? ちゃうちゃう 買い物 」 「 買い物ですか 」
 「 あ、専務 明日の会議ですけど・・」 「 へ? 明日の会議? 明日にしてくれ 」 「 ハイ 畏まりました 」 

 上層の役員フロアーから会社の入り口脇にあるコンビニまでサチ様の強い要望(=命令w)でハーゲンダッツを買いに行くだけで必ず4~5人と儀礼的な挨拶をするハメになる事が面倒くて、嫌で、普段から出社していてもあまり社内をうろつくことは無く、自分の部屋に引きこもるか仮眠室で寝てるか、会議室で海外とチャット会議か視聴覚室でドアをロックしてIXAをしてるくらいである。  声をかけてくれるのは嬉しいのだが「 お前 何課のだれ? 」とは聞けない辛さと、まじめに仕事に精を出している社員への引け目を感じる事が多々あるのだw。  

 外へ向かうロビーを早足で歩きながら受付の二人の顔をチラ見して俺に気が付いていないスキに出口へ向かう。  誰が取り決めたのかは知らないが、最近では役員を見つけると受付が立ち上がって会釈する様に指導されているのだ。  そんな取り決めのなされる決議があったのなら絶対に一人でも反対を押し切るのだが、俺がいない会議で・・・いや、会議中にIXAってて気が付かなかったのかもw・・・、い・・いや、そんなはずは無いと思うが、絶対に俺が不参加の会議で決まったらしい。  そのうちに議事録から探し出して事後で却下してやるつもりでいる。  たとえ決議を決めたのが社長だろうが、会長だろうが、そんな時の為に奴らの弱みを握っているのである。  ^^


 コンビニへソロ凸して真っ先にアイスクリームのフりーザーBOXへ足を進める。  途中、コーナーに積み上がっている青色の買物カゴを左手で軽やかにすくい上げ、社員数名の視線を背中に感じながらも無視してひたすらアイスクリームを買い占めた。  

 ミニカップに腕を伸ばしてバニラ、ストロベリー、クッキー&クリーム、グリーンティー、チョコレートブラウニーと、片っ端から2~3個ずつ買い物カゴへぶっ込む。  ん?そかデカイのも持っていくかぁ~と、パイント(ホームパーティーサイズ)も4種カゴへ入れた。  思ったよりもかなり重くなったが平気な顔でレジカウンターへ並んだ。  「 次の方 どうぞぉ~ 」 隣のクローズしていたカウンターから可愛い声がかかった。  鼻先に一人並んでいた女の娘が半身で振り返って目と目が合うと一瞬驚いた顔をした。  「 せ、専務 お先にどうぞ 」。  会社の娘だった。  気を利かせてくれた。  「 ありがと ^^」と思いっきり男前の笑顔を作って隣へ移り、カウンターの上にアイスクリームだらけのカゴを置いた。  カゴを覗いてレジの娘が微笑んだ。  

 次々とレジスターにアイスクリームを通し、手際よくビニール袋に詰めてくれる指先の爪先に可愛い☆と蝶がいた。  へ?コンビニのバイトでネイルアートOKなのかよ?と斬新な指先に見とれていた。  「 5180円です 」 の声でハッとした。  パンツの後ろポケットにもジャケットの内ポケットにも財布の重さが感じられないw。  う、ヤっちマったかぁ~。  サチからハーゲンダッツと言われて条件反射的にオフィスを飛び出して来て財布を手にした記憶が無かった。  ま・・まずいw。  う~ん、どうするかなぁ・・・。  

 「 ごめん 急いで来て 財布 忘れて来たみたいなんで・・ 上へもどって財布 もって来るから・・ このまま取っておいてくれないかな? 」 
   「 え? 」 
 「 上の階の者なんだけど 会社のIDも忘れた様で・・・ 」 IDがあれば会社付けでも買えるのだが  
   「 あ、 いいですよ 」 驚いた顔が笑いに変わった
 「 即 もどるからw よろしく 」 男前の笑顔を作ってごまかしたw
   「 このまま 袋のままでアイスの冷蔵庫に入れておきますね 」 笑
 「 ごめん 直ぐ戻るから 」 
   「 せんむ・・ あの~ 私が払いますね 」 
 「 ん? 」 背中の声に振り向くと隣のキャッシャーで支払いを済ませてもう一人の友達を待っていた社員の娘がいた
   「 お財布 忘れたんですよね 」 笑
 「 うんw 」 照れ笑いでごまかした
   「 よかったら 先に 私がお支払いします けど・・ 」 
 「 うはぁ~ 助かったよ 」
   「 あ じゃ お支払いしますね 」 チラリとレジスターの表示金額を確かめてセリーヌの財布から1万円札を渡してくれた
 「 たすかった 」 ><
 「 はい これで 」 レジの娘へ1万円札を渡した

 社員の娘へ一瞬視線を移してから笑いをこらえて1万円札を受けとった。  

 「 こんなヤツ いる? 」 聞いてみたw
   「 はい 1日にひとりはいますね 」 笑
 「 そか じゃ 今日は 俺か・・ 」
   「 ふふ・・・ はい レシートとおつりです 」  
 「 ありがと  あ それと そのネイル 可愛いよ 」 
   「 え? あ ありがとうございます 」 サッと指先を隠したw 照れた口元が可愛かった

 でかいビニール袋をぶら下げて社員の娘二人と3人でコンビニを出た。

 「 ありがとう ね 助かったわぁ 」 笑
  「 いえ ・・・ 」 笑
 「 社長にボーナス 増やすように頼んでおくから 」 笑
  「 え~ やめて下さい >< 」
 「 もし 増えてなかったら俺に教えて ^^ 社長とはマブダチだから 俺 ハハ 」 
  「 専務 本当に 言わないで下さいよ 」 「 専務 なんか 本当に いいそう~ 」 笑

 「 あ お金 すぐもって行くから 何課? ん~と・・・ 」
  「 営業の高橋です  わたし 後から専務のお部屋へ伺いますから・・ 専務が営業部へ来たらみんな驚くとおもいます 」
 「 そか 営業部 脅かしちゃ悪いな 」
  「 はい ^^ 」

 話しながらロビーへ戻ると受付の二人が椅子から立ち上がってそろって軽い会釈をした。  営業部の高橋ちゃんと連れの娘が驚いた。
 だから・・・ いらねぇ~わぁ 俺にはそんなこと。  Orz




 部屋へ戻るとサチが机にミニスカで腰掛けながら待っていた。 

 「 ほい ハーゲンダッツ 買い占めて来たぞ 」 
  「 専務 何してたの 下のコンビニで 」 
 「 え? アイス 買ってきただけだけど 」 ん?
  「 知ってるわよ 」 
 「 へ? 」
  「 コンビニの若いアルバイトの娘に ネイル可愛いねって ナンパしてたって? もう~ 何してんだかぁ 」 
 ・・・し 死んだ 俺w
 「 はぁ? 」
  「 お財布忘れたふりして ナンパしてたって・・ さっき あたいの友達がコンビニで専務 見たって 」
 「 早ぇ~~~~なぁ お前のとこの情報網 w 」 間違っているけど
  「 ったく 」 
 「 たく じゃねぇわぁ マジ財布忘れて営業の高橋ちゃんから助けてもらったぁさぁ  彼女から聞けよ 後で来るから 」
  「 え? アルバイトの若い娘と社員までナンパしたの? 」 
 「 ちゃう ちゃう 」 w 
 「 もう なんでもいいから これ 冷蔵庫へいれろよ 」
  「 専務のおかげで私たちの海外事業部が肩身の狭い思いしてるんだからね 」   ・・・・Orz
 「 おい 情報 間違ってるって それ 」
  「 まぁ いいかぁ~   アイス 食べる人~ 」  後ろに向かって叫んだw いや 吠えた? 
 「 は~い♡ 」 イズw 「 イエ~ス♡ 」 ミミw     
    
 「 後で その営業の高橋ちゃんとかきたら 良く話 聞くからね せんむ・・・ 」
  「 すきにしろよ たく 」
 
 「 でさぁ~ 専務 さっきの件だけど・・・ かなり面倒くさそうよ 」 
  「 ・・・・ そか 」
 「 そなのよ 専務の机の上 コピー見て それと TVのURLアドレス メールしておいたからクリッて見て 」
  「 Thx サチ おまえ できるなぁ~ 流石 」
 「 サッちゃん やれば出来る娘だからぁ 」
  「 そか  で 今日はヒモパンか? 見えてるぞ パープル色 」 
 「 え? な なにが? ・・・ 専務のバカ! スケベ! 」  ^^ 見せてるお前が悪いさぁ~ 机の上から下りな~

 「 じゃなぁ 部屋でコピーとメールアド みて見るわぁ 」
  「 もう~ 専務のドスケベぇ~ 見えてても言わないでぇ~ 言われると恥ずかしくなるんだからぁ~ 」  w?
 

 机の上にあった数紙の新聞紙コピーに目を通した後、朝のTV放送された逮捕動画を見てチェッと舌打ちをした。  
 これは・・・





 
 

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