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まじいなぁ~  ・・・ No17
- 2017/12/21(Thu) -
Chrome で書いています。


 イズが冷えたコーヒーを下げに来た。 入れ替われでサチがコーヒーメーカーで入れたばかりの2杯目を届けに来た。 猫舌の俺に熱めのコーヒーを入れるとは、サチの嫌がらせか? いや、いつもはイズがほど良いコーヒーを入れてくれていたので熱めに感じたのだ。
 出来れば気を利かせて2杯目はアイスコーヒーにして欲しかったのだが、言い忘れていた。 マイセンのコーヒーカップを皿に戻そうとした時に、携帯が♩~♩~歌い出した。 上野の弁護士会館からの折り返しだ。 早い。

「はい、めめですが」 相手の次の言葉に集中した
「弁護士会館ですが、先ほどお電話を戴きましためめ様ですか?」
「はい、めめです」
「めめ様、こちらで確認を取りましたところ、もう弁護士先生が付いておられますね」
「え?」 耳を疑った
「逮捕されておりますタイ人女性の・・え~と、お名前が・・・木下 ラッタナポーンさんへは、どちらかの先生が付いている様ですが」
「どちらの先生でしょうか?」 少し俺が混乱した
「いえ、こちらからは先生のお名前をお知らせ出来ませんので、ご了承くださいませ」 ぶっきらぼうな答えだった
「と、言うことは、逮捕前からでしょうか? 逮捕後からなんでしょうか?」
「申し訳御座いません、そちらの件も当方からはお伝えできかねるんですね」
「え? 逮捕された本人の旦那さんがここに居てもですか?」
「はい、こちらからお伝えできます事は、お申し出のありましたお名前の方へは、既に、どちらかの先生が付いていますと、しかお伝え出来ませんので・・・」
「ですか・・・有り難う御座いました。 どこかの先生が付いている事だけでも解って、安心しました」
「申し訳ありませんね、こちらからでは先生のお名前等、お伝え出来ないものですから」
「いえ、お手数をお掛け致しました。 有り難う御座いました」
「いいえ、それでは失礼致します」
「では」

 ポチッ

 携帯をテーブルの上に置いて、目の前の彼に伝えながら、自分でも整理し直した。

「不思議なことに・・・もう弁護士が付いているそうですよ」
「え?どう言う事でしょうかね」 流石に驚きを隠せない表情だった
「・・・・いや~・・・考えられることは一つだけですが・・・」 考えられるケースは二つあったが
「ど、どんな事ですか?」
「多分ですが・・・タエちゃんは一番最後に逮捕されているんですよ。 ですから、1番最初に逮捕された金貸しの女ボスが、自分で逮捕前に、金を貸した女が警察に行ったことを耳にして、危ないと思って事前に弁護士に相談をしてたか、逮捕後に仲間の誰かが弁護士を私撰で雇って付けた、と、言う事でしょうね」
「あまり、良く、分からないんですが・・・」

「金貸し女が乱暴をして、その、乱暴をされた女が警察へ駆け込む。 それを知って、金貸し女が事前に弁護士に相談をして、弁護を依頼する。 金貸し女が逮捕される前から依頼していたか・・・」
「もしくは、金貸し女が逮捕された後に、彼女の知り合いが金貸し女の件を弁護士に相談をして、付いてもらった、と、言うケースですね・・・多分」
「つまり、逮捕前に事前に弁護士に自分でお願いしていたか、で、なければ、逮捕後に誰かが弁護士を雇ったかの違いです」
「・・・」 理解しているのか、していないのかは表情からは読めなかった

「まぁ~逮捕前に弁護士に相談をしていたのか、逮捕後に誰かが弁護士を依頼して付けたのかは分かりませんが、今の電話でハッキリ言える事は、タエちゃんへもその弁護士が関わっていると、言う事ですね」
「・・・」

「一つの事件でも数人で関われば、関わった全員を弁護しますからね。 まぁ~かなり高額な弁護費用は確かですが」
「誰が弁護士を付けたんでしょうかねぇ・・・」
「それは、先ほど電話をもらった弁護士会の方では、パソコンのデーターで分かるハズです。 ですから、タエちゃんの名前と生年月日を俺から聞いたんですね」
「・・・」
「弁護士会のデーターに依頼者が誰からで、どこの所属弁護士会の誰なのかは分かるハズです」
「ただ、答えられないと、言う返答でしたので」
「ですか・・・」

「まぁ~解っただけでも、良かったですね」
「なんか・・・体から力が抜けました・・・」 彼の言いたい事は良くわかった

「でも、不思議ですね・・・」
「何でしょうか?」
「弁護士が付いているなら、真っ先に家族へ連絡が入るハズなんですがね」
「ん・・・何も連絡はありませんでした」
「ですよね・・・」
「ええ」
「何か事情があるんでしょうけど、家族くらいには連絡を入れて欲しいですよね」
「そうですね・・・」 やっとテーブルの上のコーヒーに彼が手を伸ばした

「不思議ですね」 彼の手元を見ながら呟いてみた
「・・・」

「あ!めめさん、色々と調べてもらって、本当、すいませんでした」 コーヒーを持ったまま彼が頭を下げた
「いえいえ、知りたい事ばかりだったんもんで、あちこち電話をしまくりましたけど」
「ありがたいです」
「まずはタエちゃんの安否ですよね、心配なのは」
「そうですね」

「普通、逮捕されると、まずは家族の事が気になるそうです。 自分はどんな事がこの先にあっても、我慢は出来ると、思うそうですよ。 でも、家族へは何も出来ない、してやれないと、言う気持ちから、逮捕された事を悔やむそうです」
「・・・」
「で、何とかして家族と連絡を取って、自分は大丈夫だと、言う事を知らせたい衝動に駆られるそうです」
「・・・」
「タエちゃんの場合は言葉の関係もあるし、看守も多分、外人だからと思ってロクな待遇をも、してくれないと思うんですよ」
「・・・」
「取り調べには通訳が付きますが、言葉のニュアンスや初めての経験ばかりで、相当、辛い思いをしてると思うんですよ、俺は」
「・・・」
「で、色々調べていくと・・・弁護士が付いていたwと・・・」
「ですね」
「だから、なんかシックリとしないんですよね」

 タエちゃんの現状を知りたいと思い、当番弁護士でも付けて探りを入れてもらおうと思ったのだが、既に弁護士が付いている(選任されている)と、予想外の展開になっていた。 不思議な事もいくつかあるし、どうも奇妙な気がした。

「まぁ、いくらここで考えていてもラチが空かないんで、行きましょうか? 取りあえずタエちゃんの所まで」
「ええ、お願いします」 
「車を準備してますから、それで行きましょう」
「え?車ですか」
「ええ、社用車をチコット使わせてもらいましょう」
「それは申し訳ないです。 内みたいな者の為にそこまで・・・」
「気にしないで下さい。 俺はタエちゃんの友達ですから^^」
「ともだち・・・と、言ってもここまで・・・」
「だから、友達の為に好きでやってるんですから、気にしないで下さい」
「有り難うございます」
「いえいえ^^」

「で、昨日から差し入れに行こうと思ってユニクロでタエちゃんの物、少し買って来てますから、このまま行きましょう」
「え? タエの差し入れまでですか?」
「差し入れに現金だけでも良いんですが、取りあえず、下着や衣類は必要かなぁ~って、女物、買って来てますから^^」
「いや~、申し訳ないです」
「タエちゃんとは会ったことがあるんで、おおよそのサイズは大丈夫だと思うんですよね」 女性の3サイズには敏感なのだw
「すんません」
「じゃ、行きましょう。 チョツト待って下さいね」

 ソファーから立ち上がり、背広を片手にドアを開いて、地下駐車場へ連絡をする様にと、サチに合図をした。 「分かったわ」と、サチが合図を返してくれた。

 部屋へ振り向き、彼に向かって「行きましょう」と手招きをした。 俺よりも長身だと思って彼が、ソファーから立つと、俺よりも小さくなっていた。 初めて彼が気の毒に見えた。 いくら紙切れ1枚の偽装結婚だと言っても、やはり、家族は家族である。 相手を心配して当然だが、ここまで傷心されると彼が小さく見えたのだった。



 地下駐車場へ一直線に向かいたいのだが、ここのフロアーからのエレベーターは、地下へは繋がっていない。 1階ロビーで乗り換えが面倒だった。

 地下駐車場へ向かうと運転手が警備室前で待っているのが見える。 運転手へ「あの荷物は?」と、両手をかるく挙げて合図をすると、「トランクの中です」と、帰って来た。 「OK!」と合図をしながら車の方へ足を速める。 メルセデスS500、今日の足だった。

「お待ちしてました。 どうぞ」 運転手が俺に挨拶をしながら、後部ドアを開いて、左手の白手袋で頭を庇(かばお)うとした
「悪い、トランクの荷物、見せてくれないか?」 運転手へ促した
「はい、今、開けます」 と、左ハンドル車のドアを開き、足元のノッチを引いて、トランクを開いた

「これ、全部、タエちゃんの差し入れに買い込んできました^^」 俺の後ろで、突っ立っている彼へ、トランクの中を見せた
「え? これ全部ですか? いや~ これは・・・」 後の言葉がでない
「全部ユニクロですけど、まぁ~、これくらいあればタエちゃんも安心かなぁ~って、昨日買って来ました^^」
「あ!すいませんでした。 支払いますので全部でお幾らですか?」 恐る恐る聞いてきた
「ユニクロは安いんで、全部で3万くらいかな」
「で、ですか。 払いますから」 財布に手をかけた
「いや、いいんです、代金は」
「え? だって3万円も」
「俺、前にタエちゃんから、飯、おごってもらってるんで、そのお返しです。 いいですから」 トランクを閉めるように合図をする
「そんなわけには・・・」
「だから、おごられたお礼ですから」
「申し訳、ないです」
「本当に気にしないで下さいよ。 わざわざ金沢から仕事を休んで来てるんですから」
「いや、事件は内の事ですから・・・」
「たまたま友達が、おかしな事件に巻き込まれただけですから、俺はタエちゃんを信じますよ!だから」 財布に軽く手を当てた
「・・・有り難うございます」

「おk~! じゃ、行こうか」
「はい」 彼が恐縮した
「じゃ~、昨日、渡してある住所まで頼むね」
「畏まりました。 では、中へどうぞ」 彼を先に車内へ入れた
「専務も、どうそ」 
 運転手へ軽くウインクをして運転席の後ろ側へ腰をおろした。

 北区、西が丘分所の留置場まで、後はメルセデスに任せた。 流石にいくら俺でも、これ程のユニクロ袋を持って電車へ乗る度胸は無かった・・・。






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       はぁ~?

 引退覚悟で投げやりで引いたクジから 「はぁ~」 だと?
 運営に俺の卒業を見透かされてる気がしたw


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