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まじいなぁ~  ・・・ No19
- 2017/12/23(Sat) -
Chrome で書いています。


            ん?なんだよ

              だから・・・なんだ?



 鉄の格子戸まで来て、入り口を探した。 大きな横開きの格子戸には出入りの出来る入り口が無い。 もう少し先へ進むとアルミ製のドア1枚の出入り口があった。 脇のインターフォンを押す。

 ピンポン~♩~
「はい、ご用件をどうぞ」 どこかにモニターでもあるのか、押した途端に返答があった
「面会なんですが」 脇のインターフォンへ大声で答える
「今、そちらへ行きますので、少々、お待ち下さい」 面倒くさそうに、おやじの声がした

 ここの出入り口からでは塀の向こうの様子が窺えない。 さっっきの鉄格子からなら中が丸見えだったのだが、待つしか無い。
しばらくすると建物の正面口のドアの開く音が聞こえ、こちらへ歩いて来る足音が聞こえた。 
 ガチャ
 アルミのドアが開いて、小柄な制服の男がドアノブに手をかけたままで立っていた。
「中へどうぞ」
 手荷物を持って2人で入り口をくぐると、またガチャリと、ドアを閉めた。

「面会入り口の受付は2階ですから」 歩きながら小柄な制服男が頭だけ振り向いて、俺とタエちゃんの旦那を確かめた
「左ですね」 と、だけ答えて4階建ての濃い茶色の建物の、正面玄関の前で立ち止まった
「どうぞ」
 入り口を入ると正面にエレベーターがあった。 このエレベーターで取り調べの警察署へ護送されるのだろう。 一般的には護送の出入り口は、目立たない警察署の裏口近くで、階段そばに出入り口が多いが、ここは建物の正面だった。

 エレベーターに3人で乗り込む。  
 2階に到着して、右側を見ると、正面に大きな文字で「受付」と書かれたプレートがぶら下がっていた。 タエちゃんの旦那、彼と目を合わせて、受付へ向かった。 制服の男は最後について来た。
 腰ほどの高さで、ここら側と向こう側とが受付として仕切られている。 役場のカウンターの様な造りだ。

「どういったご用件ですか?」 定年近い警官が訪ねてきた
「面会と差し入れです」 俺の後ろからタエちゃんの旦那さんが声を上げた

 少し大きめの声で答えた事にムッとした顔で、受付の警官が答えた
「あ~面会は、本人が取り調べ中だと、ここにはいませんから、出来ないですね」 ぶっきらぼうな声だ
「いるか、いないか、教えてください」 彼が返す
「じゃ、まず、ここへ面会者の名前と、面会に来た人の名前、住所、関係を書き込んで下さい」 わら半紙のコピーを渡された

 彼が俺の前に出て、差し入れの袋を片手に持ったまま、先に手に取った。

「そちらは?」 両肘をカウンターにつき、手を組んだままで、下から俺を見る
「ここの留置所にいる女性の友人で、彼、旦那の友人でもありますけど」 ひと言、友達です、でも良いのだが・・・
「じゃ、あんたも、これを書いて」 わら半紙を手渡わたされた

 面会相手の氏名の欄を残して、自分の名前、住所、関係を書き込む。 タエちゃんの氏名欄は、旦那の記載をチラ見して、彼が書いた名前と同じに「木下 ラッタナポン」と書き足した。 2人で同時に記載したわら半紙をカウンターの制服爺へ手渡した。

「何か、身分証明書をお願いします」 2人で免許証を渡した

「え~と、チョット待って下さいね。 本人が何処にいるか確認しますから」 2枚のわら半紙を後ろのワイシャツ姿の女性に渡す

 ワイシャツ姿の事務員女性が仕切りで見えない奥の方へ消えていった。 2人で奥の様子を伺う。 

「せっかく来ても、ここは会えない方が多いんですよね。 土日なら、多分、大丈夫なんですがね・・・」 カウンターで答えた

「もし、本人が取り調べ中で不在でも、差し入れは出来ますよね」 少し悪たれをつきたくなる相手だった

「え~と、差し入れは出来ますけど、そこに書いている様に、差し入れ品も、色々と制限があって面倒なんですよ」
 彼がゆっくりと後ろを振り返って、カウンター後ろの仕切り版に貼られている「差し入れ制限類」と、言う紙を指さした。
「で、せっかく差し入れ品を持って来てもらっても、規定に合わないと全部の品、持ち帰ってもらわないといけないんですよね」


 しまった・・・。
 男性の場合と違って、女性の場合は色々とサイズや規定が事細かく決まっている事を、今頃になって思い出してしまった。

「よく、郵送での差し入れも来ますけど、殆ど入りません。 でも、こちらからは送り返す手間はしませんから、倉庫で保管か、取りに来なければ、廃棄処分になるんですよね・・・」

 タエちゃんの旦那と目が合うと、俺がしくじった表情を読み取って、彼も困った顔をしてみせた。 留置所で使える物なら、釈放の際に「これ、処分して下さい」と、言えば、通常は保管されていて使い回される。 いきなり逮捕されて身の回り品が無い時など、一時的に使われるのだった。 一般的には、自分の所持金で購入した物を「私物」と呼び、使い回しで配給される物は「官物(かんぶつ)」と呼ばれる。 練り歯磨き以外は、処分品のおおよそは使い回されることが多い。

 ユニクロでタエちゃんが楽な様にとサイズには考慮したはずだが、それ以外の色々な事で許可される物と、許可されない物とを選別される事に、俺の内心で「しくった!」っと、顔に出てしまったのだった。


 カウンター奥の仕切り版の影からさっきの女性が出てきた。 手には俺と、タエちゃんの旦那が書いた書類を持っている。

「この名前の方は確かにいますよ。 今日はここにいます」 そこで一呼吸してから続けた
「でも、この女性は2人の事を 知らない と、言っていますが・・・」

「へ?」 
「今、ここにいるのは確かだけど、友人と旦那を知らないと、言ったんですか?」 俺の耳を疑った
「はい、2人は知らない人だと・・・」
 タエちゃんの旦那が噛みついた。
「知らないはず、ないだろうが。 わざわざ金沢からこうして出来てているのによぉ」 熱くなっていた
「でも、確かに知らないと、言ったんですよ」
「そりゃ、おかしいだろうがぁ」
 熱くなった彼を軽くなだめて、聞き直してみた。
「会いたくないと、言ったんではなくて、知らないと、言われたんですね」
「ええ、そうです。 お二人の名前も面会に来ていることも伝えましたが、そんな人は知らないと、言われたんです」
「・・・ですか」 一瞬、驚いたが訳がありそうに思えた
 知らないと、言われて混乱している彼の方を向いて、ゆっくりと彼に話した。
「タエちゃんがうちら、二人を知らないと、言ってるのは何か訳があるんでしょう。 本人が、知らないと、言ってる以上はしょうが無いですね」
「知らないわけがないさ・・・」
「だから、タエちゃんに何か理由でもあるんでしょうね」
「こまったなぁ~。 わざわざ仕事を休んでまで来たのに・・・しらねぇ・・・かぁ」
「面会は諦めましょう。 ここに二人で来た事だけでもタエちゃんは分かったハズですから」
「・・・しゃ~ねぇ~わなぁ~」

 カウンターから事務の女性と彼とのやり取りを聞いていた制服警官がおもむろに言った。
「たまにこんなケースもあるんですよね」 意味ありげだったが、聞き流した

「分かりました。 タエちゃんがうちら、2人を知らないと言うでしたらしょうが無いでしょう。 じゃ、差し入れだけでもしていきますからお願いします」 制服警官へ大きな紙袋を二袋見せた

「じゃ、全部見ますから、袋の中から出して下さい」 随分と多いなぁ~と、言う顔だった
「え~と、じゃ、これ、全部、検査して」 振り向いて、先ほどの女性事務員をカウンターへ呼んだ
 申し訳なさそうな顔で彼女がカウンターまで来て、俺が袋から一点、一点と、カウンターの上に置いていった。 その包みを開き、下着類と、上着類、とに手早く仕分け、袋を開けてチェックをし始めた。

「こういう首もとが広い下着類はダメなんですよ」
「え?」 聞き直した
「こうゆう風に首もとがV型とかU型になった物は差し入れ出来ないんですよ」
「ええ?全部?」
「はい。 一般的に言われる丸首型以外は全部ダメですので」
「まいったなぁ~」 マジにまいった

 取り調べの際に、女性なので胸元が少しでも見える物は取り調べ官を官能してしまい、おかしな調書を作ってしまうからだろう。w 
「これもダメですね。 下着の裾が短すぎます」 おい、パンツもかよ
「靴下も・・・長さが決まっているんですよ。ですから・・・これと、これもダメですね」 ・・・Orz
「え? じゃぁ、肌着1点、下着1点、靴下2足だけですか?」
「そうなりますね」 キッパリ
「だから、ここに書かれているサイズの物、以外はダメなんですよ」 初めて制服爺が哀れな顔をしてみせた

「え~と、ジャージですが、全てダメですね。 全部U首ですので、首元が広すぎます」 おいwまじっすかw
「え?ジャージ上下、全部ダメ?」
「ええ、ダメです」
「・・・・」 言葉が出ない

 女性用の私物が、これ程までに厳しいとは・・・流石に、俺も落ち込んだ。 結局、9割ほど、いや、もうほとんどが差し入れとして受け付けてもらえなかった。

「差し入れ出来るものは、こちらの用紙へ書いて下さい。 これと、これ、と・・・これですね」
「肌着1点、下着1点、靴下2足だけ・・・ですかぁ。 で、ジャージは全滅と・・・」
「あ!全滅とか、書かないで下さいね。 差し入れ、取り消されますよ (笑)」
「済みません、冗談でも、笑えません、今は」 うけたw
 差し入れ品リストに数点だけ記載して、彼女へ渡した。差し入れ名は俺の名前にした。

「じゃ、現金も入れますから」 カウンターの彼女へ尋ねた
「はい、ではこちらの用紙へ記入してください」 また、別の用紙を渡された
 その用紙を見て、隣の彼が財布を取り出した。 財布から万札を数枚取りだしてカウンターへ置いた。 5万円。
「いくらまで、現金での差し入れは出来ますか?」 俺が制服爺へ尋ねた
「まぁ~限度がありますから・・・多すぎても・・・・」
「ですから、幾らまでですか?」
「ここにいる間なら4~5万もあれば十分でしょうよ」 嫌な顔をした
「で、制限はあるんですか?金額の?」 今度は彼女へ尋ねた
「10万円まではお預かり出来ますが・・・」
「10万ですね、じゃ、10万でお願いします」
 彼のテーブルの上に置かれていた5万円に俺の財布から5万円を出して10万円の束にして、数えてタエちゃんの旦那へ手渡した。
「旦那さんの名前で10万円、入れて下さい。 俺の名前は、品物で書いてますから」 彼に用紙を渡した

 差し入れられた品や金額は後で、タエちゃんの部屋で品物の名前と数量、金額など告げられて、必ず拇印(人差し指)を求められるので、誰が何を、いくつ入れてくれたのかは分かるのだ。
 品物は俺の名前、現金は旦那の名前の方が良いと思っただけだ。

 旦那が用紙に記入して、現金10万円を制服に渡した。


「しらないかぁ・・・・」 ショックだったに違いない
「・・・・まぁ、タエちゃんの気持ちを酌んで、今日はこれで帰りましょう」 彼を促した
「しかたねぇ~なぁ」 最初は敬語だったが、彼本来の言葉遣いに戻っていた
「いきましょう」
「はい」 か細い声だった

「後、宜しく、お願いします」 制服と彼女へ頭を下げてエレベーターへ向かった

 俺の両手には、ほとんど差し入れが出来なかったユニクロが二袋、ぶら下がっていた。w




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コメント
-Re: 是非!-
会社から足を洗っても、頻繁に真夜中にTELが3匹から来てるよ。

忘年会や新年会のお誘いも社長からもあったけどインフルと目の不調の
せいでおシャカになっちまったさぁ。

また、非常勤で来い!と呼ばれてるけど・・・思案中ですわぁ。


ブログ、再開するよ^^
2018/02/21 19:56  | URL | めめ #-[ 編集] |  ▲ top

-是非!-
支部もある合併したお祝いに
写真の美人秘書との一席をお願い(((o(*゚▽゚*)o)))♡


合戦頑張るから!

ね!
ね!
(*゚∀゚*)
2018/02/21 19:39  | URL | 綺麗だなあ(*゚∀゚*) #-[ 編集] |  ▲ top


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